倉橋由美子『夢の浮橋』おぼえがき その一

八月に小学館P+D BOOKSから倉橋由美子の『夢の浮橋』が復刊された。P+D BOOKSは紙の書籍と電子書籍を同時に復刊していくことを目的に創刊されたレーベルである。公式サイトに「絶やすな。昭和文学の火を」と掲げられているように、昭和時代に発表された作品を中心に据えているところに特色がある。紙の書籍はかなり簡素なつくりだが、おそらくこれは紙書籍と電子書籍の値段に差をつけるのが難しい日本の慣例のなかで、電子書籍の値段をできる限り抑えるための苦肉の策ではないかと思う。読書スタイルの選択肢を増やしつつ、より広い読者層にアピールしようとする試みとして貴重な試みである。

応援の意味もこめて紙書籍と電子書籍の両方を購入したのだが、以前から気になっていたことがひとつあったので、この機会にちょっと調べてみることにした。

それは、倉橋由美子がどれくらい加筆修正をしているのかということだ。倉橋といえばその文章は硬質とか理性的と言われることが多く、実際読んでいても弛緩したところが一切感じられないので、なんとなく最初から完璧に近い原稿を書いていて、ほとんど手直しをすることはなかったのではないかと思っていた。

初出のコピーを手に入れて読み比べてみた。詳しいことは後回しにすることにして、結論から先にいうと、結末近くでかなり長い(P+D BOOKS版で10ページほど)の加筆が見つかったほか、全体にわたって細かい手直しが加えられていた。また、ひとつ問題が見つかった。文庫化や今回のような新版の際に、作者の意図せざる変更が生じている可能性が高い箇所の存在である。

作品の履歴を簡単に紹介しておこう。『夢の浮橋』は中央公論社の文芸誌「海」で1970年7月号から10月号まで連載され、1971年5月20日に単行本が中央公論社から刊行された。その後、1973年10月10日に中公文庫、2009年8月25日に中公文庫改版、2017年8月13日に小学館P+D BOOKS版が刊行された。このうち初出と単行本は旧字旧かなづかい、中公文庫以降の版では新字新かなづかいとなっている。

チェックはまず初出とP+D BOOKSを比較する形で進めた。先ほども延べたとおり加筆修正のチェックが目的だったので、最新の版で充分だと思ったからである。詳細は巻末の異同をご覧いただきたい。最初に引っかかったのは「申上げる」が「申し上げる」になっていたことだった。漢字をかなに、あるいはかなを漢字に変更することはまだしも、かなの送りを変更するものだろうか。

そこで、異同が見つかった箇所について、単行本もチェックしてみた。すると初出と単行本では変更のない箇所があった。文庫版以降で変更されたと考えられる。中公文庫旧版は倉橋の生前に刊行されているので、倉橋がチェックしていると考えていいだろう。通常ならこの版を底本にすれば問題はない。

だが、次の箇所はどうだろう。

「さあ、行かうぜ」と前田がいつたが、仲間の學生は前田と桂子をみくらべてにやにやしながら動かうとしないので、前田は桂子に片眼をつぶつてみせて、
(「海」1970年8月号 p.157 下段 l.15-17)
「さあ、行こうぜ」と前田がいったが、仲間の学生は前田と桂子をみくらべてにやにやしながら動こうとしないで、前田は桂子に片眼をつぶってみせて、
(『夢の浮橋』中公文庫 p.66 l.13-14)

一読して後者では意味が通らないことはおわかりいただけるはずだ。これは文庫版で発生したミスだろう。(なお、同箇所は単行本では p.71 l.3-4、P+D BOOKS版では p.77 l.7-8 である)

となると他の文庫版で変更された箇所も倉橋の意図ではない可能性が高い。そもそも旧かなでの発表を望んでいた倉橋が新かなに変更されてしまう文庫版に手を加えることは考えにくい。最低限のチェックだけして、ミスは見逃されてしまったのではないだろうか。

また、P+D BOOKS版で生じた変更もある。単純な誤植もあったが、問題なのは括弧の位置がちょうど行頭にきている箇所だ。段落が続いているとみなさずに改行と判断してしまったらしい。中公文庫版を見ればわかるが、改行した場合とそうでない場合の行頭の括弧の位置はわずかに違う。

(『夢の浮橋』中公文庫版 p.210 l.13-16行頭部分拡大)

新しい版が刊行されることはファンにとっては悦ばしいことだが、そのテキストが少しずつ変質していってしまう可能性もあることは覚えておかなければならない。

異同の調査が予想外に長くなってしまったので、稿を改めることにする。

ちなみに初出と一緒に掲載誌の目次もコピーした。同時期に掲載された作品を確認したかったからだ。主なところだけ拾ってみたが、その充実ぶりに驚く。

「海」七月号(夢の浮橋 第一回一〇〇枚(嵯峨野 花曇り) pp.10-41)
宇野千代「天風先生座談」、クロード・シモン(インタビュー:清水徹)「ニューヨークでの衝撃」、島尾敏雄「ヤポネシアと琉球弧」、特集「奇想と迷宮——マニエリスムの復権——」(土岐恒二「明晰な錯綜」、E・R・クルチウス「マニエリスム論」、G・R・ホッケ「ことばの錬金術」、ホッケ・種村季弘対談「現代の秘教」)、辻邦生「背教者ユリアヌス(十三)」、武田泰淳「富士(十)」、渡辺一夫「世間噺・マルゴ王妃(五)」、劇評:金井美恵子、高橋康也:書評
本文カット:宇佐美圭司・爽子

「海」八月号(夢の浮橋 第二回一〇五枚(光る風 五月闇 雲の峰) pp.153-189)
水上勉「宇野浩二伝」、佐木隆三「足を踏みはずした猫」、特集「幻想とユートピア」(青木保「幻想と現実」、K・ケレーニイ「ユートピアの原義とその変遷」、A・ドーレン「願望空間と願望時間」)、辻邦生「背教者ユリアヌス(十四)」、武田泰淳「富士(十一)」、渡辺一夫「世間噺・マルゴ王妃(六)」、劇評:金井美恵子、出口裕弘:書評
本文カット:合田佐和子

