見出し画像

ロザリアン・シンドローム@オールドローズの咲く庭

「ママ、この庭にはお金💴がいっぱい眠っているよね?」と子供は言う。

画像14

ギクッ💦

あら?

まあ?

なぜかしら?

おほほ、私がロザリアン・シンドロームに罹患しちゃったからよね。が、一応、名誉のために言っておくと、罹患したのは人類史上私だけではない。断言してもいい。横断歩道、みんなで渡ればこわくないって言うじゃん?

自然の面白いところは、その連続性ではないか?と思う。終わりというものはあるように見えて実は無い。はじまりもまた定かではない。

たとえば、バラという植物のはじまりをいったい誰が知っているというのだろう?が、少なくとも紀元前12世紀のペルシャには既に存在していたし、5000年前のメソポタミア文明からという説もある。

つまり、何処かはっきりわからないけれど、地球上の或る時点から始まった1つのスピーシーズの連続を、我々はバラ総称しているに過ぎない。

幸い恐竜のように絶滅することなく今日も愛でる事が出来るのは、もちろんのもつ強靭さもあるけれど、バラを愛した有名無名な人々絶えなかったからである。

「絶えなかった」=「必ず誰かが育てていた」

のだ。

ざっくり

000年の長きにわたって

すげえ!

疫病や飢餓、戦争や内紛なんかが絶えず地球上のどこかで起こっていたにもかかわらず、どの時代にも必ずバラを愛する誰か(ロザリアン)が常に一定数以上存在していたのである。

しかも、彼等は、バラの歴史が始まって以来、一瞬たりとも存在しなかったことが無いというこの事実に震える。

もしも彼等がいなかったら・・・?

我々は、きっと博物館でバラの標本を眺めているに違いない。「これバラっていう植物だってさ。」「ふうん。」という具合。ましてや、香りがあっただなんて、いったい誰が想像出来るだろう?

彼等を総称して「ロザリアン」という。ロザリアン・シンドロームは至って健康的な病だ。深さ30cmの穴を掘り肥料を運び入れ苗を植えるため、それなりに体力を使うし汗もかく。お庭フィットネス的な?ビギナーの頃、お金に羽根が生えて飛んでいきがちなのが唯一の欠点といえば欠点ではある。

出来ることなら、あの頃に戻って、かつての自分に教えてやりたい。

ティーローズを植えても育たないよ?

彼らは寒さに弱いから。

新苗よりも大苗を買った方がいいよ?

冬を越す確率が高くなるから。

穴は深く掘った方がいいよ?

その方がよく育つから。

が、

後悔先に立たず

墓に布団は着せられぬ

前年植えたが春になっても芽吹かずトゲトゲの墓標が並ぶあの光景の悲しさ

知らずに植えた寒冷地向きでない品種がどんどん小さくなり、いつの間にやらフェードアウトしてしまうやるせなさ

だが、もう忘れよう

高い授業料を払ったからこそのがあるのだ

と納得しよう


これが噂のお金が眠っている庭(笑)。写真に撮るとショボい。

画像8

一番最初に咲くのはオールドブラッシュ (Old Blush チャイナ)。若干寒さには弱いが花付きもよく愛らしいお花だ。

画像1

二番手はノイバラ。元々庭に自生していたものだが、木をよじ登りマスでさく姿は圧巻。原種には原種だけの持つ美しさがあるなぁと思う。

画像2

NO,3はイスパハン(Isfahan Pompon des Princes)。1832年以前の作出。このダマスク香をお伝えできないのは本当に残念。我が家では2005年に植えたので、幅3mにもおよぶ見事なシュラブを形成している。一期咲きだが100輪くらいが次々と咲き続けるので花期も長い。病害虫にも強い優等生である。

画像3

同じくイスパハン。このバラが咲き始めると濃厚なダマスク香が庭中に広がる。窓を開けても香る。アバウトな咲き方もかなり好き♪

画像4

ドゥイユ ドゥ ポール フォンテーヌ – Deuil de Paul Fontaineは寒さにめっちゃ強いモスローズで、秋に返り咲くのも嬉しい。

画像5

我が愛しのファンタンラトゥールFantin Latour(ケンティフォーリア)は微妙な色と香りが魅力♪1900年作出。

画像6

画像8

バリエガタ・ボローニャVariegata di Bologna(ブルボン)は絞り咲きの品種。

画像9

メイデンス ブラッシュ – Maiden’s Blush(アルバ)は16世紀からある品種で、かのナポレオンの嫁ジョセフィーヌのお抱え絵師だったルドゥーテも描いているバラ。一瞬にして16世紀とリンクしちゃうんだな、これが。

画像10

ランブラーローズのホワイト・ドロシー・パーキンス White Dorothy Perkins。小型のくしゃくしゃしたお花が愛らしい。

画像15

オールドローズの名花アルバ・マキシマAlba Maxima。1867年以前からあるバラでこの濃厚な香りはちょっと他に類をみない。

画像16

こちらはお隣のロザリアンが育てておられるウィリアム・ロブ William Lobb。1855年作出のモスローズが2階まで這い上っていて毎年楽しみにしている風景だ。

画像13

画像14


ビンテージのコーヒーポットにバラを飾った。

お隣から頂いたバラと一緒に仲良く。

画像11

というわけで、この時期私は忙しい。

ロザリアン・シンドロームは、ブルガリアにあるというバラの谷へ行かずともダマスクの香りをお庭で存分に楽しめる病だ。

有名無名のロザリアンに感謝しつつ

我が愛するオールドローズのマダムたちと一緒に

私は今日もにいる。

たぶん明日も

明後日も

その次の日も


なので、noteを開く時間はより少なくなると思います。

コメントしに行けないかも?ですが、何卒お許しを〜〜!!



その他、お庭関連の記事はこちらから

全記事に飛べるサイトマップはこちら


この記事が参加している募集

おうち時間を工夫で楽しく

サポートありがとうございます(T T)noteのみなさんや自分のために使わせていただきます。