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ライバーと生保

生活保護は社会のセーフティネットなので必要不可欠な制度であるが、その制度が有効に機能していないことがある。それは制度の問題なのか、社会の問題なのか、当事者個人の問題なのか、ケースワーカー等の支援者の問題なのか、それとも単なる思い過ごしなのか・・・良く分からない事が多い。

ある生活保護の人が「お金を奪われた」と言って来たので聞いたら、「ライバーの女性にお金を貸したけど返してくれない」とのことであった。それも投げ銭ではなく、個人的に会って現金を貸したのだと言う。

「いくら貸したのか?」と聞くと、「20数万」とのこと。「生活保護なのに良くお金がありましたね」と聞くと、「いろいろな支援給付金などがあったので」と仰る。もちろん給付金の使い道は自由であるが、税金から出ている大切な給付金を、推しのライバーに気前良く渡してしまうという行動は何なんだろうかと思ってしまう。

かつて私は、仕事として成年後見人(法定)をしていた事があるが、当事者は高齢者で不幸な人生を送った生活保護受給者であり、このような人には人権擁護としての生活保護制度は必要であると思う。

しかし、精神疾患があり精神病院のデイ&ナイトケアに通っている、若い生活保護受給者の保佐人(法定)をやっていた事もあるが、いろいろ大変であった。如何せん、あるものは使ってしまう傾向があり、自分を律することが出来ず、感情の起伏が激しくて、物を良く壊し、虚偽申告ばかりするので、全く計画的な生活が出来ない。病院とは連携しながらやっていたが、3年間やって担当を変わって貰った。

そこは公益法人で、成年後見も保佐人も法人でやっているところなので、内部のメンバーチェンジは出来る。逆に専門家が単独でやっている成年後見は色々な意味で良くないと思う。一言で言えば「バックアップ体制とリスクマネジメントが機能しない」からだ。

専門家の業界団体(〇〇士会の類い)の内部も調査したことがあるが、全くバックアップもリスクマネジメントも無いに等しい現状であった。よって、個人的には成年後見などは法人でなければ出来ないように制度を変え、そして必ず第三者機関(法人)の業務監査も必須とすべきだと思う。それが当事者の保護と人権擁護の最低ラインだと思う。

話は戻って、ある女性は美容整形で3桁オーダーのお金を支払い、医療過誤だとして相談に来た人もいるが、生活保護の生活でどこから何百万ものお金が調達できるのかが不思議であった。例えば、仮に遺産相続でまとまったお金が入ったとするなら、まず保護費を返すべきだろうし、そんなに元気であるなら仕事をすべきなのではないだろうか。

確かに制度として生活保護に至った理由は問わないが、大切なのは当事者個人の自立の意思であろう。一時的に困窮状態になったとしても、いつまでもそこに留まらず、自立をする努力は、一人の人間として必要だし、大切なことだと思う。
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【記】やく・たたず(屋久 佇(竚))

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