感情に支配されると人はどうなるか in 香港

九州は大雨。

大雨の影響で、仕事が一件延期になったので、ファミレスで仕事をしている。

こちら福岡市中央区、すでに雨は上がっている。


事件発生

突然、母からLINEが届いた。半年ぶりに。

文面からは明らかに焦りが見える。

要約するとこうだ。

娘(私の姉)が香港に行った。突然連絡がつかなくなった。彼女の身に何かあったんじゃないか。どうしよう。


母とのやり取り

私は尋ねた。

「姉は、どうして香港にいるの?」

母は答えた。

「旅行。」

続けて、私は尋ねた。

「なるほど。完全に頭がおかしいね。いつまで連絡がついていたの?そしていつ帰国予定なの?」

母は答えた。

「ついさっきまでやり取りしてたのに、突然既読がつかなくなった。帰国は今日の予定。」

私は思った。

(…メンヘラなのか)

私は言った。

「状況が分からないし、今日帰国予定なら1日待ってみたら?」

母は言った。

「急に連絡がつかなくなったのに?!」

私は思った。

(…メンヘラか!)


感情コントロールはテクニック

感情あってこその人間である。

しかし、感情に支配された人間はご覧のとおりだ。まともな大人とは思えない。

娘思いの優しい母という見方もあるが、
出張に行くパパがずっと帰って来ないような気がして泣き出す子どもと何ら変わらない。

3才児レベルである。

感情コントロールは、ある程度はテクニックだと思う。

扁桃体を働かせるか、前頭葉を働かせるか、それらは同時発火しないというような本を読んだことがある。つまり、感情が優位になれば思考が鈍り、思考が優位になれば感情が鈍る。

ウソかホントかは分からないが、個人的にはその通りだなと思う。

感情的な人ほど、とりあえず思考が散らかっている。

パニックになりそうなときこそ、前頭葉をフル稼働させるべきである。


①危険について

3つの観点から、感情の糸をほどいていきたい。

私は、日本にいるし香港に友人がいるわけでもないので、現地のことはメディアを通じてしか知らない。香港は、デモが過熱して治安が大変なことになっているという一般認識しか持ち合わせていない。

つまり、「姉は安全か?」と言われれば、「むしろ、危険」ということになる。

では、姉は巻き込まれたのか?

否、わざわざ旅行に行ったのだ。行きたくて行ったのだから、もし事件に遭っていたとしても「巻き込まれた」というには無理がある。

わざわざ積極的に車道を歩いていて、車に轢かれたのなら「そりゃ轢かれそうだよね」としか言えない。

何かできることがあるとすれば、旅行に行く前に止めることぐらいだろう。

香港にいる今、もう遅い。

残酷な結論のように思うかも知れないが、危険と知って、それでも行くことを選んだ本人の意思を尊重する姿勢でもある。

つまり、どのような形で帰ってきても、私は「おかえり」で迎えたい。

逆に、姉が安全に帰ってきた場合、母なら姉にこう言うだろう。

「心配したのよ!!!どういうつもりなの!!」

優しさとはなんだろう。


②連絡が途絶えたことについて

連絡が途絶えたのは「さっき」である。数分から長く見積もっても数時間というところだろう。

平常時でも数時間メッセージを既読しないことはザラではないだろうか。「24時間スマホに張り付いていなさい」などメンヘラの所業である。

本当に事件に巻き込まれたのかも知れないが、連絡が返ってこない理由なんて他にいくらでも考えられる。

スマホの充電が切れた、スマホを落とした、忙しくてスマホを見ることができない、単純にメッセージの重要度が低いため旅行に集中…etc.

香港における姉の正確な状況を、日本からどのように確認するつもりなのか。香港の警察にでもお願いするというのか。

「待つ」のが、最も効率的で確実性が高い。


③期限について

とはいえ、海外に行ったきり。次、連絡がいつ取れるのか分からない。

もし、帰国予定が2年後だったら?

確かに、何らかのタイミングで生存確認をしたい。

しかし、帰国予定日は本日だ。


うん、待とうよ。


私の結論

上記の3つの理由から、1〜2日「待つ」ことが最善の策だろう。それで、も何もなかったら、その頃にはおそらくニュースにでもなっているだろう。それから動いたほうが効率的である。

状況が何も分からないのに「こうかもしれない、ああかもしれない」といったところで可能性は無限だから、何の解決にもならない。

25,483種類の対応策をあれこれ考えているうちに、結論が向こうから勝手にやってくる。

つまり、待つのと変わらない。


**感情に支配されると、人はまともな判断ができない

**

感情を否定しているわけではない。感情は人間らしい。

ただ、感情に支配されるな、と言いたい。

絶対だ。

なぜなら、コミュニケーションが成立しなくなるから。

言い換えれば、それは世界で一人ぼっちということである。

感情が爆発してパニックになればなるほど、人はコミュニケーション不全となる。宇宙一孤立することになる。

不安で誰かに助けを求めたいのに、宇宙の誰ともコミュニケーションが成立しないなんて、拷問のようなものだろう。


だから、感情豊かな皆さん、どうか感情に支配されないでほしい。


私だって、騒がない、動じないからといって姉の安否が心配でないわけではない。


追記

本日、姉は普通に帰ってきたそうだ。


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