静けさに研ぎ澄まされる家
いいなぁ
そう思わず声を漏らしたのは、友人の家に遊びに行ったときのこと。ドアを閉めた瞬間に家の静けさに包まれたのだった。
確かに住宅街ではある。けれども、駅からさほど遠くもなく、ワンブロック先には頻繁に車が通っている。にも関わらず、家の空気がしんとして凛としているのだ
自分の動く音や喋る声はもちろん、身体を動かす際に起きるわずかな音さえも分かってしまう。
大げさではあるけれど、否応がに自分の行動を意識させられて、感覚が研ぎ澄まされる感じがする。それくらい静かなのだ。
いいなぁと思いつつ、同時に僕は普段、雑音と共に暮らしているのだなということも感じていた。
東京に来てからというもの、ずっとアパートやマンション住まい。だから他人の生活音や車の音と一緒に暮らすことが当たり前になっていたて、静かなことがこんなに素晴らしいとは思いもよらなかった。
東京で一軒家を買う意味なんてないと思ってたけれど、こういう感覚を大事にしたいなら、ありかもしれない。
なんて新しい感覚を思える夜なのである。
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