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三つ子の魂百までも番外編(13)


13

事務所への帰り道で
「公ちゃん、さっきの大島さんの言葉、可笑しく感じなかった?」
と、突然聞いてきた。
「何処がですか?別に何とも思わなかったけど。強いて言うなら、
私をイケメンと言ってくれたところですかね。
まあ、真実ですが。本人を前にして言うのは、ちょっと照れがあってもいいかなと思っていたのですが」

公一の言葉を聞いた、裕美は、ため息をつくばかりであった。

帰りの電車の中では、裕美は話す事もせず、瞑想するかの様に、瞼を閉じていた。
公一は、ただ眠っていた。欠伸もしている公一である。

裕美は、大島の部屋で感じていた事を確認するかの様に、
想い出していた。
……あの部屋には、異様な感じは無かった。何故だろう。
夜になると現れるのであろうか?ポルターガイストを起こすほどの強い力を持つ霊ならば、痕跡が残る筈なのに?
でも、私もポルターガイストの霊には、まだ会った事も無いから、その様な痕跡は無いのかも知れない。 今度の夜が勝負ね。
絶対に見つけてやるわ。
それと、大島さん・・・・。………
裕美が真剣な思いを巡らしている時に、隣から公一の小さな寝息が聞こえてきた。
それを可愛く感じる裕美であったが、
その音がいびきに変わった時、
……何で熟睡してるの!ど突いたろうか!……と言う気持ちに変わる瞬間でもあった。

(そういえば、遠くで汽笛を聴きながら と言う歌がありましたね。
今回は、近くでいびきを聞きながら ですね)

https://note.com/yagami12345/n/na87a5d73ac64

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