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ごはんについて


ぼくは料理をするのが好きで、家にいるときはよく食事を作っていた。
朝や昼のごはんであれば余っているものを適当に使って作るし、夜のごはんは食材を買い足したりしてそのとき食べたいものを作ることが多い。
美味しくお酒を飲みたいからね。

そうやってぼくが作った料理に対して、あなたはときどき文句を言う。特に野菜が入っているときには。
はっきりと「やさいがいやだ」とは言わずに、「くちのなかがいたい」とか「ほんとうは〇〇がたべたかった」とか理由をつけて。
ちなみに、好きなものじゃないときは食べる速度も遅い。

そんなとき、ぼくはけっこう強めに怒ってしまう。

おいしいものを食べたいという気持ちは否定しないよ。ぼくもそうだ。
苦手な食べ物もあるだろうよ。ぼくは納豆が苦手だ。

けどね、あなたの目の前にある食べ物は、いろんな人の力添えがあってやっとそこに置かれたんだ。

その緑を育てた人、その肉をさばいた人、それらを運んだ人、買いやすいように工夫してくれた人などなどがいて。
そうやって置かれたものを、お金を出して買って作ったぼくがいて。

そうやってたくさんの人のちからを使ったものがあなたの口に入って、あなたの身体を構成する要素になっていくんだ。

だから安易に食べ物を否定してはいけない。それがあなたの口に入るまでたずさわってきた人々の存在を否定することになりかねない。

もうひとつ。
そもそも食べるものって、命をもらっているものだよね。

生き物はそうやって別の命を吸収していくことで、次に命をつなげていくんだ。
世界はそうやって循環しているんだ。
自分だけで生きているわけではない。物質的にも精神的にも。

だから安易に食べ物を否定してはいけない。命がそこに投げ出されているのだから。野菜だって、生命だから。

まあ、こんなことを食べるたびに考えていたら、ちょっとしんどいかもしれないけど。
それでも頭の片隅に、そんな思いをもっておいてください。
そうやって他の命や存在に想いを馳せる時間をたまにはつくってみてください。

人間はひとりでは生きていけないという、ありきたりな話でした。

最後に。
あなたの好物、たとえばラーメンとかを手作りしたとき、あなたが「おいしい」と言いながらずんずん食べる姿を見ていると、自然と幸せな気持ちが湧き上がってきます。
ありがとう。

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