「海」九月号(夢の浮橋 第三回九〇枚(中秋無月 花野) pp.144-175)
野口武彦「雪の客」、島さち子「みんな幽霊になった」、吉本隆明「国家と宗教のあいだ」、ル・クレジオ「否定の英雄 ジャック・リゴー」、特集「放浪への衝動」(R・デヴィズ「車輪象徴と仏教的流転」、松田修「日本人の旅意識」)、辻邦生「背教者ユリアヌス(十五)」、武田泰淳「富士(十二)」、渡辺一夫「世間噺・マルゴ王妃(七)」、劇評:金井美恵子、出口裕弘:書評
本文カット:黒田征太郎・小林美奈子(「夢の浮橋」は黒田征太郎)

「海」十月号(夢の浮橋 最終回一一〇枚(霜夜 松の内 風花 華燭 夢の浮橋) pp.256-295)
大原富枝「鬼女誕生」、吉田健一「人の中」、中井英夫「見知らぬ旗」、塚本邦雄「紺青のわかれ」、大久保喬樹「批評の危機」、辻邦生「背教者ユリアヌス(十六)」、武田泰淳「富士(十三)」、渡辺一夫「世間噺・マルゴ王妃(八)」、劇評:金井美恵子、出口裕弘:書評
カット:金子國義・金井久美子(「夢の浮橋」は金子國義)

・倉橋由美子『夢の浮橋』異同
初出→P+D BOOKS版
第一回 p.11下段 l.12-13「要求からすれば完璧ではない」→p.7 l.9-10「要求に照して完璧でない」
第一回 p.11下段 l.19-10「みたことがないはずだつた」→p.7 l.14「みたことがないのだった」
第一回 p.12上段 l.7「京都へ來たのは」→p.8 l.5「京都に来たのは」
第一回 p.12上段 l.8「京都へ來たので」→p.8 l.5「京都に来たので」
第一回 p.12下段 l.2「讀んで」→p.8 l.16「読まれたので」
第一回 p.12下段 l.8「いまの體の」→p.9 l.4「この体の」
第一回 p.12下段 l.17「通りすぎる」→p.9 l.10「通り過ぎる」
第一回 p.13上段 l.1「まちがひなかつた」→p.9 l.16「間違いなかった」
第一回 p.13上段 l.20「直觀」→p.10 l.13「種類の直観」
第一回 p.14上段 l.5「ないでせう!」→p.12 l.2「ないでしょう?」
第一回 p.14上段 l.6「申上げる」→p.12 l.3「申し上げる」(※文庫版以降の変更)
第一回 p.14下段 l.13「柔らかくなつて、」→p.13 l.11「柔らかくなった。」
第一回 p.15下段 l.16「好みの問題に」→p.15 l.12「好みに」
第一回 p.16下段 l.18「そして薄く」→p.17 l.15「そして肌は薄く」
第一回 p.17上段 l.7「なりますの」→p.18 l.8「なってくるの」
第一回 p.17上段 l.17「蠶のやうに」→p.18 l.16「蚕の形で」
第一回 p.17上段 l.17「しながら亂れた」→p.18 l.16「しながら、乱れた」
第一回 p.17下段 l.11「息のやうな」→p.19 l.12「息に似た」
第一回 p.19上段 l.10-11「熱くなり、」→p.22 l.10-11「熱くなったが、」
第一回 p.19上段 l.22「妄想の殘った頭では、」→p.23 l.2-3「妄想の残った頭は、」
第一回 p.20上段 l.15-16「體が融けて意識のなかに吸ひこまれて」→p.14「体が意識のなかへ融けて」
第一回 p.20上段 l.16「單一の」→p.24 l.15「霊肉無差別の単一の」
第一回 p.20下段 l.3「桂子のままで、」→p.25 l.5「桂子で、」
第一回 p.20下段 l.4「點ててくれた」→p.25 l.5「上手に点ててくれた」
第一回 p.21下段l.9「ちがつて」→p.28 l.4「違って」
第一回 p.22上段l.3「あつたの。」→p.29 l.1「あって、」
第一回 p.24上段l.6「全共鬪準備委員會の」→p.33 l.4「全共闘準備委員会が」
第一回 p.24下段l.6「ひとごとのやうないひかただつたが、ひよつとすると」→p.34 l.5「ひょっとすると」
第一回 p.25下段l.2「たぶん反對はされるでせうがね」→p.36 l.1-2「反対されるかもしれませんがね」
第一回 p.25下段l.6「『結果を報告』」に」→p.36 l.5「結果を報告しに」
第一回 p.26上段l.4「餘計なことを」→p.37 l.4「余計なことは」(※文庫版以降の変更)
第一回 p.26上段l.7「三村瑛子に」→p.37 l.6「女の子に」
第一回 p.26上段l.18「車にも醉はないわ」→p.37 l.15「かえって車にも酔わないわ」
第一回 p.26下段l.4-5「眼を細めて圭介に笑ひかけた」→p.38 l.6「眼を細めて笑いかけた」
第一回 p.26下段l.19「慇懃にしてゐるわ」→p.39 l.1「慇懃にしていますわ」
第一回 p.26下段l.22「圭介とのあひだでは」→p.39 l.2「圭介のまえでは」
第一回 p.26下段l.22「安心してみせるほかの人間に」→p.39 l.2-3「安心してみせる、ほかの人間に」
第一回 p.27上段l.15-16「らつしやいますこと」【改行】と乾杯の」→p.39 l.14「らっしゃいますこと」と乾杯の」
第一回 p.27上段l.18-19「ひとりではなかつたわ」→p.39 l.16「ひとりではありませんでしたわね」
第一回 p.27上段l.20「さうすると」→p.40 l.1「しかしそうすると」
第一回 p.29上段l.4「友人の麻紀子と」→p.43 l.9「友人の橋本麻紀子と」
第一回 p.29上段l.6-7「ついて行つたのだった」→p.43 l.10-11「ついて行く気になったのだった」
第一回 p.29下段l.7-8「讀みこなせないやうで自信がなくなりました」→p.44 l.12-13「読みこなせないようで、自信がなくなりました」
第一回 p.30下段l.16「結婚させちやひなさいよ」→p.47 l.2「結婚しちゃいなさいよ」
第一回 p.30下段l.16-17「卒業するまへだつて」→p.47 l.2「卒業まえだって」
第一回 p.30下段l.19「かれもあなたも」→p.47 l.4「彼もあなたも」
第一回 p.31上段l.2-3「ございます」【改行】と頭を下げた」→p.47 l.8「ございます」と頭を下げた」
第一回 p.32下段l.10「眼が會つたとき」→p.51 l.1「眼が合ったとき」(※文庫版以降の変更)
第一回 p.33上段l.11「どうせだれかと」→p.52 l.2「いずれはだれかと」
第一回 p.33下段l.6「聲と容姿端麗とエスプリだけで」→p.52 l.14「声と容姿端麗と頭だけで」
第一回 p.33下段l.15「奥様時計」→p.53 l.4「奥様時評」
第一回 p.33下段l.16「宮澤みつ子」→p.53 l.5「宮沢三津子」
第一回 p.34上段l.5-6「一見男らしい顔」→p.53 l.12「一見豪放そうな顔」
第一回 p.34上段l.8「気がした。」→p.53 l.14「気がした。九州の男である。」
第一回 p.34上段l.10「男になる」→p.53 l.15-16「男になるかもしれない」
第一回 p.35上段l.13-14「胸につかへるやうだつた。「花冷えね」と」→p.56 l.2-3「胸につかえるようだった。【改行】「花冷えね」と」
第一回 p.35下段l.12「ころがしてゐれば」→p.57 l.1「ころがっていれば」
第一回 p.37上段l.7「冷たい雨の窓」→p.60 l.1「雨の窓」
第一回 p.37下段l.9「それより、ここからみえる」→p.61 l.2「ここからみえる」
第一回 p.37下段l.12「飮みたいのだ」→p.61 l.4「飲むのがいい」
第一回 p.38下段l.23-p.39上段l.1「待てない?」【改行】と母は」→p.63 l.2「待てない?」と母は」
第一回 p.39上段l.2「ついてもつと」→p.63 l.3「ついて、もっと」
第一回 p.39上段l.2-3「話してくれ」【改行】と父が」→p.63 l.3「話してくれ」と父が」
第一回 p.40上段l.13「突きだしてをり、」→p.65 l.14「突きだし、」
第一回 p.40上段l.14「不當處分 粉碎 文學部長室封鎖中」→p.65 l.15「不当処分粉砕! 文学部長室封鎖中」
第一回 p.40下段l.21「ヒッピー的なタイプの學生」→p.67 l.5「ヒッピーかぶれの学生」

