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機械兵団の進軍 リミテ下馬評(環境予想・カード個別評価)

はじめに

こんにちは!
いつもポジティブ、山辺カフカです!

YouTubeでリミテッド専門の配信をしている女子大生VTuberです💕
(4月からJK→JDになりました)
今後ともよろしくお願いいたします。

自己紹介はさておき、
筆者は毎度新セットのリリース前に環境予想の下馬評記事を、
リリース後にはその反省会記事を、
それぞれ執筆しております。

まだ新セット:機械兵団の進軍(以下、MOM)の全カード公開プレビューから間もないですが、早速下馬評やってみたいと思います。

ファイレクシア:完全なる統一(以下、ONE)は予想を結構外してしまったので(うっ頭が)、今回は頑張りたい!


環境予想

本セットの固有メカニズムや各色のアーキタイプ、および環境理解については、わが師匠、大やけどした節約家さんがすでに下記動画に纏められているので、是非ご視聴ください。

また、毎セット環境考察記事を上げられているぞんびさんも早速執筆されていたので、是非ご覧ください。

リミテッドで各色に振り分けられたアーキタイプ(運営想定)は下記のオリバさんのツイートを参照ください。

その上で、下馬評というからには私なりの予想を17landsで見られるデータの形で行いたいです。


環境のスピード

17landsの「Play/Draw Advantage」というデータの予想をします。
このデータは先攻・後攻の勝率差と、その環境で試合が終わるまでの平均ターン数を示すものです。

ちなみに、現在のスタンダードのエキスパンションの最新データは以下の通りです。
銀シンボルがプレミアドラフト、赤シンボルがシールドのデータです。

筆者としては、MOMのプレミアドラフト環境を、団結のドミナリア(以下、DMU)と同等の平均ターン数(約9.8ターン)となる、遅めの環境と予想します。

そして、先手vs後手の勝率については、先手若干有利な環境(先手勝率51.5%程度)と予想しています。

上記考察の根拠は以下の通りです。

①バトルの存在

今回は皆さんもご存知の通り、新しいカードタイプとしてバトルが追加されております。

バトルカードは全般的に、表面はマナコストに対して少々割に合わない程度の効果を持って場に出ます。
その代わりに、裏面に変身するとどれも追加でカード1枚分の仕事をする上、マナコスト相当以上の見返りのあるカードが多いです。

バトルは条件付きでマナコスト以上の仕事をするメカニズムですので、過去のメカニズムとしては、灯争大戦のアンコモン・プレインズウォーカーや、英雄譚に近いデザインだと思っております。

・アンコモン・プレインズウォーカーは自身が忠誠度プラス能力を持っていないため通常はマイナス能力の使いきりになってしまいますが、相手の攻撃から守れさえすれば、マイナス能力を使い切ったときの仕事はマナコスト相応以上でした。
・英雄譚も2章以降の効果が発生するまでにタイムラグ(&除去リスク)がある代わりに、すべての章の効果を合計するとマナコストよりもお得になるようデザインされています。

今回のバトルも、条件が異なるだけで広義にはこれらのメカニズムの延長と言えそうです。
なお、今回のバトルはすべてサブタイプとして包囲戦を有しており、この記事ではこのバトル(包囲戦)のことを単に「バトル」と呼びます。

そして、今回のバトルのデザインは、相手がコントロールするプレインズウォーカーのような役割となっています。
出す側が事前に守る手段の確保を考えられるプレインズウォーカーと比べて、不意討ちのように貼られていきなり裏返すこともできるのが大きな違いです。

このようなバトルのデザインの危険性を予期してか、今回は警戒やクリーチャーのアンタップ手段が多く採用されているように見受けられます。
これにより、不意に置かれたバトルも守りやすくなっており、攻守両面を見据えたデザインのカードが多い印象です。
裏返すと、バトルを殴りたい側にとっても警戒クリーチャーは非常に邪魔であり、バトルの表面がマナコスト未満の性能であることも相まって、バトルを貼ったはよいものの殴りきれずに膠着しやすい環境になると思われます。

