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「レモンのはちみつ漬け」

はちみつレモンに出逢ったのは、中学校時代。バレーボール部の練習試合に応援に来た、メンバーのお母さんが差し入れしてくれた。

試合に負けて、ぐったりした私たちのところに、応援席から呼ぶ声がする。

「おーい、みんなこっちきてー」
「差し入れだよ、どうぞ!」

友人のお母さんが大きなタッパーを開ける。中には何か液体に使ったレモンが何枚も入っている。レモンのはちみつ漬け(通称、はちみつレモン)と言うらしい。そういえば、当時「はちみつレモン」なるドリンクが流行っていた。自動販売機でも、スーパーでもたくさん販売していたので、そこにヒントを得たのだろう。

私は柑橘系の果物は苦手だったから、はちみつに漬かったレモンには心がときめかない。いや、むしろ食べずに済ませられないか?

友人が差し入れのはちみつレモンに手を伸ばす中、躊躇していると「ほら、マサコちゃんも食べて」とお母さん方に声をかけられる。  

ここで断るのは悪い。中学生の私たちを応援しようと、わざわざ作ってくれたもの。食べてみよう。

試合後なので汗だくだく。喉は乾いていて、、そういえばお腹も空いている。

何となく美味しそうに見えてきた。

ぱくり
……

おいしい

はちみつレモンは、ぐにゅっとした生のレモンにはない食感。果実の酸味が、甘い蜜にまとわれてかなりマイルドになっている。逆に酸味のおかげではちみつに漬けてあるのに甘すぎない。これはいくらでも食べられる!

負け試合後、落ち込んでいたところのはちみつレモン。

試合結果を忘れるほどの美味しさに、中学生の私たちははちみつレモンに夢中になっていた。



そんな記憶が起こされたのは、近所に新しくカフェがオープンしたから。

目を引いたメニューが「レモンコーヒー」だった。

興味本位で思いきって試したら意外とイケる。

コーヒーの香ばしさと合わさって、すっきり爽やかな飲み心地になっている。レモンコーヒーの中には、薄く輪切りしたレモンが数枚浮かんでいた。

薄い、輪切りのレモン

それはいわゆるレモンのシロップ漬け。甘く蜜をまとった柔らかいなレモンは、まさに私にとって、「部活の差し入れはちみつレモン」そのものだった。


はちみつレモンは、思春期にバレーボールで汗を流した思い出の味。

疲れた体と、硬くなっていた頭を冷やし、柔らかくしてくれる。

今は、レモンコーヒーを飲みに出かければ、またその味に出逢えるのだ。

コーヒーに浮かんだレモンのシロップ漬けを食べて、『甘酸っぱい』思い出に浸るのもいいかもしれない。


副業・起業初心者の文章ブランディング専門家・矢島真沙子
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