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本を読むモチベーションが劇的に上がる!!魔法の本『本を読む人だけが手にするもの』がすごい。。。

これから先の日本社会では、「本を読む習慣がある人」と「そうでない人」に二分される

「そんなバカな…」という感想を持たざる得ない裏表紙で始まるこの本は、「本を読む」ということに一点集中して書かれている。

私自身高校生くらいまでは、朝の読書時間があったりと半強制で読まされる時間があったから本を読んでたけど、大学以降は全然読んでなかった。(全く読まないという訳でもなかったが、年間2~3冊くらいだったと思う)

しかし、この本には年間300冊読めば、あなたは変われるということがはっきり書かれている。数字マジックなのか、なんと分かりやすい目標だろうと思った。ただ物事を継続させる為にはそれを続ける確かな理由が必要だ。

「読書」は自分の大切な時間を賭してまで続ける意味のあることなのか?その確固たる理由が、この本にはマクロな目線・ミクロな目線で記されている。

この本は読み手によって価値が変わる本だと思う。この本を読んで何かを得られる人は、以下の②と③の人。①の人は読まなくていいと思う。

①本を継続的に読んでる人、読む習慣がある人。⇒読んでもあんま意味ない

②本を読まなきゃな~と思っているが、習慣になっていない人。(昔のボク)⇒めっちゃ意味ある

③本を全く読まない人。⇒めっちゃ意味ある

昔のボクと同じように、なんとなく本の有用性は分かっていて、本を読まなきゃな~と思ってるが、なんだかんだ時間が取れずあんまり読めていない、という人に是非おススメしたい!!

https://www.amazon.co.jp/%E6%9C%AC%E3%82%92%E8%AA%AD%E3%82%80%E4%BA%BA%E3%81%A0%E3%81%91%E3%81%8C%E6%89%8B%E3%81%AB%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%82%E3%81%AE-%E8%97%A4%E5%8E%9F-%E5%92%8C%E5%8D%9A/dp/4534053177


以下簡単に良かったとこをちょちょちょっと。

成熟社会での人の在り方

これまでの日本は成長社会。(著書では20世紀型とよばれる)みんなに幸せのなんとなくの定義があり、それを追い求めていた。

具体的には勉強していい大学に入り、いい会社に就職して、頑張って働く。結婚して子供を持ち自分の家を持ち、定年を迎え退職金をもらって、のんびりした余生を過ごす。そんな人生。

人生は国家と社会がつくってくれるもの、そのレールに如何に乗っていくかが、多くの人が追い求めていた幸福論であると書かれている。

しかし、現在の成熟社会(技術が発達し、何もかもが身の周りにある時代)では、ひとりひとりが自分の幸福論を生み出さなければならない。自分の人生の幸せの定義は自分で決めろということだ。今では当たり前になりつつある考え方かもしれないが、作者である藤原さんは23年前1997年に発行した『処生術』という本で既にそのことに言及されている。

「それぞれ一人一人」の幸福を掴むための軸となる教養は、自分で獲得しなければならないと。そのためには読書が欠かせないと主張している。



「本を読む」こと無しには自分の意見が出てこない

本の中である実験の話が題材にあがっている。学生を本を読む習慣がある人と無い人で複数人用意し、レポートの書き方を比べるというもの。(ざっくり書いていますが、もっとしっかりした実験です笑)

その中で、本を読む習慣のある学生は、レポートを書く際、自分の足で図書館に向かい、関係のありそうな本を調べてレポートを書いた。

その他の学生は、ネットの記事をよんでレポートを仕上げた。

結果、前者のレポートは論理立てた構成になっており、さらに自分の意見を反映させたレポートになったという。

後者のレポートは一見それなりのことが書いているように見えるが、筋道が通ってなく、自分の意見が全く反映されていないものになった。(大学時代コピペ常習犯だった私は身に覚えがあり過ぎました笑)

ここで重要なことは、自分の意見を持つということ。

前者の学生がやったように関係のありそうな様々な本を読むことで物事に対する全体像が見え、自分の意見を出しやすくなるというのだ。

逆に後者はネットで検索をするので、自分の検索したいことしか情報が出てこない。

自分の中で思いつくワードをもとに検索していくインプットの仕方と、自分の中にはない情報も出てくる本によるインプットの仕方。ここに圧倒的な違いがあるという。



人生の50年間で触れ合うべき4つの分野

本を読む理由としてこの本で最もしっくりきた箇所。

筆者曰く、人生において触れ合うべき分野が4つあると。どの分野にどれくらい人生の時間を割り当てていくかで、人生の質が変わってくると。

一つの軸が「個人的な体験」か「組織的な体験」か。もう一つの軸が「リアルな体験」か「メディアを通じた体験」か。それらを掛け合わせ、以下の4つに分類していた。

①「個人的」かつ「リアルな体験」(人との出会い、遊び、仕事)

