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時間を「15分の箱」で考える

巷にはあらゆるタイムマネジメント術が溢れている。これまでの読書の一環で、タイムマネジメントについて書かれた本も何冊かは読んできたが、あまりそういった書籍には書かれていない、自分で編み出した独自のものがある。それについて少し書いてみる。

最近、1日は「15分刻み」で考えたほうが扱いやすいな、と思っている。通常、1日の時間の管理は「1時間刻み」で考えることが多いが、これを15分刻みにする。

「24時間」は「96個の15分」でできている。通常の勤務時間の8時間は、「32個の15分」でできている。なので、一日の所定の勤務時間は、32個のブロックに分けることができる。

仕事の種類にもよるだろうが、「ちょうど1時間で終わる仕事」というのはあんがい少ないのではないだろうか。たとえば、メールの返信だったり、ちょっとした企画書の修正なんかだと、1時間に何個もタスクが詰め込めるため、区分としてはあまり適切ではない。なので、「1時間」という単位は、タイムマネジメントの観点からすると、長すぎて、やや扱いにくい。

一方、「15分」というのは比較的扱いやすい単位である。「5分」だと短すぎるが、「15分」あれば、ある程度まとまったことができる。たとえば2時間かかる仕事であっても、だいたい15分ぐらいで終わるタスクに細分化することができる。

つまり、一日の勤務時間は8時間で、これは「32個の15分」で出来ているのだから、15分で終わるタスクならば32個詰め込むことができる計算になる。「1日の仕事が8時間」というと、いかにも「労働時間」という感じでつかみどころがないが、もう少し細分化すると、結構イメージが沸きやすい。

なにより、「1時間集中して仕事をする」と考えるとちょっと長くてダルい感じがするが、「15分集中」ならば取り組みやすい。「1時間でこれを終わらせよう」と考えるより、「15分でこれを終わらせよう」と考えるほうが取り掛かりやすく、予測も正確なのだ。

実際、自分の集中力はひとつの仕事に対しては15分ぐらいが限度のような気がする。もちろん、作業そのものは3時間かかるもの、4時間かかるものも存在する。

しかし、15分おきに振り返るとマネジメントがしやすいのだ。だいたいここまでやるのに15分かかったから、だいたいあとこれを4回やれば終わりそうだな、みたいな感じで、タスクそのものの所要時間も計算しやすい、という点もメリットである。

「扱いやすい単位まで分解する」というのは、時間だけに限らない。この考え方は、他のものにも応用できる。

僕はこれまでに何千本も記事を書いてきたので、書いてきた文字数でいうと、おそらく200万字は超えているのではないかと思う。このブログは文字数を1000字から2000字と決めており、だいたい1500字ぐらいになるように調整している。

これまでに書いてきた累計の200万字というのは、途方もない数字に思える。いきなり200万字を書け、と言われても不可能だろう。しかし、特に問題なく続けてこられたのは、1500字という「書きやすい単位」で書いてきたから、だと思っている。

記事一本あたり1500字ぐらいに収めることを習慣化すると、「だいたいこういうことを書けば記事一本分だな」ということがイメージしやすくなり、取り掛かりやすくなる。ここまで継続して文章が書けているのも、「記事一本あたり1500字」という「フォーマット」を自分で作ったのが大きいかな、と思っている。

イメージでたとえるならば、自分の手で持ちやすいコンテナを持つイメージである。自分で持ちきれないほど大きなものだと動かせないし、小さすぎると効率が悪い。もちやすい大きさはどれぐらいかな、と考えるのである。

扱いやすい大きさはもちろん、人の感覚によっても違うし、仕事などの内容によっても違うだろう。人によっては15分ではなく、30分がいいかもしれないし、90分がいいかもしれない。しかし、僕は15分以上かかることだとなんとなくダルくなってしまうので、このぐらいの設定がちょうどいいのである。

あまりこのようなことを書いているものを見たことがないので、わりと自分独自のタイムマネジメントかな、と思えなくもない。この記事を書くのも、だいたい15分ぐらいで書いて、15分ぐらいで見直している。

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