第二回 p.153 l.3「體溫がこもつた明けがたは」→p.69 l.2「体温がこもって明けがたは」
第二回 p.154上段l.12「といふより」→p.70 l.6-7「というよりも」
第二回 p.154上段l.13「光つているやうでもあつた」→p.70 l.7「光っている」
第二回 p.154下段l.12-3「澁い葡萄酒色の」→p.71 l.6「渋い赤葡萄酒色の」
第二回 p.157下段l.16「動かうとしないので、」→p.77 l.8「動こうとしないで、」(※文庫版以降の変更。誤植?)
第二回 p.158上段l.17「思ひあたるふしがあつた」→p.78 l.11「思いあたるふしがないでもなかった」
第二回 p.159上段l.20-21「遠ざかつてゐたやうだつた」→p.80 l.14「遠ざかっていたのだった」
第二回 p.160下段l.10「歸つてくれば」→p.83 l.9「帰ってきたのなら」
第二回 p.160下段l.11「さういふことだつて」→p.83 l.10「東京でこっそり桂子と会ってきたということだって」
第二回 p.160下段l.14「そんなに怖いのかね。何が怖いんだ?」→「そんなにこわいのかね。何がこわいんだ?」
第二回 p.160下段l.22-23「似てゐた」→p.84 l.3「似ている」
第二回 p.161上段l.13「ぼくには似てないな」→p.84 l.13「ぼくにはあまり似てないな」
第二回 p.162上段l.6「一週間ほど文子は」→p.86 l.7-8「文子は一週間ほど」
第二回 p.163上段l.10「おびえてみるのか」→p.88 l.12「おびえてみせるのか」
第二回 p.163下段l.4-5「それ以上に」→p.89 l9「それ以上」(※文庫版以降の変更)
第二回 p.163下段l.10「ほがらかなのは」→p.89 l.9「ほがらかなのは、」
第二回 p.163下段l.20「いいでせう」→p.90 l.5「いいですわ」
第二回 p.164下段l.18「あんなのに體がさはると」→p.93 l.1「あんなのが体にさわると」
第二回 p.165上段l.20「このあひだの」→p.94 l.4「きのうの」
第二回 p.166下段l.4「カレラモ」→p.96 l.7「彼ラモ」
第二回 p.166下段l.10「奮闘型の生きかたは、わたしには見苦しく」→「奮闘型の生きかたは、見苦しく」
第二回 p.167上段l.9-10「露骨に拒絶」→p.97 l.11「婉曲に拒絶」
第二回 p.168上段l.11「侵冦」→p.99 l.14「侵寇」
第二回 p.168下段l.22-23「光景を」→p.101 l.6「光景でも」
第二回 p.169上段l.15「屋上からひとりづつ顔を」→p.101 l.15-16「屋上から「投降兵」の顔を」
第二回 p.169下段l.12「凶暴な暴力」→p.102 l.14「兇暴な暴力」
第二回 p.169下段l.12「かれらが」→p.102 l.14「彼らが」
第二回 p.169下段l.19-20「山田が」→p.103 l.4「山田助教授が」
第二回 p.170上段l.3「理事會は」→p.103 l.8「理事は」
第二回 p.171上段l.12「不手際だつたのとで」→p.105 l.14「不手際があったのとで」
第二回 p.172上段l.10-11「追求しませんわ」→p.108 l.1「追及しませんわ」(※文庫版以降の変更)
第二回 p.172上段l.23「夫にはむかない」→p.108 l.10「夫にむかない」
第二回 p.172下段l.20「轉落したやうだつた」→p.109 l.7「顛落したようだった」
第二回 p.173下段l.21「あなたの」→p.111 l.8「耕一さんの」
第二回 p.174下段l.19「もののやうであつた」→p.113 l.8「ものらしかった」
第二回 p.175下段l.17「四月に、母に」→p.115 l.8「母に」
第二回 p.177下段l.13「降りやまぬ霧雨で」→p.119 l.11「降りやまず」
第二回 p.178上段l.19-20「安物の實用品」→p.121 l.2「安物や実用品」
第二回 p.181上段l.11「私も怒りつぽい人間ですが」→p.127 l.11「私も以前は怒りっぽい人間でしたが」
第二回 p.182上段l.18-19「行かなかつたな」【改行】と父がいつた」→p.130 l.1「行かなかったな」」と父がいった」
第二回 p.182下段l.8「母も默つて」→p.130 l.11「母は黙って」
第二回 p.182下段l.9「母はなぜそれを父に話さない」→p.130 l.11「なぜそれを父に話さなかった」
第二回 p.182下段l.20「青竹もいい」→p.131 l.3「青竹がよかった」
第二回 p.185上段l.6「走つたりしないものとして、」→p.135 l.14「走ったりしないものとして仮定していえば、」
第二回 p.185上段l.22-23「女子學生が來るのははじめてだから」→p.136 l.10-11「若い女性のお客さんは珍しいから」
第二回 p.185下段l.3「古い洋館や銀行の建物が目についたから」→p.136 l.13「古い洋館が目につくから」
第二回 p.185下段l.4「街の感じは」→p. 136 l.13-14「街の印象は」
第二回 p.185下段l.4-5「開かれた感じであつた」→p.136 l.14「開かれた空の感じにもあった」
第二回 p.185下段l.21-22「光景は、相手の」→p.137 l.9「光景は相手の」
第二回 p.186下段l.18-19「雲の峰が丘のむかうに聳え」→p.139 l7「雲の峰が聳え」
第二回 p.187下段l.19「文子が」→p.141 l.7「文子は」(※文庫版以降の変更)
第二回 p.188上段l.9「まあそれもいいでせう」→p.141 l.16「まあそれでもいいでしょう」(※文庫版以降の変更)
第二回 p.188下段l.7「ちがひますよ」→p.142 l.14「違いますよ」
第二回 p.189上段l.23「白くて」→p.144 l.9「白いほうで」

