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収集物たち #3 うちの靴ぜんぶ見せる会

ファッションがわりかし好きなんだと思う。ばちっと決まった服を着ると気分が上がるし、誰かにかっこいい、かわいい、お洒落だと言ってもらえるとすごく嬉しい。第一印象も良いほうがいいに決まってるし。

服飾品は身に付けても格好良いがモノ単体としての美しさも魅力としてある。特に仕立ての良いロングコートやサックスのシャツ、ツータックのスラックスなんかだと、ハンガーに掛かってゆらゆら揺れているだけでかっけえな…と感じることがある。さすがにそのレベルの物はあまり所有していないが。

そういう側面から見ると、服よりもバッグや靴、アクセサリーなど小物の方が好き度が高いかもしれない。

その中でも最近一通り揃って落ち着いたな…と思えるのが靴である。

スニーカーをコレクションする人は良く聞くと思うのだが、個人的にスニーカー集めにはあまり興味が持てない。なぜなら数年で劣化してしまうから。
どんなに大事に扱ったとしても、加水分解でぼろぼろになるのは避けられない。かっこいいのは分かるんだけど、数年後に別れが確定しているのは寂しい。

だから長く愛せる革靴の方が好きである。しっかりしたものを選べば数十年履き続けられるってすごいことだ。気に入ったものをずっと使い続けたい人のための靴だと思う。あと綺麗めな恰好に合うし。

とはいえ普段はスニーカーを履く機会の方が圧倒的に多い。スニーカーは「長く使えるか」という選び方ができないからこそ、デザイン、機能性、メーカーといった所の吟味ポイントが高くなる。

いま家にある靴たちは本当に一足ずつ悩んで迎え入れた。どれも愛着がある。似たようなのは一つも無くて、全員がキャラ被りせずうまく棲み分けできているのが自慢です。よければご覧ください。

Onitsuka Tiger Mexico 66

長年憧れだった靴。この中では一番の新参者。デザインベースは昔のランニングシューズである。

踵のベロの黄色、とてもよろしいですね。T字のトゥもかわいい。ソールが薄めで軽くて、足袋とか拳法の時に履くやつみたいだなと思う。でもアッパーはレザーでしっかりしている。

今思ったけど信号の配色だ

パッと見では体育館シューズか…?と思う方もいるかもしれない。確かにそれはそう。でもこれをシャツとスラックスとかで合わせるとめちゃめちゃに格好良くなるから不思議だ。軍パンとTシャツとかも全然良い。単体で見ると癖ありかと思うけれど、合わせてみると何でもいけるのがすごい。初出は1966年だというから、やはり優れたデザインは長年愛されるものなんだな。

何年愛されてんだというアイコニックなライン

街でこれの真っ黄色のやつ履いている人はだいたいお洒落。大事にしようと思うあまり登場回数が少なくなってしまうのが最近の悩み。

Salomon SUPERCROSS 4 GTX

フランスからの刺客。トレイルランニング用シューズです。真っ黒カラーにシュッとしたフォルム、でこぼこしたソール。すべてがスタイリッシュ。さすがとしか言えない。

この子の一番の特長はゴアテックスであるということ。ゲリラ豪雨にはさすがに通用しないけれど、多少の雨ならまったく水を通さない。雨の日の気分は靴下の濡れなさ具合によって決まるというのが持論なので防水靴は必須だ。

さりげなくGORE-TEXのタグ

雨の日以外にも出番がある。山に入る(登山ではない)ことがたまにあり、そういう自然系のフィールドに行く時に活躍する。あとオールブラックコーデしたい日も。

この紐よ。0.1秒で締められる仕様で最高

サロモンならXT-6かXT-4なのでは?と思うかもしれない。なぜこのモデルを選んだかと言うと、前述のとおり山に入る時に使いたくて、タウンユースモデルでなくちゃんとしたトレイルのモデルが欲しかったから。あと人と被りたくなかったし、街で履けるくらい見た目も格好良いし、XT-6よりだいぶ安く買える。あまり有名ではないけれど、かなりお勧め。

ちなみにトレイルランニングはしない。

asics GEL-MC PLUS

今度はアシックスです。オーバープロネーション(かかとが内側に倒れてしまう状態)改善用シューズをデザインソースとして作られた靴。その出自のせいか、かなり足に優しい感じがする。アッパーがスニーカーではあまり見ないキルティング素材なのと、あちこちにあしらわれたペイズリー柄がかわいい。

これがペイズリー、グリズリーに匹敵する迫力

ファッション的な面では、割とどんな服にでも合うので出動回数が多い。黒だし。ニューバランスみたいな雰囲気があるなと思う。
個人的にニューバランスにはそこまで惹かれない。流行りすぎているし、他メーカーより少し高めな値付けで手が出しにくい印象がある。それに何よりロゴが気に入らない。NなのかZなのか分からなくて嫌だな、と幼稚園生の頃から思っていた。最低なクレーマーだ。530とかは形が好みなのでいつか履いてみたい。

