20年以上原稿ばっかり書いているけど小説は1ページも書けない
私は人に取材をして文章を書くライターである。
テーマに沿って、先生だったり、専門家だったり、インフルエンサーだったりに話を聞きに行って、原稿を書く。
そんなことを四半世紀続けているが、
小説を書いたことは一度もない。
実際に聞いた話や、体験したことしか書けない。
創作が……できない……!
そういや以前漫画家を目指していたときも、
エッセイマンガを描いていた。
フィクションをつくれないのである。
別に書きたくないなら書かなきゃいいじゃない、
と思うじゃない。
私もこの年になるまで気にもしていなかった。
けれどもね、例えばものすごくおもしろいドラマがあるとするじゃないですか。
すぐに最終回になっちゃうでしょう?
必ずしもハッピーエンドになるとは限りませんよ。
大好きなキャラクターが、幸せにならないままドラマが終わってしまう……
映画でも構いません。
やるせないこの気持ち、どうすればいいの?
そんなとき、自分で続きを書く人がいるんです。
いっぱい、いるんですよ。
私はネットの海で見つけました。
そして、救われました。
書き手たちの、なんと想像力豊かなことよ。
展開の見事なことよ。
物語や登場人物に対する解釈の深さよ。
もう、感動です。
なんなの、こんなにうまいのに、プロじゃないの?
びっくりですよ本当に。
そして思いました、私だって二次創作してみたい!って。
そして知りました。
一行も思い浮かばない脳であることを。
まず必要なのは、微に入り細に入り妄想する力
私がはまっているのは韓国ドラマなので、
違うジャンルとはいえ同じ韓国にハマっている
仕事仲間っていうか馴染みのクライアントに上記のことを相談しました。
(なにを相談してんだ)
彼女は言った。
「じゃあ矢島さんは、推しに対してどんな妄想をするんですか」
と。
妄想……そうさな……
「それは練習ですね」
!?
「妄想っていうのは、こういうのを言うんです」
……話しかけないの?
「そんなことはしません」
……その妄想、たのしいの?
「さいこう」
多分、彼女は創作ができる人だ。
私はここに、創作できる人とできない人の境界を見た。
以来、創作に憧れる私は妄想の練習をしている。
でも、すぐ対象に接触しようとしてしまう。
隙あらば実践練習しちゃうんだよな~~。
クリエイターではなく、職人
ライターと聞けば、クリエイティブな職種とイメージされることだろう。
もちろん、クリエイティブなライターさんはたくさんいる。
クリエーターであり、ライターな人だっている。
でも自分はつくづく職人だと思う。
話を聞いて、その人、もしくはその人のすること・考えることを
浮かび上がらせる職人。
ロード・オブ・ザ・リング的な世界観で言ったら、
クリエイティブなライターさんを妖精とするならば、
あたしゃドワーフ。
だから、ホームページをつくるときにも名刺をつくるときにも、
デザイナーの木村有子さんには何度となく
「おしゃれにしないでください」
「職人なんで」
「意識高い感じは全毛穴から血が出ます」
と
めんどくせー自意識を爆裂させて。
それはもうシンプルで見やすく実直なホームページをつくっていただいた。
有子さん、仕事に育児にそれは忙しいのに
こんなめんどくせー私に真摯にむきあってくれて、
本当に本当に・・・(涙)
ドワーフも真摯に働いていこうと思っています。
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