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たまには立ち止まって(9)

晩酌が好きである。

1日の終わりに呑むビールはなんであんなに美味しいのだろう。
「この瞬間の為に生きてるもんよねー!」と、葛城ミサトさん(※)もおっしゃっていた。

学生時代までは、お酒は楽しい場で呑むということでしか関わりがなく、いまいちわかっていなかったが、30代手前くらいからめちゃくちゃ痛感するようになった。
ミサトさんは正しかったと。

一仕事終えて呑むお酒ほど、美味しいものはないのだ。

(※)漫画・アニメ「エヴァンゲリオン」登場人物


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でも、昔は夕飯と一緒にお酒を呑むということが考えられなかった。
ご飯はご飯、お酒はお酒。きっちりそこは区分けをしていて、同じ畑で共に収穫することは決してしなかったのだ。

しかし、気が付くと晩御飯にお酒がセットに…。
おかず→お酒を一口→ごはん→お酒を一口。
おいしい→おいしい→おいしい→おいしい。
ずっと美味しさが続く。今なら全然余裕である。

そう考えるとこのスタイルを解き放ったのはいつだったのか…。


そもそも私は20代半ばくらいまではお酒を呑む習慣すらなかった。

その頃は実家にいたのだが、4つ下のハタチになったばかりの弟の方がガッツリ呑んでいた程だ。

基本的にご飯のお供はお茶かお水。
お酒は飲み会の場で呑むもの位にしか考えていなかった。
今の私を知っている人からすると恐らく信じられないとおもう。(しかも若干お酒に強い…)



ふむ。なんとなく思い出してきた。
そういえば、きっかけは酒豪の両親のお誘いだった。

この二人、自分の親ながらあっぱれ!と、言いたくなる飲兵衛夫婦で、しかも美味しく呑む天才なのだ。

晩酌をしない日はほとんどなく、晩御飯もお酒もまぁ〜美味しそうに呑み食いするのである。
一日の終わりをこういったシーンで迎えているのが羨ましかったのもあるかもしれない。

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そして「たまにはお酒も一緒にどう?」と、いう誘いに乗ったが最後。

今はご覧の通りである。


ミサトさんが画面越しで伝えてくれた以前に、現実でこうもわかりやすく伝授してくれるお手本が常にいたという訳だ。

まぁ…この環境にいたらそうなっても仕方ないよねぇ…と、自分に言い聞かせながら今日もスルスルと缶ビールに手が伸びているのだった。
(もちろん休肝日も忘れずに…)



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