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近くは見えないの?(250字の小説)

「一人でいるのは寂しい」と君が言った。

「側に誰か居てくれないと、心が沈むわ」
と、更に言う。

「そんな事ないよ。
大勢の人の中にいても、心が通わない時は、孤独だよ。」
と、僕が言う。

「一人だったら、通う心の人も居ないわよ」
寂しげにうつむく君。

「多くの人が側に居ても、心が通うとは限らないよ」
と、もう一度繰り返して僕が言う

「一人だけでもいい
私の心が解ってくれる人が居たら」
と、悲しげな横顔。

僕が側に居るのに!
君には僕の心が解らないのかな?
此処に居るよ、いつまでも居るよ。
君が気付いてくれるまで、側にいるからね。

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