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野外文化活動というシゴト

昨年の秋あたりだったろうか。
ぼくは、これまで自分の職業の説明として使ってきた
”プロデューサー”という職種名を使うのをやめた。

経緯になどくわしくはコチラにしたためてあるので、万が一興味があればご一読ください。
https://note.com/yama3nova3/n/n3fd211611cc4

これまでぼくのいわゆる職歴は、以下のとおりである。
インテリア商社の営業>洋服屋>広告制作>アウトドア関連のコンテンツメイカー・コーヒー輸入販売業(←現在)

この変遷については機会があれば、別途書き記そうと思うが、それだけで長文乱文ラララ〜ラララ、ラーラ〜♫な感じになりそうなので、ここではやめておくとする。

”アウトドア関連のコンテンツメイカー・コーヒー輸入販売業”って一体全体何してる人なん?

特に”アウトドア関連のコンテンツメイカー”なんて、それらしいカタカナが並んでいるだけで実際やってることは皆目見当もつかないに違いない。

なんでかって、自分も自分がやっていることをヒトマトメにして説明できない。いや、できなかった。これまでは。

「山本さん、いろいろやってはるみたいやけど、シゴトっちゅうか何で稼いではりますのん?」

なんて初対面の人や、しばらくぶりに会う知人なんかに聞かれると、明らかにローバイするのである。
表面上はそのように見えていないかもしれないし、あくまで冷静を装って説明しようと試みるのだが、内心はシドロモドロなのだ。

なにせ、上記の”いろいろやってはる”状態なので、バシッと一言でキメられない。


これまでは、

「アウトドア関連のコンテンツ制作のプロデューサーしてますねん、ぼく。」

が一番短い説明だった、いや、だったと無理矢理そう信じていたのだが、胸をはってそう自己紹介しても、十中八九相手は

「??????????」

なリアクションで、それってどういうシゴトですのん?って聞かれることがほとんど。ひどい場合は聞かれず話が以上終わり終了となるのだ。

ぼくが苦手中の苦手な場である立食の交流パーティみたいなのに、稀に出席せざるをえないときがあるのだけれど、そういう時の自己紹介では如実に以上終わり終了となるのである。一刻も早くその場から逃げ帰りたくなる。

相手の「??????????」を急いで取り繕うかのように、

「アウトドアや旅にまつわるメディア作ったり、映画や本つくったり、イベントやったり、アウトドアメーカーやスポーツブランドの映像や広告、WEBコンテンツ作ったりとか、あ、あと最近ネパールのヒマラヤ山麓でとれるコーヒーの輸入販売とかしてるんですわ。アウトドアや自然にまつわるいろいろ...それらを一言でいうとプロデューサーっすね!」

なんて、やってることを羅列し、強引にまとめるはめになり、結局相手の?の数をさらに量産することになるのだ。

きっと説明を聞いた相手は、

「山本さん、いろいろやってはるみたいやけど、シゴトっちゅうか何で稼いではりますのん?」

という最初の質問が頭に反芻し、

「何やらアウトドアで”いろいろやってはる人”みたい。知らんけど。」

と心の声で無理くり納得していただいていたと思う。
いや納得というより、限りなくスルーに近い理解。

さて。

ぼくが、ここ7年ほど生業にしようと必死のパッチかつ、ゆるやかに取り組んできて今に至るシゴトは、アウトドアに関係するそういった色々なのだけれど、ぼく自身、決して専門家ではないし、屈強のアウトドアズマンでもない。

アウトドア関連のシゴトをしていながら、未だ東京に暮らしている。都会的で便利な暮らしを享受している。
トレイルランニングやハイキングやキャンプなどは趣味程度(娘が生まれたここ2年ほどはかなり縁遠くなっている...)、シゴトの現場ではよくフィールドに行くこともあるくらいで、アウトドアズマンとは恐れ多くて決して呼べたものではない。程遠い。
そう、ぼくは、”丘”アウトドアズマンなのだ。

山や冒険、旅の本や映画が大好物で、その世界で颯爽と活躍する、丘でない本物のアウトドアズマンたちに憧れる。そういう人たちの体験や人生を、生の声として聞くのは本当にワクワクする。生きるチカラが湧いてくる。

そうしたものに触れた後に、自分でもアウトドアフィールドでカラダとアタマを使い、遊んだり仕事したりすることでココロが豊かになる。

生きるチカラが再起動されていく感覚だ。

都会の便利すぎる暮らし、行き詰まった感のある今の社会での暮らしで封印していた本来だれもが持っている生きるチカラ。それが解放される瞬間だ。

この”生きるチカラ”を思い出すと、人生がカラフルになる。
自分の人生のハンドルを自ら握って生きること、すなわち自分らしい自分の人生を生きること。

ぼく自身も含めて、生きるチカラを再起動していく人が増えてくるといいなあと思う。社会の幸せの温度が上がっていくんじゃないか。

社会の幸せの温度が上がっていくと、まわりの人を思いやったり、協力しあったりすることが、今よりもっともっとできそうだ。人だけでなく、自然環境に対してもそうなるだろう。
月並みな表現だけど、地球に優しくなれそうだ。

長くなってきたけれど。

そうなのだ。ぼくはアウトドアの体育会系(実践者)ではなく、文化系(表現者)なのだ。実践と表現は表裏一体だけれど、表現=伝えることが好きなのだということが最近ようやく腹に落ちてきた。

それまでは、アウトドア業界(?)に身を置きながら実践者というには程遠い自分に少なからずコンプレックスを持っていたのだけれど、文化系であると認識して吹っきれた。

ということで、やっとこさ、締めに入ろう。

アウトドア分野ではあるけれど、人にフォーカスしている。
表現とビジネスを介して人の生きるチカラの再起動を促進していく。

ぼくがやっていること、主宰のレーベルYAMANOVAで仕掛けていることは文化活動である。

一言で括ることがやっとできた。

「野外文化活動」だ。

アウトドアを通した文化系の表現活動。事業活動。
コーヒー事業も映画製作もイベント開催も、メディア発信もすべてこの野外文化活動だ。

肩書きなんて本当はどうでもいいのだけれど、同時に言葉の力は大きい。

人の、自然の、社会の、生きるチカラの再起動スイッチとなるためのアウトドアに関連するビジネスとクリエイティブ活動、それを野外文化活動と発作的に名づける。(降りてきた!)

ということで、今日から、アウトドアでいろいろやってはる山本さん、YAMANOVAからはおさらばです。

自分のことを勝手に野外文化活動家と言うことにします。
YAMANOVAはアウトドアレーベルだけど、野外文化活動レーベルです。
そしてレーベルを超えた活動体を目指そう。

ということで、みなさんこれからもどうぞよろしう。
ここまで読んでくださって感謝です。

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山本喜昭(野外文化活動家)
アウトドアとスローライフのレーベルYAMANOVA主宰。生きるチカラ探究者。ネパールの女性の雇用を生み出し森を育てるナマステヒマラヤコーヒー販売中。