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筑波山から、関東平野を観に行こう。

元「屋久」、現「てらしなの」です。

昨年2020年最後を飾るのは筑波山。日本百名山の一つ。

私がまだ登山始めたてだった頃、高尾山の次はどこを登ろうか迷っていた。

「丹沢大山」か「筑波山」に登ろうと思い、結局交通費の面から大山を選択。

結果、当時の自分にとって、大山が物凄くしんどくて心が折れかけた笑

(詳しくは『山を知らなかった長野県民の話④~丹沢大山での挫折~』をチェケラ)

今なら社会人になって交通費も捻出できるし、あの時行かなかった筑波山に行ってみたいと、行き先を決定。

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つくばエクスプレスに乗り、終点のつくばセンターからはシャトルバスで山の麓まで行ける。そのため、山まで何キロも歩かなきゃいけないとかタクシーを使わなきゃいけない……というわけではない。

私の住んでいた場所が少し遠かったので、山で過ごした時間より、電車とバスに乗っていた時間の方が長かった笑

バスの車窓から大きな双耳峰(そうじほう)が見え始める。

筑波山は男体山女体山という二つのピークをもっている。

それを知っていたから、バスからでも「あぁ、あれが筑波山か!」とすぐわかった。

幹線道路沿いに飲食店などが並んでいるエリアを過ぎ、辺りが田んぼや畑だらけになってきた頃、バスは山へ近づき始めて、登り坂を少しグネグネ登った。

私は白雲橋コースから登る予定だったので「筑波山神社入口」停留所で降りる。

↑筑波山へ行かれる方はぜひご参照ください。


近くには自販機やお土産屋さん、軽食屋さんなどもあり、旅館や温泉なども立ち並んでいた。

神社の方へゆっくり歩いていく。早くもソフトクリームやお土産の誘惑に負けそうになるが、山頂付近に飲食店が何件かあることを知っていたから、そこまでは行動食で我慢しようと誘惑を振り切る。


ひとまず神社を参拝して登山道へ。

私の前には親子が歩いていた。

男の子は道路を力いっぱい走っていて、
「いいなぁ、あの子のように
元気の塊みたいな人になりたい」

などと20歳は年下そうな子に憧れを抱く笑


鳥居をくぐると本格的に山の中へ入る。

初心者向けとされるだけあってハードというわけではないが、
やはり山道だ。

歩くペースや通るラインを誤れば
あっという間に疲れる。

普段あまり山に登ったり
運動しない人は特にゆっくりゆっくり登った方が良い。

周りの木々や山の雰囲気を楽しむ余裕をもって
登るくらいでちょうど良いと思う。

また、複雑ではないが分岐はいくつかあるので、コースの地図を印刷して持って行った方が安心かと思う。



高尾山といい筑波山といい、
初心者向けでリフトやケーブルカーなども
充実している山の好きなところは、
こうやって初心者が試行錯誤をしやすいということだ。

「高尾山で山に登るペースを徐々に掴んだよなぁ」
「私は高尾山に育ててもらったんだなぁ」と再認識しながら、自分が楽しいと感じるペースで初めて登る筑波山の道を上がっていく。


つつじが丘コースとの合流地点へ到着。

休憩できるほどのスペースにベンチなどもあり、山の麓から歩いてきた人も、リフト降り場からひたすら坂を上がってきた人たちも、思い思いに休んでいた。

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事前の情報収集では、ここから先は奇岩や巨岩など見どころが多いエリアに入る。

弁慶七戻り高天ヶ原出船入船裏面大黒岩など、名前のついた岩がたくさんあるとのこと。

よく晴れた日だったせいか、結構喉が渇いたのでよく水分を摂ってから行動再開。


さっそく太い丸太が現れる。割と人だかりになっていたのであっという間に過ぎてしまったが、かなり年輪が重なっていたのではないかと思う。

更に先へ進むと、確かに大きな岩が目立ち始めた。

岩と岩の間の細い道を登ると小さな神社のようなものがあったり、

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岩の下をくぐると何やら御利益があるスポットがあったり、

見た目が船のような岩があったり、

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滑りそうな岩の上を通るからといって鎖が設置された箇所があったり…

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岩の中を歩くような山は経験がなかったので新鮮でとても面白かった。


頭をぐるぐる使って楽しむ感じがたまらない。


途中、道間違いをしたりもした。

踏み跡が多く、てっきり正規ルートかと思って進んだが、筑波山のレベルを踏まえるとあまりにも道が険しすぎるため、まさかと思って一旦戻る。辺りをよく見まわしたら、安定した足場の正規ルートを発見。

少し登り、私が間違えた箇所を上から覗き込んでみたが、下る人からの視点では間違えようもない。

しかし、登る人から見ると間違えた道が正規ルートに見えなくもない。

当たり前と言えば当たり前だが、見る角度によって見え方が異なるのだと実感した。


おかしいと感じたらすぐ戻れた自分を褒めつつ、もっと周りを見回しながら登らなきゃなと反省。

某登山動画にて、「360度見回す余裕がない山は、自分にとってはまだ早いかもしれない」と言われていたことを思い出す。

一歩一歩、経験を積ませていただきます。

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上へ行けば行くほど岩の比率が増え、そして上を覆っていた樹木が減っていき、空の青が岩の間から覗くようになる。

