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犯罪心理学

ネットのドキュメンタリーで、アメリカの連続猟奇殺人鬼を逮捕後、なぜ人は犯罪を繰り返し起こすのか、それも猟奇的な内容で・・・というのを犯罪心理学、法心理学の学者が調査研究している番組があった。

犯罪心理学は私も興味がある。なぜならば、一番最初の学部の専攻が心理学だったからで、いろいろ応用分野という意味で学生の時から嫌いではなかった。ドラマ的な言い方をすれば心理分析官とかプロファイリングとかの話で、このドキュメンタリーに出て来る学者は、それを突き止め解明することで犯罪を起こさせない社会に貢献したいと思っているらしい。

少し前になるが、北海道すすきの頭部切断事件の親子3人と女装趣味だったらしい被害者男性の事件は記憶に新しいが、生きている人間は何を仕出かすか分からないので、怖いものである。そして事実は小説よりも奇なりで、不可解な事も不可思議な事も多い。現実は空想より創造的かもしれない。

かなり昔の事件になるが、渋谷(神泉)の東電OL殺人事件も未だに真相は不明である。それに比べたら幽霊やお化けなど全く怖くもなんともない。一番怖いのは生きている人間と、不条理を内包する現実社会である。

生きている人間は争いごとや揉め事、そして公序良俗に反することが何故か好きである。やめれば良いのに自己主張を通そうとして争いを起こしてしまったり、欲望の赴くままに身勝手な行動をしてしまったりする。人間は誰もがそれぞれの考えを持っており、常に自分が正しいと思いたい存在なのだろう。

それが社会的に迷惑にならない範囲であれば、許される範囲で押さえておけば個性の違いということで構わないが、公序良俗に反することになってしまうと宜しくない。

その次は更生保護と言うステージがある。

仮出所(少年院だと仮退院)や満期出所(少年院だと退院)の前に出所後の住所と引受人が決まっていなければ手続き自体が出来ないことになるが、あれば満期前出所となる。

出所前の準備を「生活環境調整」と言って、対象者(罪を犯した当事者)と引受人の関係性や、基本的には引受人と対象者は同居となるが、そうでない場合は何かあった時や夜中など、引受人は直ぐに対象者の所に駆け付けられるのかとか、日常的に引受人は対象者の生活指導や見守り声かけ等の面倒が見れるか・・・が重要になってくるので、生活環境調整が相当難しくなる場合も多いと聞く。

また、対象者は基本的に労働して自活を目指す形になるが、長年入所していたこともあり、即日からフルタイムの労働ができるのか、段階的に労働に慣らして行くのか、その間仕事をしない日々の管理や指導/支援を誰がどのようにやるのか等、細かな事を決めて行かなければならないとのことで、その調整の難しさは想像できる。

あるいは年老いた親などが引受人になったとしても、その親が生活保護を受けている家庭だった場合も問題が起きる可能性がある。それは、前述した通り出所後は働くことが前提となるので、労働する対象者と同居する生活保護者の場合、世帯収入要件が満たされなくなり生活保護打ち切りになる可能性が高い。それで年老いた親が路頭に迷う危険性も出て来るので、福祉のケースワーカーとの連携が必須になってくる。

・・・このように書いてくると、罪を犯した人は出所後も手厚く保護されていることが分かる。それに引き換え犯罪被害者に対する支援は全く手薄になってしまっていることも分かる。犯罪を犯した者を死ぬまで牢屋の中に閉じ込めておくことは出来ない以上、無期懲役であってもいつかは社会に出て来るのだから、再犯を起こさないための更生保護のジレンマがある。

結局は犯罪の無い社会にすることが必要なのだが、それは生きている人間が居る限りは不可能であろう。人間が一番の脅威となり、かつ人権問題で保護されてしまうのが現実社会だ。事故に遭わないように、犯罪に巻き込まれないように身構えて生きていくしかない。
#note   #エッセイ   #高齢者   #フリーター   #役立たず
【記】やく・たたず(屋久 佇(竚))

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