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【読書メモ】 実践!ストレスマネージメント 2章 ストレスマネージメント 〜ストレスの解決と解消〜 前半

1章 レジリエンス 〜ストレスをはね返す力〜

書籍を読んで理解をまとめていきます。書籍の内容を引用しているわけではないので、一部齟齬があるかもしれませんが、それを踏まえて読んでいただけると助かります。

要約

ストレスとは、物理学の分野で使われていた言葉で、圧力をかけられた物体の歪みが生じた状態を指していました。医学や心理学では、外部からの刺激をストレッサーといい、こころや体に生じた反応をストレス反応という。現在では、自分にとって都合の悪いストレッサーをストレスよ呼ばれるようになってきました。このストレスをいかに処理をするかの対策がストレスマネージメントである。ストレスの処理とは、ストレス解消をイメージしやすいが、それ以外にもあるので紹介していく。

2−1 ストレスマネージメントのいろいろ

ストレスの処理には3つの段階と5つの方法がある。1段階目は、問題の解決を図る段階。人との関係が悪くなってしまってストレスを感じているときに、関係を改善することでストレス状況の解消を図る。問題そのものに向き合うので「問題焦点型」(方法1)と呼ぶ。
2段階目は、意味付けの再検証をする段階。ここでは、自分にとってネガティブだと思っている刺激(状況)が、本当に自分にとってネガティブなものかどうか、もう一度考え直してみるということ。嫌だと思っていた仕事が、実は自分のためになるものだと知ると、ストレスではなくなるということ。受け取り方、すなわち認知を変えるので「認知修正型」(方法3)と呼ぶ。(方法2は最後に)
3段階目は、ストレス反応の軽減をはかる段階。自分にとってネガティブなことからかじられるストレス反応の軽減を図ります。一般的に言われるストレス解消である。この中には2つの種類がある。1つは、自分の気持ちを話したり、聴いてもらうことで気持ちの発散を行う「感情処理型」(方法4)。もう一つは、気分転換、ストレス解消と呼ばれるエネルヒーを充電して活性化を狙う「充電・活性型」(方法5)と私は呼んでいる。
最後に、どの段階においてもありえる「支援探索型」(方法2)がある。問題の対応のために他者(家族、友人、専門家)に相談したり、情報収集すること。
このストレスの処理方法を「ストレスコーピング」といい、5つの方法がある。

2−2 5つのストレスコーピング(処理方法)

3つの場面と5つのコーピング

ストレスになっている問題そのものの解決を試みるのが『問題焦点型ストレスコーピング』。この方法が最も本質的なものなので、この方法から検討スべき。虫歯になったときに痛み止めなどの緩和ではなく、虫歯そのものを治療するもの。しかし、本質的な対応には、それなりの苦痛を伴うので避けてしまいがち。特に人間関係のストレス状況では、更に避けてしまう傾向にある。

ビジネスEQという書籍の中で重要とされている社会的コンピテンスが生きる上で大切とされている。問題を解決する能力であると言えるので、紹介する。(コンピテンスは、能力、才能、適正を表す言葉)

社会的コンピテンスは、社会の中で相互交渉し問題を処理していく能力で、もう少し掘り下げると以下のようなものがある。

1.共感性
・他人を理解する能力
・他人を育てる能力
・多様性を活かす能力
・「空気」を読み取る能力
2.社会的スキル
・影響を及ぼす能力
・コミュニケーション能力
・対立をマネージメントする能力
・リーダーシップ能力
・変革の触媒となる能力
・連帯を築く能力
・協調と協力、チームワークを築く能力

2つ目は、友人や家族など接触し、情報収集、相談、助言をもらうといった行動をさす『支援探索型ストレスコーピング』です。これは、必要な場面には適切な支援を受けることにもつながります。相談相手を多数持っている人はストレスへうまく対応しやすいと言えます。仕事上の問題、健康上の問題、経済的な問題など、色んな分野で相談できる人を持っていることは非常に大きな財産です。

3つ目は、「出来事」に対する見方や受け取り方の認知を修正する『認知修正型ストレスコーピング』です。何か出来事が合った場合、様々な受け取り方ができるが、ネガティブな受け取り方(認知)をすると、その後ネガティブな気分になります。様々な受け取り方ができるのに、我々は自分にとって一番イヤな受け取り方をして、不安、抑うつ、怒り、嫉妬などに影響を与えます。上司がそっけない反応をしたときに、理由はさまざまに考えられるはずですが、嫌われているからだろ受け取って不安を生じさせ、上司との接触にストレスを感じたりします。そのため、物事の受け取り方(認知)に関して改めて検証してみるのが認知修正型ストレスコーピングです。状況を客観的に検証することで、自分の受け取り方が根拠の乏しいものだと気づき、他の考え方ができることがわかると自らの気持ちも変わり、適切な対処ができるようになってきます。

4つ目は、怒りや不安などの情動の低減を目的として、感情を表に出したり聴いてもらうことで気持ちを発散する『感情処理型ストレスコーピング』です。「話を聞いてもらって楽になった」「愚痴を聞いてもらって元気が出た」ということはよく言われますが、こういったものが感情処理型のストレスコーピングです。自分の気持をわかってもらえたと感じることで楽になるのは事実です。

5つ目は、通常「ストレス解消」と言われる行為である『充電・活性化型ストレスコーピング』です。人によって様々なやり方があるが分類するとRest:休息、Relaxation:リラックス、Recreation:活力の回復の3種類になる。
休息は、エネルギーの充電とバランスの回復を目的とする。特に重要なのは睡眠である。1日ぐっすり寝ると気持ちが楽になっていることも多い。
リラックスは、体と精神の緊張緩和につながる行動で、散歩、音楽を聞く、ヨガ、ストレッチなど、体の緊張や精神的な緊張を緩和をはかる。体の緊張を緩和することで、精神的な緊張も緩和できる。
活力の回復は、楽しむことができるものです。ストレスになっている原因は変わらないが、活力が戻ることでストレスへの抵抗力、チャレンジする気持ちがよみがえります。享楽行為の中で、遅くまで飲み歩く、ギャンブルに溺れるものは一時的に楽しくても活力の回復にはならない。

感想

ストレスコーピングという概念は知っていたし、問題焦点型など一部知っていたが3つの場面と5つのコーピングに分けられることによって一気に理解が深まった。本書では、何度も問題焦点型をオススメしていた。解決すべきは問題であり、それができない場合に抵抗する力を手に入れるために感情処理型だったり、充電活性化型を使うとのこと。伊藤絵美さんの本ではストレスの問題は根本解決が難しいからストレス源はなくならないことを前提に対策していきましょうというスタンスだったので、ストレス対策といっても違いがわかってよかった。
充電・活性化型のコーピングも、休息、リラックス、活力の回復を意識的に確認することで、より広がりをもてるようになるのではないかと思う。

非常によい本なので、読んでみたいと思った方はぜひ買ってみてください。私の要約よりも短く簡潔にまとめられた各章や節のまとめも本に記載されていますので、読みやすいです。


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