#山尾三省の詩を歩く 2月
「夢起こし」は三省さんが屋久島に移住してまもない頃の作品だ。
『びろう葉帽子の下で』の初版は屋久島移住10年の節目に出されたから、少なくとも10年以内の作品である。
屋久島に移住して、これから自らの自己実現の道を歩むという喜びの中で創られている。
畑の土を起こすという慣れない仕事をしながら、自分の夢を起こしていると身震いするような喜びの中にいたに違いない。
その心の震えが伝わってくるようだ。
「その夢は椎の木、小麦、ばんじろう、船、神」と畳みかけるような言葉たちが読む者の心も