第三回 p.146下段l.15「しかしたくない。それが耕一とは」→p.150 l.12-13「しかしたくない。またできるとも思えなかった。それが耕一とは」
第三回 p.146下段l.20「電撃を感じたやうに」→p.151 l.1「電撃を受けたように」
第三回 p.147上段l.10「意外な感じであつた」→p.151 l.10「意外であった」
第三回 p.147上段l.15「年輩の教授でも肩から」→「年輩の教授でも「全共闘」風に肩から」
第三回 p.147下段l.2-3「疲れで興奮してゐるため」→「疲れと興奮のため」
第三回 p.147下段l.16「こちら側に」→p.152 l.14「こちら側へ」(※文庫版以降の変更)
第三回 p.149上段l.2「思ひつめたことが」→p.155 l.4「思いつめたことは」
第三回 p.149上段l.17「考へかた」→p.155 l.14「考え方」(※P+D BOOKS版での変更)
第三回 p.149下段l.22「心も、弱つてゐるのに燃えやすい、多孔質の心に」→p.157 l.2-3「心のほうも弱っているのに燃えやすい多孔質の心に」
第三回 p.150上段l.1「晝間の秋暑を」→p.157 l.4「きびしい秋暑を」
第三回 p.150上段l.5「感じがあつた」→p.157 l.7-8「感じがあるのも、日中の暑さが衰えないからだった」
第三回 p.150上段l.19「それも學生のまへで」→p.158 l.1-2「それもほかの連中が学生のまえで」
第三回 p.150下段l.15-16「家に歸ると」→p.159 l.1「家に帰ってから」
第三回 p.151上段l.8-9「まちがひ電話」→p.159 l.13「間違い電話」
第三回 p.151上段l.16「まちがひ電話」→p.160 l.2「間違い電話」
第三回 p.151上段l.20「宮澤さんから直接お電話」→p.160 l.5「宮沢さんからお電話」
第三回 p.151上段l.22「まちがひ電話」→p.160 l.7「間違い電話」
第三回 p.151下段l.2「疎しくて」→p.160 l.8「うとましくて」
第三回 p.151下段l.8「桂子は髪を上げた」→p.160 l.13「桂子は起きて髪を上げた」
第三回 p.151下段l.17「桂子は指導教授の」→p.161 l.2-3「桂子は九月になって指導教授の」
第三回 p.151下段l.17「會つてなかつた」→p.161 l.3「会っていなかった」
第三回 p.153上段l.2「一箇月も」→p.163 l.8「連中に一箇月も」
第三回 p.153下段l.16「苦しみはないけど」→p.165 l.1「苦しみはないけれど」
第三回 p.153下段l.23「あの人が」→p.165 l.5「このままあの人が」
第三回 p.154下段l.7「桂子はそれでもやはり」→p.166 l.9-10「桂子はやはり」
第三回 p.154下段l.20「みえた。」→p.167 l.2「みえた。樹木の深い海の底にいるようだった。」
第三回 p.155上段l.23「止めてゐる」→p.168 l.5「やめている」
第三回 p.155下段l.6-7「あひだに熟してきた三津子のやさしさが極點にまで達して」→p.168 l.8-9「あいだに三津子のやさしさが極点にまで熟して」
第三回 p.155下段l.8「圭介のはうには」→p.168 l.9「圭介には」
第三回 p.155下段l.13-14「無理をしてきたやうだ」→p.168 l.13-14「無理をしてきたのかもしれない」
第三回 p.155下段l.20-21「ちがふかな」→p.169 l.2「違うかな」
第三回 p.156上段l.2「ついあなたのことも忘れて」→p.169 l.5「つい何もかも忘れて」
第三回 p.156上段l.4-5「獣のやうなものにされていく」→p.169 l.6「獣にされていく」
第三回 p.156上段l.8「やさしい」→p.169 l.9「やさしい人間だ」
第三回 p.156上段l.9「根本的にちがふ」→p.169 l.10「全然違う」
第三回 p.156上段l.18-19「追い拂つてゐました」→p.170 l.1「追い払うのが得意で」
第三回 p.156上段l.23「氣づいたときの自分自身に」→p.170 l.4「気づいたときの、自分自身に」
第三回 p.156下段l.2「いつたやうである」→p.170 l.5「いったことがある」
第三回 p.156下段l.3「生まないといふ」→p.170 l.6「生まないつもりだという」
第三回 p.157下段l.1-2「植物の眼から」→p.172 l.12「植物の心から」
第三回 p.157下段l.13「日は」→p.173 l.4「日から」
第三回 p.157下段l.13「この日から正門で」→p.173 l.4「その後正門で」
第三回 p.158上段l.2「怯えたやうな」→p.173 l.11-12「怯えたように」(※文庫版以降の変更)
第三回 p.158上段l.21「あなたたちは」→p.174 l.9「あなたたちのことばでは」
第三回 p.158下段l.12「リチャード・トワイニングのオレンジ・ペコを」→p.175 l.2「オレンジ・ペコを」
第三回 p.158下段l.12-14「入れてくれて、【改行】「それは」→p.175 l.2-3「入れてくれて、「それは」
