見出し画像

ヨシタケシンスケ『このあとどうしちゃおう』は高齢者に読んで欲しい

ヨシタケシンスケの読書その第2弾。『このあとどうしちゃおう』(ブロンズ新社)。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4893096176/
 亡くなった祖父のノートを見つけた孫の男の子。そこには祖父が思い描く死後の世界が綴られていた(大人が読みやすいように総ひらがなを漢字混じりにした)。
①この後の予定(魂の離脱→天国→生まれ変わりセンター)
②天国に行くときの格好
③生まれ変わったらなりたいもの
④こんな神さまにいて欲しい
⑤天国ってきっとこんなところ
⑥いじわるなアイツはきっとこんな地獄に行く
⑦こんなお墓を作って欲しい
⑧みんなを見守っていく方法
⑨みんなに作って欲しい記念品
どれも楽しく愉快なアイデアがいっぱい。ここで孫は考える『お祖父ちゃんは本当は死ぬことが寂しかったり怖くて、わざとこういう楽しいことばかりをノートに書いていたのでは?』と。お父さんに相談したら「自分で考えてみることはいいことだ」と言われたので、自分もマネしようとしてノートを買いに行く。その途中で『生きているうちにやっておきたいことがいっぱいある』と気がつく。
 ヨシタケシンスケが「死」をテーマに選んだ絵本。しかし読んでいて、ホッコリ楽しい。絵もとってもかわいらしい。こんな風に死をとらえたら素敵だろうなと思う。全国の高齢者に読んで欲しいと思う。気が楽になると思う。そして賢い孫だ。出した結論に感動。そして孫の出した答えは、残り少ない寿命を生きている高齢者にとっても真実なのである。どんな絵本よりも、そして聖書すらブッ飛ばすくらいの福音書である。尚、おまけにリーフレットが挟まっていて、母と子のどちらかが先に死んだらどうするか?という問答があり、それぞれの出した答えにも癒される。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?