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なぜ日本人は野球が好きなのか?

どういうDNAの吹き回しなのか全くわからないのだが、僕は一切スポーツ観戦をしない。

意外とスポーツ漫画などはそこそこ好きなのだが、現実のスポーツとなると、ほぼ全く関心がない。なので、ひいきのプロ野球選手や球団なども存在しない。

自分が全くプロ野球に興味がないので、「世の中にプロ野球好きな人なんているのか?」と感じているレベルなのだが、職場などでたまにプロ野球の話題が出たりしているので、一定数の支持を受けているらしい、というのは知っている(ファンが一定数いないとプロ野球という産業自体が成立しないので、存在しているのは納得である)。


 
以前、バングラデシュに行ったときに、地方都市のチョットグラムという街に移動する際、えらく道路が混雑していた。聞くと、クリケットのワールドカップをやっているのだという。

クリケットというのは、なんとなく名前を聞いたことがあるような気がするが、ほぼ全くなんの知識もない。ネットで調べてみると、野球のボールよりも一回りほど小さなボールを地面に向かって投げて、それを羽子板みたいな平べったいバットで打つ競技らしい。まあ、細かい部分は違うのだろうが、きっと野球に似たルールなのだろう。

僕の目から見ても、なんとなく野球と比較しても地味に見えるのだが、バングラデシュではこれが人気で、確かにそのへんのレストランに入っても、テレビはだいたいクリケットの中継をやっている。バングラデシュやインドでは圧倒的に人気ナンバーワンのスポーツらしく、競技人口は3億人を超えるということだ。なんともすさまじい話である。
 
一方で野球の競技人口というのは3000万人ほどで、これでも十分すごいとは思うが、世界的にみればクリケットよりはマイナースポーツ、ということになる。どうも日本やアメリカではメジャースポーツなので、メジャーなものであるかのように思いがちではあるが、世界的にはそうでもない、というのはなんとも不思議な気持ちがする。

しかし、ドラフト会議みたいなものに多くの人が関心を寄せていたり、プロ野球チームが勝った負けたみたいなことに多く人の関心が寄せられているところを見るに、野球は日本人の文化として相当根付いているところがあるような気がしている。

確かに、高校の部活でクリケットをしているのはあまり想像できないが、野球ならばものすごくしっくりくる。その「しっくりくる」という感じが、その競技を文化として定着させている要因のひとつなのだろう。


 
なぜ野球がこれほどまでに日本で普及しているのか……わからなかったので、ネットで調べてみたところ、「ピッチャーとバッターの一対一の勝負をするところが、武士道を重んじる日本人のソウルにフィットした」みたいなことを書いている人がいたが、その理屈はおかしい。

それならば、テニスなどはより一対一の真剣勝負だし、武士道の延長ならば剣道や柔道などの武道がもっと普及していてもいいだろう。なので、「謎」ということになる。
 
野球についてこれ以上語ることもできないのだが……、やっぱりプロ野球に熱狂している人はなんで熱狂できるのかわからない。きっと、競技そのものというよりは、それをプレーしている「人」を見ているのだろうな、とは思う。

僕が野球について語れるのは、せいぜいそのレベルである……。

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