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NHK-BS「コウラン伝・始皇帝の母」

NHKBSプレミアムの中国歴史ドラマ「コウラン伝・始皇帝の母」(全34回)が完結。大人気漫画「キングダム」でも活躍している秦王・嬴政の母親の波乱の一生を描く。嬴政と母親は末は複雑な関係に至ったとされている。
https://www.nhk.jp/p/kouranden/ts/6J6GQJ3Q64/
 趙の名家の娘でありながら継母に家を追われた李皓鑭。しかし商人の呂不韋に救われ、惹かれあう。李皓鑭は宮廷に入って、数多の苦難にもめげずに凛として生き抜く。二人は趙の国で囚われていた秦王の息子である嬴異人を救い出し、秦に脱出する。秦王となった子楚(嬴異人)の王妃となった李皓鑭、秦の重臣である相国となった呂不韋。秦王宮の激しい権力闘争を智恵と勇気で生き抜いてゆく。
 正直あまりに李皓鑭がアクが強いキャラクターで、最初は観ているのが辛かった。そして宮廷における女性の権力争いのシーンが多かったことも辟易した。当初の登場人物が多過ぎて覚え切れなかったことと、戦闘シーンが少なかったことは辛かった。やっぱり男は合戦シーンが好きだから。それにしても宮廷美女たちの争いは凄まじい。特に趙の王女である雅王女の毒女ぶりは突出しており、陰の主人公として圧倒的な存在感。蠱毒のような執念深さの一方で、愛を求めて彷徨う女の哀しさを体現する。ここでは登場する男たちの魅力が番組を支えている。商魂逞しく、野心に溢れる呂不韋。知的で懐深い嬴異人。どちらもイケメンにして、素晴らしい声。そして寵を競う女たちの願いは、夫からの真実の愛であることがほとんどであることは、いと哀れ。

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