びっくり仰天のシェア文化は心温まりながらもド肝抜かれた【バトンリレー企画】
チェンナーさんの企画に参加することになりました。こちらが企画元です。
バトンを下さったのはコノエミズさん。こちらの記事からです。
わたしのように移住生活を送ってきたものにとっては、ずっと日々、異文化の中で暮らしています。何をシェアしようかと悩んでしまいましたが、よくよく読むと……
あら、じゃあ何でもいいってこと? マイカルチャーではありませんが、わたしにとって、異文化カルチャーという言葉からいちばんに頭に浮かんだのは、サモアの分かち合い文化です。
つい最近、米国暮らしの前に住んでいたサモアの家について⬆こんな記事を書きました。
この続きでサモアの「笑える異文化体験」を紹介します。
サモアは南太平洋、ポリネシアの小国です。米国に移住する前の4年間(1997-2001)家族6人で住んでいました。小さな島国だけに、伝統文化が色濃く受け継がれています。その中でも特筆すべきが“分かちあい”です。
サモアでは、子どものころからなんでも分かち合うことがたいせつだと徹底的に教わります。もともと原始共産制からきている文化で、自然界から得たサカナや農作物は独り占めせず、そこにいるみんなで分け合い、みんなで幸せに暮らしましょうということなのでしょう。
決して裕福な国ではないからこそ、現代でも受け継がれているのだと思います。サモアでは、自分が持っているものを貸してと言われて断るなんてことはあってはならないのです。
自分のものはみんなのもの。
みんなのものは自分のもの。
なので、我が家にあったいろんなモノを大家さん家族はうちに借りに来ました。たとえば、髪を切るハサミ、ギター、ボール、子どものおもちゃ、お金……、とにかくなんでもです。自分の家にないもので我が家にあるとバレた日からもう大家さんちのものでもありました。
先進国の個人主義とは真逆ともいえるのですが、この分かち合い文化の中でも、今も忘れられない「分かち合いレベルの高さ」を象徴するエピソードを紹介します。
うちの子どもたちは、全員がサモアの公立学校に通っていました。
ランチはみんなで分ける
当時、小学生だった次男は、ランチにいつもサンドイッチを持って行ってました。でも、それを自分だけでは食べませんでした。仲よしグループの中で、みんなが持っている食べ物をいったん全部集めて、それを頭数で割って分けていたからです。ランチ用に何か買うための現金を持って来ていた子もいました。高額の子も小銭の子も現金を合わせて何かを買い、それも均等に割って分けていました。
貧乏な家の子もお金持ちの家の子も、みんな平等に同じものを同じ量食べていたのです。つまりわたしが作っていた息子のサンドイッチは、みんなに作っていたことになるし、息子は一口ぐらいしか口にしていなかったのです。
メガネをシェア?
視力のよくないサモア人の子が先生に目が見えないというと、担任の先生はうちの息子に、「メガネを貸してあげなさい」と命令したことがありました。いくらなんでもメガネまでシェアには、さすがに笑ってしまいました。
定規は折る
小学校で、定規を忘れてきた子がいたときのこと。隣の子どもが自分の定規を半分に折って“貸して”あげました。折ってでも貸してあげるってすごくないですか?
1個買っても人数分
末息子は学校帰りによく買い食いをしました。友だちといっしょにお店に寄ると、1つ買うだけで、友だちの分までくれました。キャンディ1つといったレベルのものでしたが、お店のおばさんのやさしさにいつもほんわかしたものです。
通学も分かち合いで楽々
娘は高校にバス通学をしていました。ときおりバス代の小銭がたりないときには、足りないまま申し訳無さそうにバス代の一部を出せば乗せてもらえました。
バスが来ないときには、同方向に行く車に拾ってもらいました。ときには友だちのパパだったり、タクシー通勤途中の学校の先生だったりで、目と目があえば「分かち合い」で通学も便利でした。
とまぁ徹底的にシェアすることが文化の国なのです。
トイレットペーパー1つ、タバコ1本、バンドエイド1枚と不思議な買い方をしていたのは、貧しいからバラ買いしかできないのも理由ですが、箱で買ったら、みんなにちょーだいと言われて一瞬でなくなってしまうのを避けるためでもあったのでしょう。
サモアンライフに懐かしみを覚える
サモアで暮らすあいだ、わたしはよく、昭和の自分の子ども時代を思い出しました。当時は日本でも近所でお醤油を借りたり、電話を借りたりしていましたので、サモアでの暮らしは、自分の幼少時代を彷彿とさせてくれたものです。
ところ変わって、米国の現代で暮らす今のわたしは、ときおりサモアの体験がとても恋しくなります。たとえ、数々の不便があっても、そして貧しくても、人と人が助け合いながら暮らす社会は居心地がいいものです。
「富める者はますます富み、貧しき者はますます貧しくなる」
を目の当たりにする世界で暮らしているからこそ、サモアの体験を忘れてはいけないと心に刻んでいます。
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さて、次にバトンをお渡ししたいのはあつこさんです。
あつこさんは、リタイアされた夫さんの再教育にご熱心です。夫婦愛たっぷりな中でも、ピリッと育てようとしているあつこさんの奮闘を楽しみにしていているわたし。
これこそ、あつこ流マイカルチャーと言えそうですよ!!
ということで、あつこさんいかがでしょうか?
ご都合わるければ、遠慮なくチェーンナーさんにバトンを返していいそうです。
🌺 共感、応援いただけるならとびあがって喜びます。 そして、その喜びと感謝を胸に次のどなたかに恩送りします。