シングルライフがはじまった時

私は3歳の時に、日暮里から松戸へ引っ越した。
日暮里では、おじいちゃんおばあちゃんと一緒に住み、大人に囲まれ
ぬくぬくと暮らしていたが、松戸に引っ越してから私の地獄ははじまった。

今からかなり昔、昭和54年の頃。

当時、道も舗装されていない場所も多く、トイレは汲み取り式。
(恥ずかしかった!)
子供たちもたくさんいて、近所付き合いが盛んだった。
子供は総勢20人ぐらいいたと思う。

東京から引っ越してきた私が珍しかったのか、みんな毎日代わる代わる私を誘いに来る。
「あそーぼー!」

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その声が、怖くて怖くてたまらなかった。
押し入れに隠れていたこともあったが、母親に引っ張り出され、強制的に遊ぶことになる。
母親も、近所付き合いが嫌だったらしいが、
私を早く子供達の輪に入れようと頑張っていたようだ。

遊ぶのはドッジボールか、ドロジ(警察と泥棒に分かれて捕まえ合う遊び)がメインだった。
ボールに当たるのは痛いし、人を追いかけたり捕まえたりする乱暴な遊びが
嫌で嫌でしょうがなかった。

子供時代は、怖いものだらけだった。
そのため、いつも本気で遊ばず、ドッチボールは早めにわざと当たって外野へ。
ドロジはすぐ捕まって牢屋の時間を長く過ごすなど、自分なりのやり過ごし方の技を見出して行った。

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かくれんぼのときは、超絶離れたマンションの最上階まで行き、知らない人の部屋の前で
じっと時間が過ぎるのを待っていたのが楽しかった。
誰にも邪魔されない静かな一人だけの至福の時間。
まるでお母さんの胎内に戻ったような感覚!

それが、私のシングルライフ=『一人を楽しむ人生』の始まりだったと自覚している。

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しかし、数回目でガキ大将のまゆみちゃんにバレ、こっぴどく叱られることになり、
この技は使えなくなってしまう、、、。

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