控えめなラインと衝撃吸収のゲルを拝む

関係ないことばかり書いてしまった。アシックス=運動靴の先入観があるから、ファッションにはどうなんかと思う気持ちも分かる。が、特に最近はおしゃれモデルがかなり増えているから一度見てみてほしい。

asics GEL-OBERON 7

またアシックスかよ。許してください。好きなので。
これはヤフオクでデッドストック品をたまたま見つけて購入したもの。調べた所2013年頃のエントリー向けランニングシューズらしい。つまりファッション用途ではない。

平成中期のデザインだ

だが私は履く。GT-2160に似ていて意外と良いのではという気がしている。出番はスポーティ系の服の時、もしくは外しとして取り入れる。メッシュなので超軽い。インソールが薄いから交換しようかな。

デッドストックなので貴重なのかもしれないが、元々はかなり安い初級者向けのシューズだしヴィンテージ的な価値はたぶん無い。今後価値が上がっていくこともある…のか…?ヴィンテージの世界は何が注目されるか分からんからな。慎重に履くべきかガンガン使っていくべきかよく分からない。ネットにすら情報が無いし。誰なんだ、君。

レトロ感のあるフォント。げるげる

Trickers BOURTON

大本命。バートンと読む。イギリスの老舗メーカー製の革靴。主観で申し訳ないがめちゃめちゃかっこよくないか。

革靴は形によっていくつか種類がある。これはその中でもウイングチップ(フルブローグ)と呼ばれるもので、つま先にW字の装飾と全体に穴で模様が入っているのが特長。

この穴。飾りとしても美しい

デザインのルーツは昔の貴族が猟をするための靴で、穴の装飾は排水性を確保するためだったそうだ。ぬかるみ踏んでもオッケー、みたいな。実用性から生まれるデザインって良いよな。狙っていないからこそ生まれる美しさがある。

そのルーツのせいかかなり頑丈に出来ていて、壊れない安心感は半端ないものの履き始めは革がめちゃめちゃ硬い。たまにかかとが痛いときもあるが、しばらく履いていると足に馴染んで丁度良くなった。この自分で馴染ませる手間すら面白いと思ってしまう。もう救いようがない。引き返せない所まで来ている。

上から見た図。私服で履く革靴はつま先がぽてっとしているかが重要

合わせる服としてはやっぱりばちっと決めたドレス寄りの時に履きたい。と思いきやデニムなんかにも合う。これはイギリス…イギリスの服飾やで…と意識して組み立てると上手くはまる気がする。
そういえば大学の卒業式にも履いていった。汎用性だいぶあるな。ドレスコード的にちゃんとしたスーツには合わせられないけど、普段着~ゆるスーツまでなら許容範囲だ(ゆるスーツとは)。
カジュアルなカントリーシューズながら上品さも持ち合わせているという絶妙さ。偉大なのに常におちゃらけているダンブルドアみたい。

だいぶ癖ありデザインだが履くと意外に目立たない

あと一番大事な所。グッドイヤーウェルト製法なので、ソールがすり減っても交換ができる。大事に履いて一生付き合っていきたい。

HARUTA 907

タッセルローファー。タッセルが付いたローファーです。ハルタは学生時代お世話になった、とはよく聞く話だが私はスニーカー通学だったので履いたことがなかった。なので普通の革靴メーカーとして認識している。それはそれで良い出会い方かも。

花房という金魚の品種がいるんですよ。それに似ている

アッパーはコーティングされたガラスレザー、セメンテッド製法、しかも紐靴ではなくローファーなので気軽に履けるのが良いところ。今日の服ちょっとカジュアル過ぎてなんかやだ…と思った時に履くと、全体が締まって丁度良くなる。長距離歩く時に少ししんどいのが玉に瑕。

ハルタは価格も手に取りやすくて、私服で革靴を履いたことがない方にけっこう良いのでは。

 

見ての通りスニーカーはアシックスかサロモンしかない。今まで様々なメーカーの物を履いてきたが、クッション性や耐久性などの機能面、デザインの良さ、合わせるファッションの系統、ブランドイメージや企業としての姿勢など総合的に見て気に入ったのがこの2社だった。これからも愛していきたい。そして今後自分の中で新たに食い込んでくるメーカーが登場するのか。楽しみですな。

革靴は2足のみである。革靴は一足と向き合うのに時間がかかるから、無闇に増やすことは恐ろしくてできない。しばらくはバートンを完全に飼いならすことを目標にしようと思う。正直に言うと内羽根ストレートチップとUチップとサイドゴアブーツが欲しいです。

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