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PayPayモールサービスアイデンティティーができるまで

こんにちは!ヤフーショッピングデザインチームの岡本、木村です。
厳選されたストアのみが集まる、 「PayPayモール」がこの秋リリースされましたが、みなさんお使いいただけましたでしょうか?

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PayPayモール公式ストアはこちら

リリースにあたり、デザインチームでは、ユーザーに一貫したサービス体験を届けるためのルールをまとめ、「サービスアイデンティティー」 というドキュメントを作成しました。
今回はそちらの内容や、作成にいたるまでの話、実際の展開例についてお届けしたいと思います。

目次

・PayPayモールサービスアイデンティティーとは?
・サービスアイデンティティーを作ろうと思った理由
・作成までのステップ
・サービスアイデンティティーが適応された成果物の例
・まとめ

1.PayPayモールサービスアイデンティティーとは?

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「PayPayモールでサービスとして届けたいブランド価値」がまとまった社内向けのブランディング資料です。

一貫したサービスメッセージを届けるために、デザイナーだけでなく企画・技術の方にも配布をしており、この資料を読むことで 社員全員がPayPayモールへの理解を深め、統一したメッセージを発信できるようになることを目標としています。

内容は大きく二つの内容で分かれています。

・ BI(ブランド・アイデンティティー)
・ VI(ビジュアル・アイデンティティー)

■ BI(ブランド・アイデンティティー)
ブランドとしてPayPayモールが届けたいメッセージを、 全社員向けにまとめました。

ブランドとして届けたいメッセージや、ターゲットなどをこの章を読むと理解できるようにしています。

BI目次
・CORE VALUE / コアバリュー
・PERSONARITY / パーソナリティー
・TARGET / ターゲット

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■ VI(ビジュアル・アイデンティティー)
ブランドメッセージを伝えるためのビジュアル作成ルールをまとめており、 デザイナー向けになっています。
PayPayモールのビジュアルで見えやすいフォント・カラーの定義はもちろん、言葉使いなどもまとめています。

VI目次
・ITEMS / アイテム
・COLOR / カラー
・TYPOGRAFY / タイポグラフィー
・LOGO / ロゴ
・TEXT / テキスト
・PHOTOGRAPHY / フォトグラフィー
・ILLUSTRATION / イラストレーション

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2.サービスアイデンティティーを作ろうと思った理由

Yahoo!ショッピングの中で厳選された良いストアを集めたショッピングモール が「PayPayモール」です。
Yahoo!ショッピングとPayPayモールにはこのような違いがあります。

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コンセプトが違えば、作るものにも違いをつけなければなりません。
しかし新規サービスということもあり、「PayPayモールのイメージ」がサービス作成者(企画・デザイナー・開発)間でばらつきがある状態でした。 ばらつきがある状態で進めていくと、以下のような課題が起きてしまうリスクがあります。

・「PayPayモールらしさ」がない企画やデザインが誕生してしまう
・文章やデザインなどの印象がそろわなくなってしまう
・最終的にユーザーに与える「PayPayモール」の印象が、予定したものと変わってしまう

このようなリスクを防ぐためには、「PayPayモールの価値を言語化し、サービス作成者全体に周知すること」 が必要不可欠です。
私たちは価値を言語化する手法として、「ブランドの構築」が必要であると判断し、
「同じ目線で一貫したブランドを提供する」ことを目標に、社内のデザイナー数名でブランディングプロジェクトを立ち上げました。

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3.作成までのステップ

3-1 ブランドの言語化

とはいえ、チーム内にブランディング経験があるデザイナーがいなかったため、まずは本から情報を集めながら構築作業を行いました。
参考にさせていただいた本はこちらです。

デジタル時代の基礎知識『ブランディング』 「顧客体験」で差がつく時代の新しいルール(MarkeZine BOOKS):山口 義宏 翔泳社

まずはPayPayモールの事実を集め、参考書にあった 「ブランドピラミッド」を構築していくところからはじめました。
作成したブランドピラミッドがこちらです。

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■ 具体的な手法
具体的には、ピラミッドの下から順番に埋めていき、
最終的に「コアバリュー」「ブランドターゲット」を決めていきました。

■ 難しかったポイント
取り組んでいく中で一番難しかったポイントは「コアバリュー :一言で集約した価値」を決定するところです。
サービスとして伝えたいメリットやポイントが複数あり、それを一言で集約する作業が難航しました。
メンバー内で何度も議論しながら丁寧に構築し、以下のコアバリューに落ち着きました。

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このメッセージは、コピーとしてブランドを表現する際にも使っており、PayPayモールで最も伝えたい価値になっています。

3-2ブランドのビジュアル化

コアバリューを元に、誰でも理解できるような形でブランドの 「ビジュアル化」を行い、社内配布用ドキュメントを作成しました。

ビジュアル化するときに苦労した点はブランドの価値観を写真や、カラー、フォントに落とし込んで詳細に表現していく作業です。
デザインチーム内でもデザインニュアンスの差があり、何度も写真やカラーコードなどの壁打ち作業をしながら、ブランドにふさわしいデザインを選んでいきました。
また、「配布ドキュメントの共通フォーマットの作成」 も苦労した点の一つです。
担当者ごとにレイアウトで個性が出てしまうため、デザインリーダーがフォーマットを作成し、それにそって作業を行う作業を行いました。

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ドキュメント内容一覧(再掲)
ブランドアイデンティティー
・CORE VALUE / コアバリュー
・PERSONARITY / パーソナリティー
・TARGET / ターゲット

ビジュアルアイデンティティー
・ITEMS / アイテム
・COLOR / カラー
・TYPOGRAFY / タイポグラフィー
・LOGO / ロゴ
・TEXT / テキスト
・PHOTOGRAPHY / フォトグラフィー
・ILLUSTRATION / イラストレーション

■ 内容抜粋

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4.サービスアイデンティティーが適応された成果物の例

PayPayモールとは

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PayPayモールとはどんなショッピングモールであるかを説明したページです。
サービスアイデンティティーの中にある「コアバリュー」や、「メッセージ」を冒頭でユーザーに直接伝えています。 また、写真選びやカラーなども、サービスアイデンティティーに沿って作られており、
サービスアイデンティティーが濃く反映されているページになっています。「PayPayモールとは」ページはこちら

PayPayモール公式SNS

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ブランドとして統一されたメッセージを発信するためのSNSを始めました。
特にPayPayモール公式Instagramでは、
「今よりワンランク上の生活を」をコンセプトに、統一された世界観でコンテンツ作成を行っています。生活に役立つ知識なども紹介しておりますので、ぜひみなさま、フォローいただければと思います。

5.まとめ

「サービスアイデンティティー」というまとまったドキュメントを作ることで、制作者間に共通イメージを持つことができました。
さまざまな案件において「PayPayモールのブランドらしいかどうか」の議論ができるようになったり、 発信する文章や写真なども足並みがそろってきていると思います。

ですが、まだまだアウトプットの形でいうと、ユーザーのみなさまに伝えきれてはいないと思っています。
今後はアンケートなどでブランドの見え方を可視化しながら、
統一されたブランドイメージが伝わるように、デザインの発信を行っていきたいと思います。

最後までお読みくださり、ありがとうございました!

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こちらの記事はYahoo! JAPAN Tech Blogの記事をベースに加筆修正を加えています。

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