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AIに小説を書いてもらって遊ぶ

いま話題のチャットAIである「chatGPT」だが、以前、ちょっと触って「こんなもんか」というのを確認したら飽きてしまったものの、新しい活用法を思いつき、いじり続けている。だんだん、遊び方が少しずつわかってきた。

chatAIの真価はなんだろうか。一般的に、現代では何か調べごとをしたいときは、まずGoogleで検索する。それで解決しない問題は、詳しい人や、専門家に話を聞いたりする。chatAIは、そういった「調べごと」をするときに役立つツールとして期待されている。

しかし、以前の記事でも書いたように、何か調べごとをしたり、質問したりするのは現在のバージョンではなかなか厳しい、ということがわかった。何か答えが出てきても、それが正しいかどうかはわからないし、結局、真偽を確認するためには調べ直さなければならないので、結果としてそれなりに手間がかかる。

そもそも、現在のバージョンでは、誤った情報を返してくることも多い。

なので、この手のAIにやらせるべきはこういうことではないのかな、と思った。

chatGPTは「生成系AI」と呼ばれることがある。ほかの人の使い方を見ていると、たとえば「小説を書かせると面白い」ということだったので、試してみることにした。

「ランダム単語ガチャ」というサイトがあり、日本語の言葉を完全にランダムで出してくれるサイトがあるのだが、そこでランダムに弾き出した3つの単語を使って、小説を書いてくれと依頼する遊びを思いついた。

やってみると、かなりの無茶振りのテーマでも即座にやってくれるので、この分野においては、すでに人間を凌駕している。機械的に、ランダムに弾き出されたお題で小説を書いてもらっている。

ひとつひとつはカオスでぐちゃぐちゃなのだが、たとえば100本ぐらい書いてもらったら、そのうちの数本は悪くないものができるのではないか、と思っている。

いま少しずつ作業中なのだが、せっかくなのでいままで出たところで面白かったやつを紹介したい。

「墓地の椅子取りゲームの呪い」
お題:椅子取りゲーム、円形、墓地


 ある夜、友人たちと墓地に集まり、椅子取りゲームをしていました。墓地の中央に円形に椅子を置き、音楽に合わせて椅子を取り合うゲームです。
 最初は楽しんでいた友人たちも、徐々に様子がおかしくなっていきました。特に最後の一席を争う二人は、椅子を取ろうと必死になり、周囲の墓石にぶつかっては転倒してしまうほどでした。
 しかし、その中でひとりの友人が違和感を感じ始めました。彼女は墓地にいること自体がおかしいと思い、ゲームから離れようと決意しました。
 すると、彼女の目の前で友人たちが次々と倒れていきました。彼女は恐怖を感じ、椅子取りゲームが呼び起こした怨念が、墓地を覆っているのではないかと考えました。
 彼女は友人たちを引き連れ、墓地を後にしました。しかし、その後も彼女は何か違和感を感じ続けていました。彼女は椅子取りゲームの呪いから逃れるため、再び墓地に向かいました。
 そして、彼女は自分自身を含め、全員が円形に手を繋ぎ、墓地を一周しました。そうすることで、椅子取りゲームが引き起こした怨念を追い払い、墓地を浄化することができたのです。
 友人たちと一緒に墓地から出ると、彼女たちは軽やかな足取りで帰路につきました。彼女たちは、その夜の出来事が大きな教訓となり、椅子取りゲームによって生じた呪いから身を守ることを学びました。

「反作用の実験」
お題:灰色、帰宅、反作用

 彼は灰色の空の下、帰宅する途中だった。長い一日を終え、疲れ切っていた彼は、電車に揺られながらぼんやりと外を見ていた。駅に着くと、彼は一人で降り、足早に家に向かって歩き出した。
 彼が家に着くと、そこには彼の家族が待っていた。しかし、彼は何となく違和感を感じていた。彼の妻は彼を優しく迎え入れたが、彼女の表情には何かが違った。彼女は穏やかではなく、彼を見るときには不安そうな目をしていた。
 彼が座ると、彼女は彼に話しかけた。「今日、あなたが出かける前に、何かが起こったでしょう?」と尋ねた。彼は思い出そうとしたが、何も思い浮かばなかった。
「何かが違うような気がするんだ」と彼女は続けた。「あなたが帰ってきた時、何かが変わったみたいなんだ」
 彼は不思議に思いながらも、その場は流した。しかし、彼女の不安な表情が気にかかって仕方がなかった。
 数日後、彼が出かけるときに、彼女は彼に簡単な実験をするよう頼んだ。彼女は、彼が帰宅したときに、反作用が発生するかどうかを確認したかったのだ。
 彼が帰宅すると、彼女は彼に「もう一度、家に帰ってきた気がするまで、外に出てきて」と言った。彼は何の意味かわからなかったが、彼女の頼みを聞いた。
 そして、彼が家に戻ると、彼女は「これが反作用だよ」と言った。彼女は、彼が外に出ている間に家に入って、彼の家に置いてある物を全て逆さまにしてしまっていたのだ。
 彼女の実験を聞いて、彼は笑ってしまった。しかし、彼女の行動は、彼が何かを変えようとしたことに反応したものだったのかもしれないと考えた。そして、彼は今まで以上に家族との時間を大切にし、日々を過ごしていくことを決意した。

(いずれも原文ママ)

どうだろうか。カオスで論理性が破綻しているのは百も承知だが、こんな無茶振りしたテーマで、いったん何かしらのアウトプットがあるのはなかなかすごいのではないだろうか。どうしても、カオス具合の性質上、ホラーとかオカルト寄りになってしまう傾向はあるのだが、新しい発想を得るためのブレーンストーミングとしてはアリかもしれない。なんとなく、伊藤淳二の漫画のような世界観である。

他にも、「この設定でキャラクターを作ってくれ」とか、「こういう製品の企画書を書いてくれ」とか、そういうのも対応できる。なかなか面白い。このあたりは、ある程度まとまったら記事にまとめたい。

AIというのは、「Artificial Intelligence人工知能」の略で、広義には計算機なども含むように思う。パソコンそのものも、人工知能のようなものだ。

世の中のプログラムの大半は、人間が挙動を正確に制御するためにアルゴリズムを組んだものだ。たとえばロボットを制御するプログラムは、かなり厳密に書く必要がある。ロボットがプログラムの「解釈」をしてしまうと、意図していない挙動をしてしまう可能性があり、危険だからだ。

なので、制御系のプログラムには、C言語などの、自由度の低いプログラミング言語が使われたりするのだと思う。

しかし、こういったチャットAIなどは「正解」のない問いについて、一定のクオリティで答えを返してくれる。これらに対しては、ロボットの制御などのように厳密なものを求めるのではなく、こうやって突拍子もないアイデアを出してもらって、「遊ぶ」ためにあるのかもしれない。

そう気づいてからは、ちょっと活用法がわかったような気がした。この手の使い道は、さらに伸び代があるので、今後に期待したい。


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