第三回 p.159上段l.7「また冩眞でみた「夜の女」を思ひだした」→p.175 l.14「写真でみた「夜の女」をまた思いだした」
第三回 p.159上段l.20「着物ですごす」→p.176 l.7「着物で過す」
第三回 p.159上段l.21「夏の紬」→p.176 l.8「単の紬」
第三回 p.159下段l.7-8「終つたし、十日ぶり」→p.176 l.15「終ったし、いま十日ぶり」
第三回 p.159下段l.20「陽ざしでも、着物姿には」→p.177 l.8「陽ざしでも、日中の着物姿には」
第三回 p.160上段l.3-4「と桂子は堀田夫人にいつた。」→p.177 l.13「といって桂子は堀田夫人にえぞりんどうを渡した。」
第三回 p.160上段l.5「堀田夫人なんだらうか」→p.177 l.14「堀田夫人なのだろうか」
第三回 p.160上段l.8「菩提樹の下のを」→p.177 l.16「菩提樹の下でのを」
第三回 p.161上段l.12「考へもしないで」→p.180 l.4「何も考えずに」
第三回 p.161上段l.22-23「おつしやつてはいけませんわ」→p.180 l.10「おっしゃっては」
第三回 p.161下段l.10「面でも」→p.181 l.1「面では」
第三回 p.161下段l.23「つねに」→p.181 l.11「依然として」
第三回 p.162下段l.13「注射されて體が」→p.183 l.4「注射されて、体が」
第三回 p.163上段l.19「實際にありさう」→p.184 l.8「実際にはありそう」
第三回 p.163下段l.5「醫師のやうな堀田」→p.185 l.1「医師のような顔をしている堀田」
第三回 p.163下段l.14-15「さまざまの赤」→p.185 l.7-8「さまざまの調子の赤」
第三回 p.163下段l.18「なったのを母も」→p.185 l.9-10「なったのを、母も」
第三回 p.164下段l.12「父とはちがふ男の子どもとして」→p.187 l.8「父とは別の男の子として」
第三回 p.164下段l.18「軽蔑が、桂子を」→p.187 l.11-12「軽蔑が桂子を」
第三回 p.165上段l.21「絹積雲」→p.188 l.14「巻積雲」
第三回 p.166上段l.3「同僚と女の子を」→p.190 l.1-2「会社の女の子たちを」
第三回 p.166下段l.4「反仲人の任務」→p.191 l.1「反仲人の務め」
第三回 p.166下段l.23「みるやうだらう」→p.191 l.14「見送るようだろう」
第三回 p.167上段l.18-19「自分に集中してくれる男の心に」→p.192 l.12「自分に心を向けてくれる、その男の心に」
第三回 p.167下段l.8「白い刀身を」→p.193 l.4「白い刀身の桂子を」
第三回 p.168下段l.13-14「じつはこの山田さんは牧田桂子さんのゼミナールの指導教授でございまして」→p.195 l.9「じつはこの牧田桂子さんは山田さんの指導学生でございまして」
第三回 p.168下段l.17「山田君」→p.195 l.11「山田さん」
第三回 p.168下段l.20「心が決まつたやうだつた」→p.195 l.13-14「心をきめたつもりだった」
第三回 p.168下段l.20-21「心がやはらかくなり、鋭く自在に動くやうになつて」→p.195 l.14「心がやわらかくほぐれて鋭く自在に動くようになり」
第三回 p.169下段l.2-3「これもみごとな飲みかたで上機嫌に」→p.197 l.1「これも上機嫌に」
第三回 p.169下段l.4「二、三杯づつ飮んだ」→p.197 l.2「二、三杯飲んだ」
第三回 p.170上段l.15「たまたま、いま法學部で」→p.198 l.9「たまたま、法学部で」
第三回 p.170上段l.16「話があつて」→p.198 l.9「話が進んでいて」
第三回 p.170下段l.7「牧田桂子といふ相手は」→p.199 l.3「牧田桂子という娘は」
第三回 p.170下段l.8「もつたいない」→p.199 l.3-4「勿体ない」
第三回 p.170下段l.18「苦笑した」→p.199 l.10「笑った」
第三回 p.171上段l.5「調子で桂子に報告」→p.200 l.1「調子で報告」
第三回 p.171上段l.23「動き」→p.200 l.13「けはい」
第三回 p.171下段l.19「髪を清潔に」→p.201 l.11-12「髪をいまは清潔に」
第三回 p.172上段l.9「かれのセクトは潰されたから」→p.202 l.5「彼のセクトは内ゲバで潰されたから」
第三回 p.172上段l.10「かれ」→p.202 l.6「彼」
第三回 p.172上段l.21「使はうと」→p.202 l.14「使おうなどと」
第三回 p.172上段l.21-22「出さないでこの邊で」→p.202 l.14「出さないで、この辺で」
第三回 p.174下段l.15-16「もみぢ」→p.206 l.13「紅葉」
第三回 p.175上段l.4「その店で別れた」→p.207 l.5「その店を出た」
第三回 p.175上段l.22「その夜は清瀧には」→p.207 l.16「その夜は父と母の泊っている清滝には」

