三つ子の魂百までも(番外編)14 4 ボーン 2023年6月11日 20:24 14事務所に着いた後も、裕美は熟慮していた。時刻は、まだ16時前である。叔父の伊東は、浮気の調査に出掛け、直美は弁護士との打ち合わせみたいだ。浮気の調査は、離婚を前提にして捜査するのは多くの証拠が必要となる為、時間が掛かる。「公ちゃん、こっちに来て!」と、命令口調で呼んだ。「何でしょうか?」と、直立不動の公一。「此処に座りなさい!」椅子を差し出す裕美。裕美の真剣な眼差しが公一に、裕美のオーラを感じさせている。裕美の物凄いエネルギーの波動が、公一に伝わったみたいだ。「いい、私の言葉を真剣に聴くのよ。今度の土曜日が、私達に取っての真剣勝負よ。これに負けたら、悪霊が公ちゃんに取り憑くからね。覚悟を持って臨むのよ」と、とんでも無い事を告げる裕美である。いつもなら、ふざけたボケのツッコミを入れるのであるが、今日の裕美は違った。ふざけたボケは入れる事もできない。「取り憑くって、何ですか?」と、公一の言葉が、泳いでいる。裕美は、少し間を置き言った。「ポルターガイストを起す様な霊は、何らかのメッセージを発信しているのよ。普通の霊とは違うの、解る?」「解らないです、・・・。よく観るホラー映画みたいな事が起きるのですか?・・・」と、公一の言葉が段々と小さく弱々しく怯えている。「そうね。起こるかも知れないわ。でも・・・」「でも・・・・って、後の言葉は何ですか?」と、公一の言葉は、少し泣き声。裕美は、考えているのか、それとも、もったいぶっているのか?次の言葉を発してはくれない。気になる公一は、さらに聞いた。泣き声で。「なんなんですか?早く言って下さいよ。」「まあ、その時解るでしょ。私が居るから大丈夫よ」と、裕美の声が急に軽くなった。そして、表情も明るい。不安がる公一を見る事が出来て裕美は満足の様子だ。……一体、なんなんだ!……訝りながら公一は自分のデスクに戻って行った。「私が本当の事を言ったら、公ちゃんが怖がって部屋に行くのを嫌がるから言わないのよ」と、公一の背中に声を掛ける裕美であるが、小声であるため公一には届いていないそして、運命のその土曜日がやってきた・・・。https://note.com/yagami12345/n/naf9b665cab87 ダウンロード copy #小説 #創作大賞2023 #連載 #どうでもいい話 #霊感 #売れないKindle作家 #ミステリー部門 4 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート