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牛刺し、ユッケ、生食用食肉(牛肉)について。

おはようございます。

先回の続きです。一つ前の記事でユッケや牛刺し(※レバ刺しはNGですよ!)を提供する為の飲食店の設備基準を書かせて頂きました。そして晴れて営業許可を取れた飲食店の皆さま、ユッケや牛刺しを昔のように使えるかって言いましたらこちらもルール変わっておりますのでご注意を。

設備基準はそうハードル高くないのになぜ世の焼肉店を始めとする飲食店はそれ程までに積極的にメニューに取り入れようとしなくなったのか。

それにはこちらのルールが正直ハードルお高めだと感じると思います。

生食用食肉(牛肉)にはこのような基準が設けられています。

1 腸内細菌科菌群が陰性でなければならないこと

2 加工及び調理は、専用の設備を備えた衛生的な場所で、専用の器具を用い て行わなければならないこと

3 肉塊の表面から深さ1cm以上の部分までを60°Cで2分間以上加熱する方 法又はこれと同等以上の効果を有する方法で加熱殺菌しなければならない こと

4 加工及び調理は、生食用食肉(牛肉)の安全性確保に必要な知識を習得し た者が行わなければならないこと

などが規定されています。

…。ほとんどの方がこれで挫折している印象です。

特に、3番の項目ですよね。要は低温調理加熱でも、一度加熱処理は必要なんです。そして、ユッケや牛刺しで使う以上、加熱されてしまった部分はトリミングして芯の綺麗な部分しか使えないじゃないですか。

もも

歩留まりが非常に悪くなります。例えば1kgあたり6000円で品質のいい黒毛和牛のモモ肉を5kgのブロックで買います。そこから掃除(余計な脂や筋引き)をします。5kgで購入したお肉が4kgになります。この時点でお肉の単価は1kgあたり7500円に変わります。通常焼肉ですと、これを焼肉カットにして提供するので1人前100gつけたとして原価は750円ですね。1人前1200円位で提供しても減価率50%オーバーの超良心価格。

しかしユッケとなると、この掃除したお肉を更に加熱処理してトリミングです。4kgの塊肉のまま加熱処理を行い、火の入った表面から1cm以上をトリミングすると…。すみません、私はこの作業を実際やった事がないので正確な数値は出ませんが、恐らく3kgまでになるんではないでしょうか。

その場合、更にお肉の歩留まりは悪くなり、1kgあたり6000円で購入したはずのブロック肉が1kgあたり10000円となります。

お値段も相当高額なのですが、いかんせめんどくさい。本当にめんどくさい。

でも皆さん、安心してください。生食用食肉を販売してくださる業者さんもいますよ。しっかり加熱処理して下さったブロック肉を小ロットで販売して下さるので大変助かります。しかも歩留まり100%のグリムきです。

そして皆さん、価格も安心して下さい。ちゃんとめちゃ高いです。w

かね

なんで、どのみち色んなハードルを乗り越えてユッケや牛刺しを提供しても、原価が高くついてしまうので昔程儲けはでなくなってしまいました。これが殆どの事業者がやらない理由の一つかと思います。

しかし、やはり牛刺しやユッケファンは根強くいます。需要はあります。このユッケや牛刺しを利益を生み出す商品と捉えるか、集客に使うそのお店の武器と捉えるかは皆さまのセンスとご判断に委ねますが、私は利益はあまり考えず、お店のコンセプトの一つとして使ってますね。特に地方だと、こうやってオフィシャルな合法ユッケや牛刺し提供できている店舗は少ないので勝算ありですよ!

あっ、今更ですが、巷でよく見るパックのユッケの話じゃないですよ!あれでよければハードルは低いです。ハードル低い分、物珍しさもないのと、創意工夫をこちらとして何も出来ないのと、規制品感出まくるので私はあまりお勧めしませんが…。

では、本日はこのへんで!

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