加えて、バトルを裏返すという行為自体が、ライフ・アドバンテージの代わりにカード・アドバンテージ(ないしはボード・アドバンテージ)を取るためのものであり、相手に対しては実質的にライフを与えてしまうことになるというデメリットも孕むことには注意が必要です。
上の例の《べレノンへの侵攻》であれば、裏返すために相手のライフを5点以上削る機会を失っているとも言えます。
最終的なゲームの勝利を考える場合にライフ・アドバンテージを犠牲にする機会が増えることも、この環境が遅くなると予想する一因です。

そして、このバトルをアーキタイプに昇華させているのが今回の赤緑カラーです。
以下のようなバトル・アーキタイプのクリーチャー群は、「バトルを攻撃している場合に打点が上がる」、ないしは「元々攻撃できないはずの膠着盤面でもバトルだけは攻撃できる」という状況を生める点で、他の色よりも前段のバトルのデメリットを軽減しています。

また、デメリットの軽減という観点では下記のクリーチャー除去も一定のシナジーを形成しています。
本来は対戦相手自身に撃つことができないダメージ・打点をバトルに撃つことで、除去したいクリーチャーがいない状況でも次のターン以降の打点向上に繋げることができます。

これらのシナジーはバトルとクリーチャーの両者を設置する、という一手間をかけて初めて真価を発揮することからも、赤緑が環境を加速させる要因にまではなりにくいと予想しております。 

一方で、先にバトルの変身に成功するほど盤面を優位に立てやすいという側面があるため、遅めの環境速度の割には先手有利となりやすい環境になると見込んでおります。
通常、環境速度が遅くなるほど後手のカード・アドバンテージの影響が大きくなり先手の優位性が減るのですが、この環境ではバトルがカード・アドバンテージを取り返しやすい構造のため、少し平均的なプロットからは外れると思うのです。

あくまで環境速度に比してであり、後述する③の理由からも直近のONEや兄弟戦争(以下、BRO)環境よりは先手-後手の差はまろやかだと思っています。

カフカのつぶやき

また、バトルについては私のアドバイザー(💕):おだんごさんがアツく・楽しく語ってくれてるので、こちらもご覧ください💕


②変身クリーチャーのテンポが悪い

この環境は各パックに1枚確定で、両面クリーチャー・カードが含まれます。
今回の両面クリーチャーは変身にマナコスト(+Φマナ)を要求するものが大半で、このマナコストは全般的に重めに設定されています。
加えて、バトルとも似た理由で、表面だけではマナコストに対して少々割に合わない効果・スタッツとなっているのも特徴です。
その代わりに、変身することでカード・アドバンテージを取る効果を多く持っています。
以下に代表的なコモン・アンコモンの両面クリーチャーを示します。

①のバトルとは異なり1枚で完結している点では安定感があるものの、変身後の効果・スタッツも支払った合計のマナコストと比べると割に合わない印象が強いです。
この点、少し前の団結のドミナリア(以下、DMU)で採用されたキッカーと比べても、マナの分割払いが可能な代わりにトータルでの見返りは少し割高に設定されているようです。

中盤にライフ・アドバンテージ(次のカードの展開)よりもカード・アドバンテージ(カードを使わずに変身)に費やす選択肢・機会が増え、後者が割高なことからも、環境の低速化に繋がりやすいメカニズムだと思います。

なお、変身自体は今回初出の培養にも関わるメカニズムですので、こちらで触れたいと思います。
培養トークンはクリーチャーでないアーティファクトとして場に出て、(2)を支払うことでいつでも変身可能な起動型能力を持ちます。
前のターンに変身前の状態で場に出ていれば、変身後即攻撃することも可能なのが、強力かつ面白い点です。
ソーサリータイミングでの変身しかできない両面クリーチャーと比較すると、培養トークンの変身はインスタントタイミングで行えるため、テンポ面で優秀です。

