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映画館の思い出

note に #映画館の思い出 というお題ができたので、書いてみます。

シネラマでびっくりするような映像を体験

昔あったシネラマという映画の規格をご存知ですか? 多分ある程度年配の方しかご存じないでしょうね。

めちゃくちゃ乱暴な例え方をすると、今で言う IMAX みたいなもんですね。ただし、IMAX ほどの広がりも臨場感もないし、単なる映像上の規格であって音響的には変わりません。

スクリーンは当時の一般的なものに比べてかなり横長で、しかも平面ではなく少し湾曲していました。そのことによって映像に包まれるような体験ができたのです。

大阪・梅田に OS劇場というシネラマ上映館があって、父親に連れられてそこで『2001年宇宙の旅』を観たのが最初のシネラマ体験でした。1968年のことです。

当時私は小学生だったので、とてもじゃないけれど『2001年宇宙の旅』の世界観を理解して映画を鑑賞する能力などありませんでしたが、それでも無重力の宇宙ステーションやラストの猿が出てくるシーンなど、何箇所か強烈に印象に残っているところがあります。

そして、それはやっぱりシネラマによる効果も大きかったのではないかと思っています。

映画鑑賞遍歴の紆余曲折

小さい頃から私を連れ出して洋画を見せていた父は、自分が連れて行っておきながら、幼い私がちゃんと字幕を追えていることに驚いていたようです。

私は父に連れられて『黄金の七人』シリーズなど、主に活劇ものの洋画を観に行きました。そして、並行して当時住んでいた大阪府豊中市内の小さな映画館で、友だちと怪獣映画を観るようになりました。

中学に入ると映画好きの同級生と連れ立って大阪市内まで出かけて行って、ジュリアーノ・ジェンマ主演のマカロニ・ウェスタンなどを観たものです。ジュリアーノ・ジェンマを知ったのは『日曜洋画劇場』などのテレビ番組でしたが、映画館に行けば他の作品も観られると気づいたのです。

そのために、梅田だけでなく、それまで一度も足を踏み入れたことがなかった難波まで足を伸ばすようになったのもこのころです。

高校に入ると、それまで観てきたアクション映画に加えて、ATG系のややアングラっぽい邦画に傾倒して行きました。それ以来、大学に入って就職し、今に至るまでずっと邦画ファンです。アクション系の洋画はデート用に取っておいたかな(笑)

映画をひとりで観に行くようになったのも高校時代からです。そして、当時客席に売り子が売りに来ていたビスケットサンドアイスを必ず買って、それを齧りながら観たものです。

映画鑑賞の記録をつけ始めた

生まれて初めて映画館で映画を観てから、昨日までに私は全国 219館の映画館(試写会場含む)で 1362本の映画を観てきました。そのうち外国映画が 332本、邦画が 1030本です。

そう、映画館に行くのが楽しくなった中学以来、私は鑑賞記録をつけ始めたのです。つけ始める前の履歴については記憶で補いましたので、多少間違っているかもしれませんが、大体そのぐらいの数の映画館でそのぐらいの本数を観てきたということです。

ちなみに、場所を移転しても映画館の名前が同じであれば1つの映画館として、同じ場所・同じ建物でも映画館の名前が変わったら別の映画館としてカウントしています。

そして、20世紀の終わりにパソコンというものが普及してきたときに、大抵の人たちはゲームやパソコン通信がしたくて PC を買ったものですが、私は明確に映画鑑賞データベースを作りたくて PC を購入しました。

なにしろ初めて自分でインストールしたアプリケーションは Microsoft Access でしたから(笑)

映画館の記録と記憶

人生の4割を大阪府豊中市で、3割強を兵庫県西宮市で、3割弱を東京都で暮らした私が、生涯で一番通ったのは TOHOシネマズ西宮OS の 152本です(1日で2本観たこともあるので、回数ではなく本数です)。

大阪府で過ごした期間には子供時代がかなり含まれるので本数が少ないわけです。

そして、第2位がシネ・リーブル神戸の 70本、そのあとテアトル梅田 54本、神戸国際松竹 52本、TOHOシネマズ上野 48本、梅田ブルク7 39本、OSシネマズミント神戸 35本と続きます。

東京の映画館が1つしか入っていませんが、なんと言っても東京には映画館が星の数ほどあるので、どうしてもばらけてしまうんですね。

他府県に出張で行った際に、何も約束のなかった夜、ひとりで入った映画館もあります。随分昔に閉鎖されてしまった映画館もたくさんあります。

そして昨今の映画館は…

かつては今にもバネがはみ出しそうな椅子だったり、小便臭い床煙草の吸殻がいっぱい落ちていたりする、暗くて陰気な雰囲気の映画館が多かったのが、今では外装も内装も見事に整えられたシネコンがどんどんできてきて、気持ち良く映画を観られるようになりました。

チケットもネットで予約できるようになり、昔みたいに映画館の周りをぐるっと囲むように並んだり、ドアが開くと同時に席確保のために猛ダッシュしたり(特にデートの時は必死で連続2席を獲りに行きました)することもなくなり、映画体験がどんどん快適なものになってきています。

映画とテレビの違いに関する私の長年の感覚は「モニターやスクリーンに映し出された人物のサイズが、自分より大きいのは映画、小さいのはテレビ」(もちろん構図にもよるのですが)でした。それがテレビが大型化・高精細化したことによって、近年ではその差異はなくなりつつあります。

昔、東京・吉祥寺にあった定員50名のジャヴ50 という映画館などは、スクリーンがめちゃくちゃ小さくて、ひょっとすると今家電量販店に並んでいる中で一番大きなテレビの画面のほうが、あれより大きいかもしれません(笑)

でも、やっぱり、映画館で映画を観るのは他ではできない胸躍る体験であると思っています。だから、私の映画鑑賞データベースの数字はこれからも少しずつ増え続けて行くことでしょう。

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(※ 以下は 2020年度バージョンですが、この2つの記事は毎年書き加えて新たに別記事としてアップロードしています。ご興味がありましたら最新版を探してみてください)


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