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価値観の違いを知る。『世代間の壁』 とは?

今日は『服薬指導シリーズ②“世代間の壁”』について。

服薬指導に悩んでいる方だけでなく

上司とウマが(価値観が)合わない!

部下とウマが(価値観が)合わない!と悩んでいる方にはヒントになる内容です。ぜひ最後までご覧になってください。

『服薬指導で一番大切なのは価値観の違いを受け入れる』と書きました。服薬指導で一番大切なことはこちらをご覧ください)

では価値観の違いをどう知れば良いのか?ということで、まずは世代間の価値観の違いを書いていきます。

越えられない?世代間の壁

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年齢・年代/価値観のど真ん中にあるもの】

高齢者(70代以上)/食(食べ物が少なかった時代を生きた)
バブル世代(40代後半~60代・70代前半)/金(休まず働いて稼ぐことが正しかった)
ハザマ(間)世代(30後半~40前半)/金(上の世代派)

===越えられない(理解しがたい)価値観の壁===

ハザマ(間)世代(30後半~40前半)/意義(下の世代派)
ゆとり・さとり世代(~30前半)/意義(生きる意味・自分の存在意義)

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乱暴な分け方ではありますが、おおむね間違ってないと思います。

上の世代の人たちは「とりあえず飯食いにいくぞ」って言いますよね。

特に高齢者の世代は幼少期に食べ物が豊富じゃなかった世代なので、食べ物が価値観のど真ん中にあります。おじいちゃん、おばあちゃんの家に行ったら、何かしら食べ物を出してくれるイメージです。

その下の世代、50~60代の人たちはバブル時代を謳歌した世代です。今では信じられないようなCMが流れていました。(『24時間戦えますか?ジャパニーズビジネスマン♪』(リゲイン)で検索してみてください)

「働いて、出世して、稼いで、良い車乗って、良い時計買って・・・」が価値観のど真ん中にある世代です。僕が小学校低学年の頃ですね。
僕の父親(71歳)もモロにこの世代ですかね。自分の会社の社長や上役がこの世代という方も多いかもしれません。

この世代の人たちの「とりあえず飯食いにいくぞ」は「美味いものを食いにいくぞ」の意味でつかわれることが多いです。

一方、いわゆる「ゆとり世代」や「さとり世代」と言われた若い人たちは、金を稼いで○○が欲しい!というよりは「自分とはどんな人間か?」「なんで生まれてきたのか?」「SNSの“イイね”が存在価値」といった、自分の存在価値を求める、認めてもらう(承認欲求を満たす)ことに重きを置いてる人が多いです。

僕はハザマ(間)世代(41歳)なので、どっちの言い分も分かるんですよね。
社会人になった頃(2002年)は『我慢してでも仕事して稼ぐ』のが働くこと、それが“普通”。休みの日も接待に行って。プライベートで休むなんて言えない雰囲気でした。
今は違いますよね。

ちなみに“越えられない壁”、と表現しましたが、僕は5年くらい前に上の価値観(稼ぐ!)から、今では下の世代の価値観重視になりました。人間は変わる生き物です。(越えられない壁を越えました。)

あなたはどの世代の人ですか?そしてこの話に共感できますか?

ここからさらに価値観の違いの話を続けますね。

人間の欲望という側面からみる

これは米国心理学者のマーティン・セリグマンが提唱している考え方ですが、人間の欲望はこのような階層に分かれている、としています。

このうち上の2個「達成」「快楽」を求めていたのが上の世代。

若い世代は「意味合い」「良好な人間関係」「没頭」を重視している。

最終的にはもちろん個人差だけど・・・

もちろん価値観は人それぞれ違うものですし、世代ごとに分けるのは乱暴だとは思いますが、その時代に経験したもの、その時の雰囲気(文化)が人の価値観を作る要素の一つなのは間違いありません。
そしてこの話を「わかる〜」と言ってくださる若い方が多いのも事実です。

実際2019年にこのネタを2回公演で話しましたが、特に20~30代からの共感は大きかったですね。その後「うちの職場の上司が・・・」という相談が増えたことは内緒です。

要は、世代間で見るだけでも大きく価値観が違う、という話です。

服薬指導では誰を相手にしている?

では、服薬指導の時に「価値観は人それぞれ違う」(世代間によっても大きく違う)ということを「意識して」やっていたでしょうか?

10年前の僕は、しっかり意識してやってませんでした。

でもこれを強く意識することで“服薬指導”の質、つまり患者さんのQOLの維持・向上につながる指導が出来る確率は各段に上がりました。

何故なら「価値観は人それぞれ違う」ことを受け入れて、患者さんの話に「共感」すると、患者さんが色々話してくれるんです。

本当に共感して、それをまずは受け入れて、相手が何を望んでいるか聴いて、その上で自分は「薬剤師」として何が出来るのか?を考えていくと、オーダーメイドの答えが出てきますよね。

特に薬剤師(医療職種)が多く相手にするのは「高齢者」です。世代が大きく違うので、当然、価値観が全然違います。

その相手に自分の価値観を押し付ける「一方的な服薬指導」では、話を聞いてくれるわけないですよね?

「傾聴(してるフリ)」「共感(したフリ)」は誰でも出来ます。でもそんな見せかけのテクニックじゃなくて、まずは相手を承認(価値観を受け入れる)するのが土台です。

これを職場の同僚、上司、部下と置き換えると・・・どうでしょうか?相手の話を聴いて、価値観を受け入れてますか?
僕は上手く出来ずに、沢山失敗をしてきましたよ。

さらに最近は「近頃の若者は」と僕も思う年齢になってしまいました。この台詞が出てくるのは自分が老害になりかけている、と思ってブレーキをかけるようにしています。

価値観を受け入れる大切さは、頭では理解できても行動するのは本当に難しいです。

話を戻します。

価値観は人それぞれ違うのは当たり前ですが、大きく世代ごとに分けて傾向を知ることはできます。そのうえで、一人一人がどんな価値観なのか、を意識して相手の話に共感するだけでも、コミュニケーションの質は上がります。
ぜひ試してください。

これを続けると、かかりつけ薬剤師の署名を100件以上もらえるようになります。(実体験)

次回以降は、このベースを踏まえたうえで、テクニックの部分「傾聴の仕方」「共感の仕方」「質問の仕方」などを書いていきます。

今日も最後までご覧いただきありがとうございました!

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