後述する③の観点からも両面クリーチャーの方が「変身に合わせて除去を撃たれる」リスクが大きく、総じて使いにくさが目立ってしまいます。
筆者予想としては、一部の表面も強力な両面クリーチャーを除き、そこまで多用はされないのではないかと思っています。
逆に、培養はいずれもマナコスト相応のサイズ感を持って出るものが多く、アグロデッキに対してはテンポ面で追いつかないリスクはあるものの、実質的なソーサリー除去耐性もあるため多用されるのではないかと思っております。


③インスタント除去の質が良い

本環境はコモンのインスタント除去に恵まれています。
中でも、序盤のアグロデッキの猛攻を止めるのに重要な軽量インスタント除去がいずれも優秀なことは特筆すべき点と思います。

このうちバトル・シナジーもある《火山の悪意》と《星界の飢餓》には既に①で触れましたが、その他の除去も自身のマナコスト以上のクリーチャーとの1:1交換を取りやすいものが多く、序盤のテンポを取り返すのにかなり貢献すると思われます。
同様に軽量除去が優秀であったDMU環境にも匹敵するレベルだと思っておりますが、DMUで《盾、構え》と《下支え》が環境柄強かったのと同様に、今回のMOMにも《天使の介入》《サイバの暗号術師》という2枚のコモンの除去回避カードが存在しますので、過信はしすぎないようにしたいですね。

また、軽量ではありませんが、最高級の除去である《命を奪う嘲笑》にも触れさせてください。

このカードはフォーゴトン・レルム探訪の《不気味な報奨》がインスタントになった上位互換なのですが、リメイク元ですら宝物トークンによりテンポを取り戻す動きは非常に強力でした。
今回も宝物を生贄にするシナジーが赤黒に存在しますし、そもそも本来の使用方法でも5ターン目の3マナ×2のダブルアクションを可能にしたり等、単なる除去に留まらない活躍を見せるであろう注目のカードです。


④ボムレアが通常の環境以上に多い

今回は通常レア枠に加えて、バトル枠・両面クリーチャー枠・多元宇宙の伝説枠でそれぞれレアカードが出る可能性があります。

BROの旧枠アーティファクト枠や、ストリクスヘイヴン:魔法学院(以下、STX)のミスティカルアーカイブ枠と同様のものと考えていただければよいのですが、さすがに最大4枚のレアカードが1つのパックから出現するのはあまり前例を知りません。
(注:実際にすべての枠から同時にレアカードが排出されるかは未定です、調整が入るかもしれません。)

したがって、必然的に2巡目以降でもレアカードを見かける機会は多くなり、デッキのカードパワーを上げるために、多くのレアカードをできる限り受け入れてピックできるような戦略を取りたくなります。

この戦略を取るためにはピックの序盤で色の受け入れを最大限広げる必要があり、ピックできたカードの色と合う土地・マナサポートも積極的に取っていくことが求められます。

その観点では、DMUぶりにコモンのタップインデュアルランド(ゲインランド)がある環境なので、《広漠なる変幻地》や《進化する未開地》しかなかった直近のONEやBRO環境に比べるとマナサポートには恵まれている方です。
版図アーキタイプを推すために異常なまでに多色化できたDMU環境ほどではないものの、筆者としては同じくゲインランドが採用されていたNEO環境程度には、気軽にタッチカラーが可能な環境になると予想しています。
その他のマナサポートの中では特に《這い回る偵察機》を筆者は推していて、多色化に貢献しながらバトルのブロッカーや賛助・生贄の種にもなるなど、様々なデッキのサポート役としていぶし銀の活躍をできると思います。

その上で、完成したデッキは必然的に「後半レアカードで捲る」タイプの戦略になりやすいため、結果的にこの要素も環境の低速化に繋がると思われます。
ちょうど、DMUやNEO環境で緑をベースとした多色デッキが存在感を示していたのと似ていると思いますが、今回の環境は必ずしも緑に触る必要がなさそうなのは多様性の観点からも面白そうです。


Tips:アグロデッキの可能性

ここまで長々と環境が低速化する理由について述べましたが、低速環境においてもTier1として少なくとも1種以上のアグロアーキタイプが存在することは、過去の歴史が証明しています。

DMUの赤白アグロ、NEOの青黒忍者、STXの白黒フライヤー…etc.

