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「野宿をしながら自転車で日本を横断した話」 5/25 鎌倉→熱海 75km

前書き

今回は(というか今回から)文章が長くなりそうなので、

「そんなに読んでる時間なんてない!」

という人は写真だけでも自転車旅の様子を感じ取って欲しい。


テレビでよく見る○○島?

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朝起きて早速気づく。まだ6時半なのにも関わらず、サーファーや釣りをしに海岸の方へ歩いてる人が多く見られる。ここでようやく今日が土曜日だと言うことに気づく。夏休みに入って1週間、既に曜日感覚を失っている。

のせいで、寝袋、マット、ジャンバー等が地味に濡れているというか、湿っているというか。乾かすのに少し時間がかかってどことなく朝からへこむ。しかし、こんなところで不要な時間を割いている時間はない。

この日も暑くなりそうだったので、出発は早めの7時半頃。初夏の海岸沿いの景色に魅了されながらペダルに足を掛ける。

旅を始める前のリサーチでわかっていたことではあったが、やはりこの日はとても走りにくい。というのも、所々自転車が走れそうな細い道があるものの、基本的には車と道をシェアしなくてはならない。轢かれないか正直ドキドキしながらとりあえず走り続ける。

ギアを軽くして立ち漕ぎしないとと到底登れない坂。スピードを落とすことのない車。それでもこの日の行程はかなり有意義なものだったと言える。

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中学生の時に毎朝見ていた日テレのZIP。天気予報にはいつも、どこにあるか見当もつかない謎の島、「江ノ島」の映像が流れている。名前は聞いたことはあったが人生でこれまで訪れたことのない場所の1つだった。

この時は特に観光しなかったが、どこかで聞いたことがある場所を自分の目で実際に見れたことに感動を覚える。また機会がある時は、江ノ電でも利用して行ってみたい。(その後の7月に友人と実際に行けたので満足。)


向こう側には○○山が見えてくる...!

その後さらに道を進むと、富士山の頂上の部分が山脈の裏から顔を出すことが多くなり、人生初の静岡県に近づいてるという実感を得る。まだ知らない土地に足を踏み入れる。この期待を原動力に前に進んだ。

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小田原観光

途中止まることなく35km地点、休憩も兼ねて小田原の市街地に向かう。一度、箱根からの乗り換えで小田原駅は使ったことがあるが、市街地を実際に歩くのは今回が初めて。と言っても、2時間の滞在のうち9割9分は小田原城報徳二宮神社になるだろう。

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大きな門をいくつか潜り、目の前に城にしてはかなり奥行きのある建物を発見。Google Mapsで調べるより近くの案内所の人と話がしたかったので、その建物について聞いてみる。

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すると、

「ああ、これは小学校なんです。豪勢な造りでしょ?まだ若いから経験ないと思うけど、バブルの時代に建ったらしいのよ。」

といったような話を聞かせてくれる。

その後小田原城内に入り相模国の歴史。序盤の展示のタイトルに、

最初(北条早雲)と最後(北条氏直)の戦国大名

という記載が。今まで一度も来たことのない場所だったのに関わらず、なぜかこの地に誇りのような感情を抱く。

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北条早雲の開拓から豊臣秀吉の小田原征伐を深く学んだ1時間はあっという間に過ぎる。戦国時代の歴史が三度の飯より好きという人には、必ず訪れてほしい史跡であることは言うまでもない。

その後城址公園に隣接する二宮報徳神社へ参拝。早速、小学校などでお馴染みの二宮尊徳の銅像を発見する。そのすぐ隣にある立て札には、

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経済なき道徳は戯言であり 道徳なき経済は犯罪である

と大きく書かれている。利益と社会問題の解決の両立が必要、というように自分なりに解釈したが、果たして二宮尊徳の真意もそうだったのだろうか。

この時、既に太陽は真上の辺りにいる。神社を出た後、自転車旅続行...の前にコンビニで温めるタイプのカレーを食べてエネルギーを注入。ベンチに座って間もなく食べ終わる。


アクシデント、そして人の温かさ。

ようやく出発、と思いきやブレーキの調子がおかしかったので最寄りの自転車屋に見てもらうことにする。自転車に大きめのバッグを見て、

「今回はどこまで行くの?」

と訊かれる。

鹿児島まで行くんですよ、東京スタートで。」

と答えると、

「いい出会いがあるといいですね。」

と、おじさん店主の母親らしき人に背中を押される。これから長い道のりになると自分でもわかっていたので、こうやって声をかけてくれる人がいると本当に助かる。


車と、海と、僕と。

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自転車屋を発ち、国道135号線をひたすら進む。自転車が通るスペースが全く無い状態が続き、「この旅で死ぬとしたらおそらく今日だろう」という気持ちが頭の隅によぎる。

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おそらくこの国道135号線を通ったことがある人なら1度は目にしたことがあるであろう看板を通り過ぎ、小田原から数十キロ。なんとかアップダウンを耐え抜いてゴール。


熱海駅前には○○がある?

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海岸に面しているのにも関わらず、熱海という地はなかなかの高地。熱海駅に着くと、早速足湯がお出迎え(写真上:人が横にずらっと並んでいる場所が足湯になっている)。自転車終わりのお湯は、足だけ浸かっているのにも関わらず全身を温めてくれる。

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その後、駅前のマックで1日中Google Mapsで体力を消耗し切った携帯を充電。仲見世通りも散策する。今回は温泉目的で来ているわけではないので、観光はそこそこにして、この日の寝床である姫の沢公園はサザンカ駐車場に向かう。

これが体に追い討ちをかけることになるとは、想像もしていない。


この日のラストスパート

公園があるのは更に高地の森の中にある公園なので、日が暮れる前に着ければと楽観的に考えていたが、夕暮れは思ったよりも空を急に暗くしてしまう。

9~10%の勾配(自転車に乗ってられないレベル)の坂が5km続く。1時間ほどかけて自転車を押し、途中から外灯の無い森の道路を越え、ようやくその駐車場にたどり着く。車が数十台停められるかなり広めの場所だ。

山を登る前にスーパーで買ったカットサラダ、野菜ジュース、おにぎり等を食べ、この日は9時頃には眠りについた。




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