②「個人的」かつ「メディアを通じた体験」(読書やネット体験)

③「組織的」かつ「リアルな体験」(学校や職場、家族など)

④「組織的」かつ「メディアを通じた体験」(テレビ、新聞などのマスメディア、広告キャンペーンなど)


そしてそれぞれの分野に対して筆者の意見はこうだ。

①「個人的」かつ「リアルな体験」(人との出会い、遊び、仕事)

 ⇒人生において最もインパクトのある強烈な体験。いうまでもなく、自分で経験したことが人生の糧になるのは間違いない。

②「個人的」かつ「メディアを通じた体験」(読書やネット体験)

 ⇒①に次ぐ重要な体験。この本に書かれているテーマでもある。

③「組織的」かつ「リアルな体験」(学校や職場、家族など)

 ⇒得られるインプットはどうしても受動的なものに偏る。学校は会社は強烈なシステム構造を持った組織なので、個人はいやおうなく受け入れるしかない。

④「組織的」かつ「メディアを通じた体験」(テレビ、新聞などのマスメディア、広告キャンペーンなど)

 ⇒この分野が多くなると、広告などによってシステム化された意見に身を置きやすくなり、物事を多面的にとらえることが難しくなると。テレビに映るコメンテーターの言葉をまるで自分の言葉かのように錯覚してしまう。


結論として、①を経験するのが最も良いが、人生には限りがある。だから②を通して他者の経験を取り込んでいくのが大切だと。

特に読書は著者の脳のかけらを自分の頭の中にインプットすることだから、とても有意義な選択だ主張している。(じゃーネットでもいいじゃないかと思うかもしれないが、ネットよりも本の方が良い理由もしっかりと書かれています。



さいごに

読書に対して著者の経験を取り入れるという考え方はしたことが無く、読書に対する価値観が変わった。一方でこれは読書だけにとどまらず、これから自分が触れるコンテンツすべてに通用する考え方なのではないかとも思った。

例えば漫画というコンテンツに触れたとき、それがいかに創作の世界であっても、他者の経験を取り入れるという考え方をすることで、得られる価値が変わってくるのではないかと。

去年漫画『キングダム』を「いま最も売れてるビジネス本」というキャッチコピーで言い換えた広告があった。

「(ある程度史実に基づいてはいるがあくまで)創作の住人である登場人物」=「他者」ととらえ、「その世界で巻き起こる出来事に対する登場人物たちの生き方や決断、成功、失敗」=「他者の経験」と捉えなおしている。(その上で何千年も前の時代⇒現代に置き換えたらどう見えるかという挑戦もしている)

つまり他者の経験を自分の経験として取り入れよう、という考え方をしていないと、上記のようなビジネス本に置き換える発想は出てこないんじゃないかと。


また読書には孤独に耐える力が必要とこの本では述べられている。

他者と過ごす時間が思考を広げ、ひとりの時間が思考を深める。よく名言的な立ち位置で近しいことを、誰かが発言しているのをTwitterなどで見かける。

ただ意外と気づけない(というか心構えをしておかなければいけない)ことは、ひとりの時間は孤独であるということなんじゃないだろうか。「ひとりの時間は孤独」とは何とも当たり前のことですが笑

ひとりの時間はとても寂しい、とても不安で、時間を忘れるぐらい集中できればいいが、没頭するまでには時間が掛かる。これでいいのか、こんなことをしていても良いのか、だれかと会いたい、繋がりたい。
そんな深層心理にある不可避の欲求が、意図せずスマホに手を伸ばさせる。スマホを開けば、SNSを開けば一瞬で誰かとつながることができるから。そしてそれが集中を途切れさせる。コンテンツを十分に享受できない。負のスパイラルに陥らせる。

ボクがそうであるように、本でも読むか~、映画でも見るか~という軽い気持ちで始めたことが、自分を孤独に陥らせるという危機感を持つ人はあんまりいないだろう。あらかじめ孤独になりにいく、という心構えさえできていれば集中力を切らすことなくコンテンツに没頭できるのではないだろうか。

限られた人生の中で、さらに限られたひとりの時間をどう使うかは自分次第。

この本はただの読書推進本ではなく、そんな人生の指南書の役割も果たしているので、ぜひご一読の価値ありです。

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