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キングダム64、できる部下を持つ上司

原泰久「キングダム64」。電子書籍版はこちら↓
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 趙を攻める秦は、断崖絶壁の影丘を飛信隊が攻め落としたことで劣勢に一矢報いた。しかし中央戦線では桓騎軍は劣勢で退却を繰り返していた。躍起になって桓騎を討とうと深追いする趙軍だが見つからない。桓騎将軍は敵将・扈輒に孫臏の罠を仕掛けていたのだった。見事な逆転勝利をおさめた秦軍だったが、その戦後処理に秦王・嬴政が激怒する。
 新たに六将に任命された桓騎だが、戦の天才である反面で、怒りに身を任せて、後世の歴史に残るほどの捕虜への残虐性を発揮。中華統一を夢見る嬴政としては、趙を含めた各国の反発と怖れは許せず戦場へ詰問に走る。しかし不遜な態度の桓騎を屈服させることはできない。逆に戦いを起こした嬴政の罪深さを指摘。更に投降した捕虜の数が秦軍をはるかに上回る人数だったという危険性も孕んでいた。できる部下の功績と規律を乱す統治のバランスに悩む秦王。まさにビジネスマネジメントの世界。そこに寄り添う飛信の姿は、夢をかなえるためには理屈や数字だけではなく、真に信頼できる仲間が必要なことも表している。そして捕虜処刑でBC級戦犯となった父を持つ自分としては、桓騎将軍の10万人処刑は黙って読み過ごすことのできない箇所である。

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