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カセットテープ、そしてそのCMと音楽。【AXIA編】

前回の【SONY編】に続き、今回は【AXIA編】ということになる。

まず【AXIA】というネーミング。

響きがとてもいいし、カッコいい。
意味は、というと当時から分からないままここまで来てしまったので調べてみると、

名前の意味はギリシャ語で「価値があるもの」(希: αξία)。のちにブランドロゴの下に「Active eXciting Innovator All for you」と併記された。

だそうだ。


へぇーーーー!!!(今さらジロー)


と、ひとしきり驚いたところで。

当時を知る方なら、AXIAと聞けば誰かの顔が直ぐに浮かぶだろう。

そう、斉藤由貴である。

彼女とのズブズブ(?)のタイアップで印象的なAXIAのCMはこちら。


「AXIA~かなしいことり」はブランド名そのままの曲であり、記念すべき初のアルバムタイトルでもある。

ここまでズブズブ(言い方)だと寧ろ潔いし爽快だ。

個人的に斉藤由貴の楽曲はデビュー曲の「卒業」(作詞:松本隆 作曲:筒美京平 編曲:武部聡志)や「白い炎」(作詞:森 雪之丞 作曲:玉置浩二 編曲:武部聡志)が大好きでベストテンやスケバン刑事のエンディングを見ては一緒に口ずさんでいた。

そしてこの「AXIA~かなしいことり」は作詞・作曲が銀色夏生、編曲: 武部聡志の作品である。

銀色夏生といえば当時詩集がとても流行った印象のある、お洒落な作家というイメージだが、そういえばあの大沢誉志幸の「そして僕は途方に暮れる」の作詞家でもあった。

そんな彼女が斉藤由貴に歌って欲しいと持ち込んだ作品だということなのだが、この詞の内容が結構とんでもないなとまだ幼かった私でも戸惑った記憶がある。

「ごめんね 今までだまってて 本当は彼がいたことを 言いかけて言えなかったの 二度と逢えなくなりそうで」


ふ、二股やないかーーーい!?(愕然)


冒頭からこんなヤバい告白なのに斉藤由貴の清らかで可愛らしい歌声が見事に中和しているところが凄いし、この楽曲を富士フィルムが新しいカセットテープのブランドを立ち上げる際のイメージソングとして起用したその英断も凄いし大胆だし尖ってるな、と。

いや、それだけ斉藤由貴の当時の影響力というものは大きかったのだろうし、可憐で儚げな斉藤由貴のエンジェルボイスから「ごめんね」と言われたらキュンとならずにはいられないだろう。

唐突だが、斉藤由貴のファンといえば私の中では安住紳一郎アナが直ぐに脳裏に浮かぶ。

彼が持つTBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」ではよく斉藤由貴の曲が流される。

中でも私的には「砂の城」がよくオンエアされるなあという印象だったのだが、今年斉藤由貴本人が日曜天国にゲストで訪れた時にも「砂の城」が流されることになったのだが、斉藤由貴が何故シングル曲でも後方に位置する
この曲が選ばれたのかという疑問を投げ掛けたら、実は安住紳一郎チョイスだったという事実が明らかになったという。

しかし斉藤由貴から「本当は八木さおりファンなんですよね?」とツッコミを入れられ安住氏は八木さおりの「くちづけの舞台」を掛けたかったなどと毒づいていたが実は照れ隠しだったと思う。

かなり前にもぴったんこカンカンで高橋大輔に斉藤由貴の「卒業」を自身のアカペラで滑って貰うという暴挙に出た前科があるから、紛れもない斉藤由貴ファンである。


本題からかなり逸れてしまったので軌道修正。

「AXIA~かなしいことり」から始まり、CM曲は暫く斉藤由貴の名曲で彩られてゆく。

「情熱」「土曜日のタマネギ」「青空のかけら」「砂の城」、どれも私にとっては大好きな曲で今でも曲が掛かれば歌える曲ばかり。


その後AXIAのCMに起用されたのはブライアン・フェリー、スティング、浅香唯等と続き、印象が深すぎるアーティスト、ボン・ジョヴィが登場する。

1988年のAXIAのCMから流れる「Livin' On A Prayer」は私にとってかなりのインパクトがあり洋楽でロックというジャンルでは初めて好きだと思った曲だった。

しかしながら、日本のカセットテープのCMに海外のミュージシャンを登場させることの出来る当時の日本の景気の良さが窺えて、凄い時代だったんだなあと懐かしんでみたり。

後に爆風スランプや矢沢永吉、hydeもキャラクターに起用してゆくAXIAはSONYとは違い、時代に沿いながらも様々なジャンルのアーティストやアニメや女優などの幅広いCM制作をしていたように思う。

おっと。
長くなってしまったが、肝心のカセットテープの方のAXIAのお話を。

ここまでCMやその楽曲の話をつらつらと書いた割りに、実は私、AXIAのテープをあまり所持していなかったという事実を此処に告白(あかん)

ごめんなさい。
特に初期の透明の、中のテープが全部見えてしまうというあのデザインがちょっと苦手で。

因みに私の親友はAXIA派でした(どうでもいい)

暫くして「SLIM」というのが発売になり、どれどれどのくらい薄いケースなんだ?と購入してみると、本当に薄い!! めっちゃスマート!!

とはしゃいでいたのも束の間。
スリム過ぎて、他のカセットテープのケースとの幅が違うので並べると上手く収まらなくて、引き出しに微妙な隙間が生まれてしまうという悲しい結果に。

この辺りはデザインが好きでぼちぼち買っていたような記憶があるけれど、私の中では残念ながらAXIAとの縁はあまり強くはなく、これを書きながら申し訳ない気持ちになってしまった。

好みもあるのでどうかお許しを。

AXIAユーザーだったという方がいらっしゃれば是非その魅力をご教授いだだければ幸い。

余談が多すぎたと反省しつつ、お別れを。




【追記という名の余談】

斉藤由貴のデビュー曲、「卒業」の印象的なイントロ。
編曲は武部氏であるが、あのメロディーは筒美京平氏がデモの段階から作られていたそうで、そのまま使われたということを「日曜天国」で斉藤由貴の口から語られて安住氏が驚いていたが、私も同じ。

筒美氏も初期は作曲、編曲共にされていたそうなのでそういう印象的な旋律のイントロが浮かぶのは流石としか言いようがない。

そんな裏話も知っての「卒業」はまた味わい深いように思う。【了】

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