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振り返ると幽霊がいた!(570字の小説)

振り返ると幽霊が居た!
暗い夜道の真ん中に幽霊が居た。
髪を振り乱し凄まじい形相で僕を見ている

だが、僕は男
そんな幽霊に屈しない、頑強に強がる漢。
「何かご用ですか?」
と、平然と聞いてみる。

「貴方は怖く無いの? 私は幽霊ですよ!」
と、不思議そうに聞いて来る
「幽霊なんて怖く無いですよ!」
と、強気な僕。
 「何故、怖く無いの?
  怖がってもらわないと困ります」
 と、悲しげな幽霊

「一番怖いのは、生きている人間です。
何をするか解らない。
死んだ幽霊なんてたかが知れてますよ。
怖くても大した事無いですよ」

「でも、呪いますよ、幽霊は!貞子知ってますか?
怖いですよ、呪われると!悲惨な死に方をしますよ」
と、怖さをアピールする幽霊。

「いくら貞子に呪われたって、
人類全部を呪ったりしない。
殺したりはしない。
生きている人間は、
人類を滅亡させる
兵器を平気で使います。
一番怖いのは生きている人間ですよ。
死んだ幽霊なんて、たかが知れてる。
全然怖く無い!」
と、幽霊に言ってやった。

幽霊は悔しそうに、また残念そう
すごすごと消えて行った。

…幽霊に勝った…と心で叫んだが、
僕の体の震えは止まらない。

だが、僕は恐怖に打ち勝った
幽霊に意見してやった!
幽霊なんて怖く無い!

怖いのは、他人の命を粗末に扱う
生きている人間だ!
生きている人間に悪魔が潜んでいる!
この事だけは、忘れないで下さいね。

#超短編小説

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