非日常の世界へ遊びに来たみたい。

一応、”初心者向けの低山”というくくりにはなるかと思うが、私にとっては十分、”冒険してる感”を楽しめる山だった。

頂上付近になると、人が結構増えてくる。

道を互いに譲りながら(登りも下りも人が多いので登る人優先なんて言ってられない)頂上の順番待ち。


そして女体山の山頂到着。

いや、

山頂、

すごく綺麗だけど、

結構怖くない???笑

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※素顔は一応笑顔ですが、怖くて若干引きつってます笑


手すりもなく、すべすべした岩の上。

しかも山頂だから風はそれなりに吹き付けてくる。

「うっかり落ちそうw」などということを考えないようにしないと、山頂からパノラマ撮影なんかできなかった。

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関東平野を一望できる景観。

周りに高い山がたくさん連なっている山脈とは異なる、平野の中にある山ならではの光景。

遮るものがないため、877mのこの山からでもありったけの空間を一望できる。


筑波山の常連と思われる方が、「いや~今日はちょっと霞んでるね。いつもならもっと見えるんだけど」とおっしゃっていたが

「え?これで霞んでるの????」と率直に思った。充分めちゃくちゃ見えとるやん。


「西の富士、東の筑波」と、富士山と並び称されているこの筑波山。

筑波山塊の一つとはいえ、ほとんど独立峰と言っても良いのでは??と個人的に思うほど、遮るものがない。だからこそ、富士山から見下ろした時のように景色がどこまでも広がっている。

また来たいと思わずにはいわれなかった。
(ちなみにこの女体山山頂付近までは、ロープウェイで来ることもできる)


こうしている間にも、山頂からの景色を待つ人たちはたくさんいる。惜しまれつつも山頂を離れ、男体山方面へ。

女体山と男体山の間の御幸ヶ原(みゆきがはら)には飲食店やお土産屋さんが数件立ち並んでいる。

お腹も空いていたので、昼食を取ろうとお店を物色。

そして、

名物 つくばうどん!!!!!

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けんちん汁とうどんの相性良い!うまい!!!!!

個人的に、登山にはご飯でしょという固定観念があったけれど、うどんも美味しかったです。とても。


飲食店からは10分ほど登ると男体山の山頂到着。

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下って御幸ヶ原に戻ってからもしばらく景色を楽しむ。ケーブルカーで御幸原まで上がってきた人は、それぞれの山頂へ10分~15分くらい登れば辿りつけると思う。山頂に行かなくても、ここからの景色でも十分綺麗。

紅葉の時期などに賑わうとのことだが「そりゃそうだ」と思った。

密を気にしなくて良い時機になったら、並んででも紅葉シーズンに来てみたいと思った。


下山は御幸ヶ原コースから。山頂付近が明るかったためか、樹林帯に入ると遅い時間でもないのにやや暗く感じた。一人での登山は、結構下山でのモチベーションを保つのが難しい。

最近、あまり登山が出来ない分、山に関する知識や楽しみ方を書籍や動画で見るようになり、植物の種類や生き物の鳴き声などにも気を配るようになった。

と言ってもまだ「へぇ~よく見ると色んな形の葉っぱがあるんだなぁ」くらいの認識だが笑 
楽しい時間を増やすためにも、徐々に詳しくなっていきたいと思う。

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ケーブルカーを近くで見れるスポットがある。ケーブルカーが通りかかるまで待機しようかとも思ったが、私が辿り着く直前に通り過ぎてしまったようでしばらく待たなければならないと分かり、結局そのまま通過してしまった。

ただし、電車などの線路を見ると胸が若干高鳴る人種であるため、ケーブルカーが通る線路だけはしっかりと目に焼き付けておいた。てへ。

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ぜひ、皆さんは時間に余裕があればケーブルカーを観てから下山してください笑


下山後、バスにタッチの差で乗り遅れたため、バス停付近のカフェに立ち寄り、一休み。
友人の影響と、元からのカフェオレ好き(中毒)によって、最近は喫茶店やカフェを見ると立ち寄りたくなってしまう。

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店主のご夫婦の会話に思わずマスクの中でニヤニヤしながら登山を振り返っていた。


帰りのバスはかなり混みあっていた。紅葉シーズンよりは少し早いが、秋頃ということもあって割と訪れる人が多かったのではと思う。

コロナ禍であったため、その想定外の密っぷりは正直ヒヤヒヤしたが、同時に「この混雑懐かし……」と、この混み具合が当たり前だった頃の世間を思い出して、遣る瀬無いものを感じもした。


心配な方は、空いている時間やシーズンを狙うか、マイカーで行かれるのが良いかなと思います。

筑波山、手軽に登れて(ケーブルカーやロープウェイも使えば更に手軽に)景色もかなり綺麗で食べ物もおいしいので、登山を始めた方はもちろんのこと、登山には興味のない方もいつもとは違う休日の過ごし方の一つとして、行くことを検討してみてください。

私は楽しかった!

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