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ヤフー広告デザインチームのアイデアの出し方、まとめ方

こんにちは。企画の西村です。

以前の記事、「どんな動画広告を作ったらいいかわからない」あなたに贈る、ヤフーが考える「使える」動画広告のネタ帳では、デザイナーがどんなことを考えながら動画の構成を考えるのかお伝えしました。

今回は、実際に広告を作る時に、デザイナーがどのような思考でアイデアを出し、実践しているのかご紹介します。
例として、ヤフーが提唱する動画広告の活用方法、「Video for Action(以下、VFA)」のクリエイティブフォーマットをデザインするプロセスをご紹介します。
VFAは、テレビCM等で認知を獲得したユーザーに、 リマインドとユーザーへの行動喚起Call To Action(行動喚起:以下、CTA)目的にアウトストリーム動画広告を利用するという、Yahoo! JAPANが提唱する動画広告の活用方法の総称です。
VFAにおける新しいクリエイティブフォーマットは、どのように決まるのでしょうか。担当者に聞きました。

■ インタビュー参加者
プロジェクトマネジャー:中村 ディレクター:桑原  
デザイナー:高田、若林

Q:新しいフォーマット作成に至った経緯を教えてください。

中村:VFAの広告フォーマットは、ユーザーのアクションを促すことが大きな特長です。既存フォーマットの検証を重ねたところ、効果があっても広告を最後まで見ていないユーザーがいて、ユーザーに等しくアクションを訴求しきれていなかったり、訴求内容が十分に伝えられないなど、いくつかの課題が明らかになりました。
今までのフォーマットをよりアクションやコンバージョンに効果があるようなものに改善する必要があり、新しいフォーマットを作成することにしました。

Q:デザインはどのように決めるのですか?

中村:まずはじめに、既存フォーマットの振り返り会を行いました。デザイナーにフォーマットの課題感や要望について伝え、次回までに2案ずつアイデアを考えて来てもらうようにします。次に、持ち寄った企画案をプレゼンしてもらいます。手描きのスケッチやパワーポイント、ホワイトボードなど、表現方法はそれぞれですが、提案内容に至った背景や理由を説明するのが必須となっています。

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Q:具体的にどのように進めて意見をまとめるのですか?

素早い意思決定

中村:今回は、振り返り会時に「CTVR(CTR×CVR)の効果があること」というお題を伝え、企画案を出してもらいました。

高田:目的にする指標が明確だと、アイデアが出しやすく、論理的に考えられます。みんなの目線も合いやすいですね。

桑原:過去の分析結果や他社事例、お題から、メンバーそれぞれが出した似たような案を、2回のミーティングを通じてグルーピングしていきます。まとめた案をそれぞれブラッシュアップして、最後はSlackの投票機能を使い、多数決で決めました。

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競争ではなく、協力し合う体制

若林:普段から、チームでアイデアを合わせながら完成させていくことが多いです。「一緒に良くしよう」という姿勢でアイデアをブラッシュアップしています。

高田:日頃からメディアやプロダクトの特性など、必要な情報がPJメンバーにインプットされているので、ずれたものが出てくることは少ないですね。

Q:リーダーや新卒も一緒にアイデアを出しているそうですが、遠慮したりしないですか?

チームメンバーのフラットな関係

高田:基本的なことですが、普段から「相手の意見を否定しない」ことにのっとってブレストしており、上長や先輩に対しても、意見を言いやすい雰囲気です。メンバーのスキルや知識レベルが高く、同じ感覚で話すことができるのも大きいと思います。

中村:新卒メンバーも積極的にアイデアを出しています。最終まで残った3案のうち1つが、新卒が提案したものでした。今までのフォーマットに捉われない斬新なアイデアが出ることがあるので、経験の浅いメンバーの意見やアイデアにも期待しています。

Q: 新フォーマットについて、デザインのポイントを教えてください。

「L字表現」 動画の一部をL字型の静止画にし、伝えたいメッセージを常に表示

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若林:「動画再生中常に重要な情報を提示できる」ことにプラスして、L 字にすることでよりメッセージを目立たせ、効果的に情報を掲載できるようにしました。それと同時に、クライアントCM素材に重なることなく使えるよう運用のしやすさもカバーしました。

「冒頭+エンドカット表現」動画の前後に静止画を配置し、伝えたいメッセージをしっかり伝える

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「動画+静止画」を発展させ、冒頭数秒間の離脱ユーザーにも訴求できるようにアウトストリーム環境に特化させました。

Q:今後どのようなクリエイティブフォーマットを作っていきたいですか?

中村:VFAのフォーマットは、再現性が高く汎用性があるように作られていています。より等しい効果が期待できるように、検証や改善を重ね、デジタル広告業界全体をボトムアップできるようなものを作るのが目標です。

高田:ユーザーが「フォーマット」と意識せずに、自然に商品・サービスに興味を持つようなクリエイティブを作ることが理想です。

桑原:動画のユーザー体験を損なわないものを作りたい、と考えています。その上で、広告効果の向上に結びつくようなクリエイティブ、さらには自分たちが編み出したフォーマットが、クリエイティブを作る人たちの知識の底上げにつながるような状態を目指したいです。

若林:広告主とユーザーの両方にとって嬉しい広告。難しいことかもしれないですが、挑戦していきたいです。

最後に

ヤフーの広告デザイナーは、チーム全体でアイデアを出し合い、クライアントの利益に繋がるように、クリエイティブの課題を解決しながらデザインしていることがわかりました。
ヤフー広告デザインチームのクリエイティブを作り出す環境や、クリエイティブプロセスが、みなさまの参考になれば幸いです。

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