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八木沢里志「純喫茶トルンカ しあわせの香り」

八木沢里志「純喫茶トルンカ しあわせの香り」(徳間文庫)。電子書籍版はこちら↓

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「純喫茶トルンカ」の続編第二弾。谷中の路地裏に潜む昔ながらの喫茶店。マスターの淹れる珈琲はまさに絶品。娘の雫は自らを「看板娘」と称して、お店を明るく盛り立てる。訪れる人たちは、この場所で心の痛みや傷を癒やしてゆく。喫茶店トルンカで行われた映画のロケを巡るエピソード(1️⃣2️⃣)。そじて旅立ちの歌(3️⃣)。どれも涙なしでは読めない人生の栞。

1️⃣午後のショパン

・「再会とは、人生における一番身近な奇跡である」。80代のトルンカの常連客の千代子。彼女には忘れられない思い出の人がいた。老い先短い命『もう一度だけあの人に会いたい』。そんな彼女にショパンが繋いだ奇跡が訪れた。

2️⃣シェード・ツリーの憂鬱

・シェード・ツリー、それは直射日光を嫌うコーヒーの木を日陰にするため植えられるバナナやマンゴーなど高く育つ樹。浩太は雫の姉・菫から最期の頼みとして「雫のシェード・ツリーになって」と頼まれる。そんな浩太が、バレーボール部で虐めを受けた後に、突然訪れたアンビリーバブルなアヴァンチュール。

3️⃣旅立ちの季節

・学生時代の恋人だった宇津井とバッタリ再会した常連客のイラスト画家・絢子。鬱病で失職した彼を、バイトが辞めたトルンカに就職斡旋して、母親が亡くなってひとり暮らしだった一軒家に同居させる。ただの友だちでもない、かつての男女でもない関係。しかし絢子は仕事でアニメっぽいイラストを要求されたストレスで倒れる。


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