第四回 p.256l.2「吹きわたりながら」→p.209 l.2「吹きわたるうちに」
第四回 p.256l.2-3「いつのまに」→p.209 l.2「いつのまにか」(※文庫版以降の変更)
第四回 p.256l.3「わからないうちに」→p.209 l.2「わからずに」
第四回 p.256l.8-9「食べずに眼が血走つてゐるやうでした」→p.209 l.7「食べず、眼も血走っていました」
第四回 p.257上段l.8「けど」→p.210 l.4「けれど」
第四回 p.257上段l.20-21「かかるんですか」→p.210 l.13「かかるんでしょうね」
第四回 p.257上段l.22-23「あひだに、しなければ」→p.210 l.14「あいだにしなければ」
第四回 p.257下段l.8「わたしのはうから式に」→p.211 l.4「式に」
第四回 p.257下段l.13-14「日がいいといふことですから」→p.211 l.8「日にしたいとなれば」
第四回 p.257下段l.18「方だと」→p.211 l.12「かただと」
第四回 p.257段l.20「宮澤三津子に」→p.211 l.13「三津子に」
第四回 p.258上段l.1「店で桂子と會ふと」→p.211 l.16「店に桂子をよぶと」
第四回 p.258上段l.5「桂子には」→p.212 2-3l.「桂子は」
第四回 p.258上段l.17「桂子は」→p.212 l.11「それで桂子は」
第四回 p.258下段l.7「出るようになれば」→p.213 l.4「出るようになるのが」
第四回 p.258下段l.7-8「よかつたのですが」→p.213 l.4「よかったでしょうが」
第四回 p.258下段l.9「ぼくや三津子が」→p.213 l.5「三津子やぼくが」
第四回 p.258下段l.14「よしますわ」→p.213 l.9「耕一さんを招待するのだけはよしますわ」
第四回 p.258下段l.20「氣持は」→p.213 l.13「気持からすれば」
第四回 p.258下段l.23「いやだつた」→p.213 l.15「いやなのだった」
第四回 p.259上段l.1「關係を」→p.213 l.15「関係は」
第四回 p.259上段l.1-2「してゐたかつた」→p.213 l.16「していたい」
第四回 p.259上段l.7「確かめてゐない」→p.214 l.4「決めてはいない」
第四回 p.259上段l.8「その可能性のことは」→p.214 l.4「そのことは」
第四回 p.259上段l.8「ゐない。山田にもそんな耕一のことについては何も話してゐない。父か母に」→p.214 l.4「いない。父か母に」
第四回 p.259上段l.9「堀田から受けた示唆のことを」→p.214 l.4「堀田からきいた話を」
第四回 p.259上段l.12「ときにも」→p.214 l.6「ときに」
第四回 p.259上段l.14「山田先生には」→p.214 l.7「山田さんには」
第四回 p.259上段l.17「ことは」→p.214 l.9「ことなんか」
第四回 p.260上段l.6「されたやうな驚きだつたが」→p.216 l.2「された驚きに似ていたが」
第四回 p.260上段l.6「あるひとつの」→p.216 l.2「いくつかの」
第四回 p.260上段l.7「動作だけは」→p.216 l.2「動作に」
第四回 p.260上段l.7-8「ないものだつた」→p.216 l.3「ないものがあった」
第四回 p.260上段l.9「これは」→p.216 l.4「それは」
第四回 p.260上段l.9-10「しかあらはれないものでは」→p.216 l.4「だけあらわれるものでは」
第四回 p.260上段l.12「しまふのではないかと思ふ」→p.216 l.6「しまいそうに思われる」
第四回 p.260上段l.16-17「ゐるのかも」→p.216 l.8「いたのかも」
第四回 p.261上段l.6「痛い」→p.217 l.16「苦しい」
第四回 p.261上段l.7「つまり純眞」→p.218 l.1「つまりそれだけ純真」
第四回 p.261上段l.20「嘘。」→p.218 l.11「嘘、」
第四回 p.261上段l.22「想像したこと」→p.218 l.12「想像してみたこと」
第四回 p.261下段l.11「なくなると、あの遊びも」→p.219 l.6-7「なくなればあの遊びも」
第四回 p.262上段l.10「ふぢのは、形のうへでは、宮澤を」→p.220 l.4「ふじのは、宮沢を」
第四回 p.262上段l.16-17「以上、ひとりで」→p.220 l.8「以上ひとりで」
第四回 p.262上段l.21-22「女學校の十年ほど後輩だといふ」→p.220 l.11-12「女学校の後輩にあたるという」
第四回 p.262下段l.3「くれたといふ」→p.220 l.15「くれたからという」
第四回 p.262下段l.4「ために」→p.220 l.15「おかげで」
第四回 p.262下段l.4「異常と」→p.2 l.15「異常とも」
第四回 p.262下段l.17-18「診てもらつて引導を」→p.221 l.10「診てもらって、はっきり引導を」
第四回 p.263下段l.10「編んだ」→p.223 l.8「編む」
第四回 p.263下段l.11-12「ものをことばを」→p.223 l.8-9「ものを、ことばを」
第四回 p.264上段l.12「つづけきた」→p.224 l.8「つづけてきた」
第四回 p.264上段l.14「ものが蟬の」→p.2 l.「ものが頼りない蟬の」
第四回 p.264上段l.17-18「桂子さへその氣になれば簡単に眼から剝ぎとることができる状態になつてゐたのかも」→p.224 l.11「眼から剝ぎとられていたのかも」
第四回 p.264下段l.5「立派だ」→p.225 l.4「立派だね」
第四回 p.264下段l.12「外」→p.225 l.9「ほか」
第四回 p.264下段l.21「あつさりつぶされましたが」→p.225 l.14「一蹴されましたが」
第四回 p.265上段l.9「菖蒲湯にはこりた」→p.226 l.5-6「菖蒲湯に懲りた」
