倉橋由美子『夢の浮橋』おぼえがき その一
八月に小学館P+D BOOKSから倉橋由美子の『夢の浮橋』が復刊された。P+D BOOKSは紙の書籍と電子書籍を同時に復刊していくことを目的に創刊されたレーベルである。公式サイトに「絶やすな。昭和文学の火を」と掲げられているように、昭和時代に発表された作品を中心に据えているところに特色がある。紙の書籍はかなり簡素なつくりだが、おそらくこれは紙書籍と電子書籍の値段に差をつけるのが難しい日本の慣例のなかで、電子書籍の値段をできる限り抑えるための苦肉の策ではないかと思う。読書スタイ