月に帰るか!かぐや姫(400字の小説)
「お爺様お婆様。私は今夜、月に帰らないといけません
私を育てて頂き有難う御座います
この御恩は、一生を忘れる事は出来ません」
と、涙の表情が、かぐや姫の心痛を表している
「大丈夫だ、姫よ。そなたを誰にも渡さない!
強者の兵も多勢来ておる安心しておくれ」
と、爺さんは自信の面構えだ。
婆さんは、かぐや姫に寄り添い肩を抱きしめる
だが、かぐや姫の表情は暗く切ない
「お爺様、私は帰らなければならないのです。お許し下さい。」
「何故なのだ?姫よ。そなたに此処に居て欲しいのだよ。
何か帰らなければならない事情が有るのかい?」
と、訝しがる爺さんの言葉に答える事なく
かぐや姫は、下を向く。
涙は頬をつたい、床に溢れ落ちる。
そして、静かにかぐや姫は言うのである。
「月から来て今までは楽しかったのですが・・」
と、口ごもるかぐや姫
「楽しいじゃろう、地球は良い所だろ」
「でも私・・」
かぐや姫は、小声で口ずさむ
「🎵地球の男に飽きたところよ。」
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