第四回 p.265下段l.17-18「もののやうだつた」→p.228 l.5「ものらしかった」
第四回 p.265下段l.18-19「感じさせない美貌」→p.228 l.5-6「感じさせない種類の美貌」
第四回 p.265下段l.21「自分が心のどこかに棲んでゐるやうな」→p.228 l.7「自分の心をどこかに棲まわせているような」
第四回 p.266上段l.4「やうで」→p.228 l.11「ようなので」
第四回 p.266上段l.16「やつと抑へた」→p.229 l.4「抑えた」
第四回 p.266上段l.19「その方に」→p.229 l.6「そのかたに」
第四回 p.266下段l.7「「翁附高砂」を」→p.229 l.14「その「翁附高砂」を」
第四回 p.266下段l.15-16「顔を固くしたやうだつたが」→p.230 l.4「顔を固くしたが」
第四回 p.266下段l.17「まあ、さういふこと」→p.230 l.5「そういうこと」
第四回 p.267上段l.14「ひろがつてゐて、」→p.231 l.1「ひろがっていた。」
第四回 p.267上段l.22-23「なつたけれど、昔は」→p.231 l.7「なりましたが昔は」
第四回 p.267下段l.14「何やら京都の料理を」→p.231 l.15-16「何やら料理を」
第四回 p.268上段l.1「それ、別に」→p.232 l.5「別に」
第四回 p.268下段l.5「なつてこはいやうに」→p.233 l.9「なって、男がこわがるような」
第四回 p.268下段l.18「ことだと氣がつき」→p.234 l.1「ことだとすぐ気がつき」
第四回 p.269上段l.14-15「たしかめる」→p.234 l.14「確かめる」
第四回 p.269上段l.20「から、やつぱり」→p.235 l.1「から、となるとやっぱり」
第四回 p.269下段l.7「結婚するところ」→p.235 l.9「結婚するつもり」
第四回 p.270下段l.2「かねて管理を」→p.237 l.4「かねてしばらくのあいだ管理を」
第四回 p.270下段l.9「といつてふぢのは」→p.237 l.9「といって、ふじのは」
第四回 p.270下段l.18「ちがひます」→p.237 l.15「違います」
第四回 p.271上段l.6「できなくてね」→p.238 l.6「できそうもなくてね」
第四回 p.271下段l.15「笑つた。「あたしの」→p.239 l.12-13「笑った。【改行】「あたしの」(※P+D BOOKS版での変更)
第四回 p.271下段l.16「演出者」→p.239 l.13「陰の演出者」
第四回 p.272上段l.16「してゐるといふ」→p.240 l.13「している、という」
第四回 p.272上段l.17「子どもですよ。」→p.240 l.13「子どもなんですよ。」
第四回 p.272上段l.19「いいですわね」→p.240 l.14「いいわね」
第四回 p.272上段l.21「耕一さんと」→p.240 l.16「耕一さんとは」
第四回 p.272上段l.23「ちがひます」→p.241 l.1「違います」
第四回 p.272下段l.1「始つた」→p.241 l.1「始まった」(※文庫版以降の変更)
第四回 p.272下段l.12「たとへば、耕一さん」→p.241 l.9「かりに耕一さん」
第四回 p.272下段l.16「みなすことも」→p.241 l.11「みなすことが」
第四回 p.273上段l.3「人間の」→p.242 l.5「他人の」
第四回 p.273上段l.10「門松を撤しながら」→p.242 l.9-10「松引きをしながら」
第四回 p.274上段l.15「いつた。「ところで」→p.244 l.12-14「いった。【改行】「ところで」(※P+D BOOKS版での変更)
第四回 p.274上段l.22「お座なりで、」→p.245 l.2「お座なりだった。」
第四回 p.275上段l.14「桂子は、」→p.246 l.15「桂子は自分が、」
第四回 p.275上段l.14「することに、だれよりも」→p.246 l.15「することにだれよりも」
第四回 p.275上段l.18「ちがつていた」→p.247 l.2「違っていた」
第四回 p.275上段l.20-21「恥もかまはず」→p.247 l.3「恥も忘れて」
第四回 p.276上段l.2「ちがつてゐても」→p.248 l.5「違っていても」
第四回 p.276上段l.5-6「成立たないはずである」→p.248 l.7「成立たない」
第四回 p.276上段l.8-9「class の下の人間」→p.248 l.9「あまり下の class の人間」
第四回 p.276上段l.11「出たときのやうに、鋭い」→p.248 l.10-11「出たときのと同じ鋭い」
第四回 p.276上段l.12「ゐたが、泣き聲の」→p.248 l.11「いたが、この夜は鳴き声の」
第四回 p.276下段l.18「最高點だ」→p.250 l.6「最高点ですよ」
第四回 p.276下段l.23-p.277上段l.2「感心していた。【一行アキ】 二月の」→p.250 l.10-11「感心していた。【改行】 二月の」
第四回 p.277下段l.12「なにも」→p.251 l.16「何も」
第四回 p.278上段l.1-2「心配しなくて」→p.252 l.8「心配しなくても」
第四回 p.278上段l.4「高すぎるのと」→p.252 l.10「やや高いのと」
第四回 p.278上段l.22「また二回ほど」→p.253 l.7「さらに二回ほど」
第四回 p.278下段l.7「とまつてもすぐ消える」→p.253 l.12「とまったのもすぐ消えてしまう」
第四回 p.278下段l.18「風花が」→p.254 l.4「さっきから風花が」
第四回 p.278下段l.「夫人がゐないせいでもあるのか」→p.254 l.7「夫人がいないせいなのか」
第四回 p.279上段l.22「娘が」→p.255 l.8「娘さんが」
第四回 p.279下段l.2「なつた」→p.255 l.10「なる」
第四回 p.279下段l.20「自分で」→p.256 l.7「自分が」
