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他人の本棚を覗く

本を探すとき、ネットを使って探すことが多い。「読書ブログ」などを参考にすることはあるが、ブログを参照する頻度はそこまで高くなく、一番利用することが多いのは「読書メーター」だ。

自分も本の記録ログ用に使っているというのもあるが、「本を探す」のに特化した利用もなかなか利便性が高いのでよく使っている。
 
読書メーターは、機能としては「本用のSNS」という感じのもので、自分の読んだ本を登録しておくことができる。登録ついでに感想などを書いておいたりすると、次にその本を読もうかなと思った人の参考になる。

しかし、この「感想」機能はこのSNSの本質ではないと思っている。


 
一番の特徴は、このサービスによって「他人の本棚が覗ける」ということだろう。読書メーターを使っている人は、自分の読んだ本を片っ端から登録している人が多いと思われるので、他人の「読んだ本の履歴」というのは、そのままその人の本棚、ということになる。

本屋に行って、面白そうな本を探し、レビューなども参考にしつつ選ぶのも楽しいが、その裏側にいる「どういう人の本棚にその本が収まっているのか」が知れるのは大きい。

というか、全く見知らぬ他人の家に入ることは物理的にできないのだから、インターネット上で「他人の本棚が閲覧できる」というのは、人類史上、これまでになかった機会である。その人がどういう本を読んでいるかで、知的水準がわかるし、志向もわかるので、この人が読んでいるならばこの本も面白そうだ、という選び方ができる。

もちろん、読書ブログでも似たようなことはできるが、読書メーターはSNSなので、利用人口が非常に多い、という点が特徴的で、読書ブログをググるよりもはるかに多くの「他人の本棚」を覗くことができる。

僕は、こうやっていろんな人の本棚を覗くのが楽しいので、あまり他人はフォローしていない。自分が最後に読んだ本から、同じ本を読んだ人の本棚を覗きに行っているのである。


 
読書の本質は、「先人から何かを受け取ること」だ。自分が完全に知っている内容の本を読むことに意味はなく、逆に内容が難解すぎて何も理解できなかった、というのも意味がない。

実際に他の人が読んで面白いと感じた本を探すことで、「この人が読んでいるなら、自分も楽しめそうだ」という感覚が重要なのだろう。
 
いま、こういったSNSだけでなく、TikTokやYouTubeを介して本を選ぶ人も増えているらしい。自分はそういった映像メディアから辿るということはほとんどないものの、やり方としては似ていると言えるだろう。
 
本はなんといっても、一生かかっても読みきれないほどの種類がある、というのが強みだ。自分が好きなジャンルの本は、どこまでもマニアックになれるし、どこまでいっても読み切る、ということがない。

少し自分の読書傾向に飽きてきたら、また全然違う人の本棚を覗く楽しみもまた生まれるものである。

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