見出し画像

無限に生成されるタスクとどう向き合えばいいのか

漫画「闇金ウシジマくん」で、パチンコで作った多重債務を抱える宇津井というキャラクターが、デスクワークの仕事を求めてハロワに行く、というシーンがある。

宇津井は日雇いの肉体労働を中心とした仕事をしており、結局デスクワークの仕事は見つからないのだが、それを読んだときに「デスクワークだから楽な仕事だと思ってるんだとしたら、甘いな……」ということを思った。
 
最近、たまたまこんな画像を見つけた。

一般的に事務職だと上記の「簡単なデータ入力だけ」みたいな作業を想像するけれど、実際はありとあらゆる雑多な仕事にまみれ、とてもじゃないがゆっくり座って仕事をしていられるような状況ではない……。

僕の仕事も、事務職ではないものの、イメージ的にはこの下のような状態になっている。日中、仕事をしている時間は常に自部署や他部署や顧客のあいだで無限に生成され、容赦なく自分のところに降りかかってくる。

いちおう、そうやって「降りかかってくる仕事」以外にも自分の力で進めなければならない仕事もあるのだが、とても日中はそんなことをしたり考えているような時間はない。一応、所定の労働時間外においては、タスクが無数に降りかかるわけではないので、定時を過ぎると戦場を抜けたような気分になり「やっと自分の仕事ができる」と考えられるようになった。

なんだか色々とおかしな気もするが……。


 
世の中にはタスクを管理するツールは色々あるけれど、なんか「これだ」という決定版みたいなものに出会ったことがない。社会人になって10年強、いろんなことを試してみてはきたけれど、なかなか「これだ」という方法を確立できずにいる。
 
でも、なんとなく「こうしたらいい感じだな」というのが最近掴めてきた。それについてちょっと書いてみる。
 
社会人にとっての「タスク」というのは不思議なしろものである。言われた雑用をこなすだけが仕事なら、「タスク」という細切れの単位で管理しても問題ないのだが、仕事というのは必ずしも受動的にのみ行うものではなく、自分の力で推進していくべきものも当然存在する。

だから、
①自分で進める能動的なタスク 
②人から言われて行う受動的なタスク 
この2つの種類があり、それらが入り乱れるから、仕事中は混乱して、発狂してしまうのだろう。優先順位の判断がとっさにつかず、混乱するのもそのせいだ。

最近やりはじめて比較的うまくいっているのは、自分で管理しているプロジェクトの進捗などを、マインドマップを使って管理することだ。

そこでは、「やらなければならないこと」がツリー状に生成・管理されているので、TODOリストのようではあるのだが、そこには重要な要素が含まれていない。つまり、「やる順番」、優先順位がないのである。いわば、発生したタスクを、ベストな順番で処理できない、という問題がある。
 
一方で、TODOリストだけを使っていると、適正な順番に並べ替えておけば処理順には問題がないが、プロジェクトの全体的な管理は頭の中で行わなければならず、結果としてタスクのやり忘れが発生する。つまり、こちらはタスク生成に問題がある、ということだろう。
 
そこで、基本的にタスクの管理はマインドマップ上で生成・管理しつつ、実際に手を動かして実行するときはエクセルかテキストにやるべきタスクを「抽出」して、順番に並べていくことにした。

こうしておけば、仕事は生成されたタスクを上から順番にこなしていくだけでいい。日中、あいだに余分なタスクが乱入してきても、あらかじめ優先順位が決めておけば、適正な場所に差し込んでいけばいいだけなので、判断がしやすいだろう。

飛び込んできたタスクと、もともとあったタスクを色分けでもしておけば、いかに「自分の仕事」ができなかったのかを可視化することもできる。
 
そして、一通りタスクが処理できたら、マインドマップで管理している「全体のリスト」に状況を同期させればいい。このやり方だと、タスクの生成漏れもないし、やり漏れもないので、非常に効率よく仕事を進めることができる。

なんだか、こうやってこなしていくと、自分が人間ではなく機械か何かのように思えてくるが……。TODOリストを上から順番にこなしていくマシーン。イメージ的には、サザエさんのマスオさんあたりの机の上に書類が積まれていて、それを順番に処理していくみたいな感じ。


 
この一連の作業を、ラーメン屋の「仕込み」みたいなものだと考えるとしっくりくる。ラーメン屋は、もちろん開店前にラーメンの仕込みをすませて、客が注文してきたらすぐさまラーメンを提供できるように準備をする。

これが開店してからすべての準備をしていたら、とてもじゃないが間に合わないだろう。他の仕事も、似たようなものだと考えればいいのだ。
 
デスクワークといえど、なかなか奥が深いし、一筋縄ではいかない。でも、抽象化して応用していけば、意外といろんなことに転用できるのかもしれない。

サポート費用は、小説 エッセイの資料代に充てます。