カフカのつぶやき

今回その枠として筆者が最も可能性が高いと感じるのは、赤白賛助です。
賛助というアーキタイプは先述のバトルや変身カードのような表面が平均同等~それ未満のカード群と比べると真逆で、場に出たターンに効果・価値を前借りするような戦略となります。
具体的には、既に前のターンから出ているクリーチャーに「賛助」することで、そのターンに相手に与えられる打点を1点以上前借りできます。
ここで「1点以上」としたのは、そのターンに攻撃できないクリーチャーが賛助により攻撃できる場合には、その価値が増大するためです。

環境柄、遅いゲームレンジの序盤の動きが平均以下であるデッキに対してこの前借りは非常に効果的と見られ、マルチカラーアンコモンの《鏡の盾の重装歩兵》の強力さも相まって、環境の隙を縫うアグロの筆頭アーキタイプになりそうです。

借りたもの返す前に勝つ!

同じくアグロのアーキタイプとして期待されている白青騎士ですが、筆者としては再現性に少々疑問があります。
説明不要の強さである騎士ロード《ザルファーの司令官》を除くと、騎士デッキ専用カードと言えそうなのは《剣誓いの騎兵》《儀礼の騎士》くらいであり、《羽づくろう勇者》は青デッキ全般と、《印章持ちの歩哨》《キスキンの雄山羊乗り》は赤白・緑白系のアグロデッキと競合しやすいと思われるためです。
最終的に騎士カードが十分揃わない中途半端なデッキとなる可能性も高そうでして、雑に単体でも仕事ができる賛助と比較すると、デッキの完成度については再現性が低くなるアーキタイプと見込んでいます。

白青専用騎士
集めにくそうな騎士たち

最後に、上記2種のアグロデッキよりも世間の下馬評がそこまで高くなさそうな、緑白アグロ(+1/+1カウンターアーキタイプ)についても触れます。
筆者は緑白の強さを比較的評価しているのですが、その理由の一つとしてこのアーキタイプ以外では使われにくそうなカードが多い点を挙げます。

+1/+1カウンターを活用するアーキタイプとしては他に赤白の賛助、および黒緑の培養がありますが、そのいずれも「+1/+1カウンターを置く」という行為には主眼を置いていません。
(賛助も培養も結果として+1/+1カウンターが置かれた状態になるだけで、カウンターであることをアーキタイプとしては意識していません)

そのお陰で緑白で最大限効果を発揮するカード群が比較的他のアーキタイプで優先してピックされにくい構図となっていると予想しており、片方の色が卓内で被っていても再現性良く完成形のデッキが構築できるように思っております。
これは完全に筆者の所感ですが、NEO環境の緑白がエンチャントシナジーカードを集めやすかったのと近いように感じています。

緑白以外は取らないで!

以上、アグロアーキタイプ内での筆者なりの評価を語りました。
これらのデッキの共通点としては、長期戦にもつれこまない限りバトルよりも対戦相手本体(ライフ)を狙うデッキになるだろう、ということでしょうか。
少なくともいずれかのアグロアーキタイプは環境の台風の目として、平均キルターンを早める方向で存在感を示すとは思っております。


カード個別評価

執筆中…

色別(アーキタイプ別)の強弱予想Tier listだけ作成してみましたので、よろしければ参照ください!

おわりに

4/14(金)未明~4/15(土)未明にかけて、MOMのアーリーアクセスイベントが開催予定です!
筆者も幸い参加権を頂きましたので、そちらの体験も踏まえた情報共有ができればと思っております!
DMU・BRO・ONEの環境理解記事(↓)がとても好評で嬉しかったので、今回もみんなに届くと嬉しいです🎵

また、私のDiscordサーバも開設したので、こちらにもお気軽にご入室ください!
リミテに関する質問や議論、中には指導してくれる方もいらっしゃいます!

それでは!また次回記事か配信でお会いしましょう!
バイバイ、さよなら、再見

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