第四回 p.280上段l.6「平の」→p.256 l.12「普通の」
第四回 p.280段l.10「止めた」→p.256 l.15「やめた」
第四回 p.280上段l.18「代行』といふのを」→p.257 l.4「代行』を」
第四回 p.280下段l.9-10「はずだと」→p.257 l.14「はずだから、と」
第四回 p.280下段l.14「できない」→p.258 l.1「できないはずである」
第四回 p.281上段l.4「最近」→p.258 l.12「最近になって」
第四回 p.281上段l.6「父が自分の社で出した」→p.258 l.14「父の社で出た」
第四回 p.281上段l.7「もちかへつて桂子に渡した」→p.258 l.14「父から渡された」
第四回 p.281下段l.10「たしかめて」→p.259 l.16「確かめて」
第四回 p.281下段l.14「最初反對」→p.260 l.3「最初は反対」
第四回 p.281下段l.17「山田のはうも最初は未亡人」→p.260 l.4「山田のほうも、最初は、未亡人」
第四回 p.282上段l.8「外で」→p.260 l.14「ほかで」
第四回 p.282上段l.14「快氣祝」→p.261 l.3「本復祝」
第四回 p.282上段l.22「向つて卒業」→p.261 l.9「向って,卒業」
第四回 p.282下段l.16「でも、わたしの」→p.262 l.4「わたしの」
第四回 p.282下段l.23「簡単に」→p.262 l.10「簡単には」
第四回 p.283上段l.7「考へさうな」→p.262 l.14「思いつきそうな」
第四回 p.283下段l.3「少からぬ」→p.263 l.11「少なからぬ」(※文庫版以降の変更)
第四回 p.283下段l.5「人間は」→p.263 l.13「人間には」
第四回 p.283下段l.8「人間は」→p.263 l.14-15「人間には」
第四回 p.284上段l.9「右端」→p.266 l.2「左端」
第四回 p.284上段l.9「烏」→p.266 l.2「鳥」(P+D BOOKS版での変更。誤植と思われる)
第四回 p.284下段l.2「ちがふ」→p.266 l.14「違う」
第四回 p.285上段l.21-22「圍んで酒を」→p.268 l.11-12「囲んで無理矢理に酒を」
第四回 p.285下段l.22「をかしくもないこと」→p.269 l.12「おかしくないこと」(※文庫版以降の変更)
第四回 p.286下段l.13「いつもより」→p.271 l.5「いつもよりは」
第四回 p.287上段l.1「香の」→p.271 l.14「茶室のほうから香の」
第四回 p.287下段l.9「不安では」→p.273 l.4「不安は」
第四回 p.288上段l.4「涙聲で」→p.273 l.15-16「涙まじりの声で」
第四回 p.288下段l.7「止めて」→p.275 l.1「やめて」
第四回 p.289上段l.20「その結婚式を明後日に」→p.277 l.6「その式を翌々日に」
第四回 p.289上段l.21「感じながら」→p.277 l.7「感じると」
第四回 p.289上段l.22「かなしくなつた」→p.277 l.7-8「かなしかった」
第四回 p.289下段l.1「茫」→p.277 l.9「芒」
第四回 p.289下段l.8「桂子は」→p.277 l.13「桂子は冴えた明るい顔なので」
第四回 p.290上段l.1「あと夜の」→p.278 l.10「あと、その夜の」
第四回 p.290下段l.18「話せば興味を」→p.280 l.4-5「話せば山田は興味を」
第四回 p.290下段l.22「やはらかさで」→p.280 l.7「考えかたで」
第四回 p.291上段l.17「陳腐なものかも」→p.281 l.5「陳腐なのかも」
第四回 p.291上段l.21「いけない」→p.281 l.8「ならない」(※文庫版以降の変更)
第四回 p.291下段l.2-3「わたしは」→p281. l.11「わたしと」(※文庫版以降の変更)
第四回 p.291下段l.5「ちがふが」→p.281 l.13「違うが」
第四回 p.292上段l.1「たしかめ」→p.282 l.7「確かめ」
第四回 p.292上段l.1-2「その suspicion または hypothesis は」→p.282 l.8「その hypothesis は」
第四回 p.292上段l.3「ない」→p.282 l.8「ないわけだ」
第四回 p.292上段l.23「危険が」→p.283 l.6「危険の」(※文庫版以降の変更)
第四回 p.292下段l.3「四人で、あの橋を渡つて」→p.283 l.8「四人であの橋を渡って、」
第四回 p.292下段l.11-12「宮澤夫妻や堀田とは羽田で」→p.283 l.14「羽田で宮沢夫妻や堀田と」
第四回 p.292下段l.17-18「以來であつた」→p.284 l.1「以来のことであった」
第四回 p.292下段l.18-19「多いやうだつた」→p.284 l.2「多かった」
第四回 p.293上段l.19「驚くほど」→p.285 l.3「ほんとうは驚くほど」
第四回 p.293上段l.19「なるやうな」→p.285 l.3「なりそうな」
第四回 p.293下段l.14→p.285 l.16-p.295 l.8【加筆】
第四回 p.294下段l.2-3「すりよせる」→p.296 l.11「寄せる」
第四回 p.294下段l.13「ゐたし、少くとも山田さんと二人になることには慣れて、」→p.297 l.2「いるし、山田さんとは」
第四回 p.295上段l.2「と盃を口にあてた」→p.297 l.11「といって盃に口を運んだ」
第四回 p.295上段l.5「泊る」→p.297 l.13「泊まる」(※文庫版以降の変更)
第四回 p.295上段l.21「ちがつて」→p.298 l.8「違って」

付記 初出→単行本での修正
第四回 p.259下段l.3「するほうが」→初p.202 l.12「するはうが」

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