喧嘩するほど仲がいいなんて嘘っぱちだ
年の差5歳の私とメガネ君。
お付き合いしてから12年が経つが、1度も喧嘩をしたことが無い。
周りからいつも楽しそうで微笑ましいと言われる仲良しカップルである。
といっても、不満が生まれないわけではない。
育ってきた環境が違うのだから、お互いに違う価値観を持っている。当然なのだ。それは仕方がないこと。
私とメガネ君の間で喧嘩はないとは言っても「最近こういうことがちょっと不満です」というようなお話し合いはごくごくたまにある。
大体それを言い出すのは私だが、メガネ君は「そうだったのか、今後気をつけるね」と言って、できることは改めてくれる。
本人にはどうしようもないことは、一応不満を持っていることだけはやんわりと告げておく(例えば仕事が忙しすぎて全然会えないとか)。
私が何も感じていないと思われるのだけは避けたいからだ。
そうすることで、彼が何かを選択する場面で迷った時に「そういえば、やえはこれが嫌だと言っていたし、違う方を選ぶことにしよう」と、参考程度には考えてくれるようになる。
それを積み重ねて、よりお互いが一緒に過ごしやすい環境を整えていくのだ。
イメージとしては「すり合わせ」である。
メガネ君が優しいおかげか、私が指摘をされることはほとんどないが、少しでも思うことがあればすぐに言ってねと度々言うようにしている。
もしかしたら、メガネ君は私が気づかないうちにうまいこと私を操作しているのかもしれないが、それならそれでいい。
私のストレスにならず、メガネ君にとって居心地のいい環境になっているなら、それに越したことはないのだ。
これはメガネ君に限ったことではなく、私がこれまでにお付き合いをしてきた男性達と、ほとんど喧嘩をしたことがない。それは恐らく、私の考え方が大きく影響しているからではないかなぁと考えている。
「喧嘩するほど仲がいい」なんて嘘だと思っている。
仲が良ければ、そもそも喧嘩になんてならないじゃないか。
前述したように、意見のすれ違いはある。
しかし、罵声を浴びせたり、威圧するように怒鳴り声をあげたり、愛している人に対してそんなことをする理由は何? 嫌われたいの? コントロールしたいの? と問いたい。
これは男女問わずだ。
以前、いい雰囲気になった殿方から〈束縛+抑圧〉をされたことがある。
私は元々そういうのが我慢ならないタイプなので、速攻で距離をとった。
あのままお付き合いするようなことが万一にでもあったら、私はきっと今のような価値観ではいられなかったかもしれない。
からかうように罵声を浴びせてきたその男性に「普通に不快なんだけど、何がしたいの?」と聞いたことがある。
「うるせえ!」としか答えられなかった彼は、きっと私がコントロールできる女がと考えていたのだろう。予想外に反発されてかなり動揺しているように見えた。
私は彼の毒牙が他の女性に向かないことを祈りながら、なんの未練もなく連絡を断ち切った。
恐怖で相手をコントロールするのは愛ではない。
ただ自分が一番可愛いだけだ。
相手を心から愛し、幸せを願うなら、そんな行動に出ることはない。
なにより大切なことは、互いが歩み寄ることだと考える。
どちらか一方が我慢をするのではなく、視点を変えることで、互いの立場から物事を考えることができれば、相手を傷つけたり自分が苦しい思いをすることなんてほとんどなくなるのだ。
「そんな綺麗事を」という人もいるかもしれない。
いいじゃない別に。せっかく想いあえたパートナーと仲良く楽しく過ごせるのなら、綺麗事を傘にして、2人で困難を振り払えばいい。
メガネ君は超現実主義だからこんなことを言ったら鼻で笑われるが、私だけでも気楽にそういう気持でいれば、なんとなく全てがまる~く収まるのです。
そうやって私達は、うまいこと仲良くやってきています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?