におい。

私は、鼻が利く。

幼い頃からの写真を見ると、妙に鼻に目がいく。鼻の穴が多分、いや確実にデカイのだ。

小学校の頃、バレエを習っていた。発表会の時には、みんな、舞台用のメイクをしてつけまつげをつける。

舞台用のメイクを施し終えた私に、友達が言った。

『アハハ!はるろうちゃん、ラクダみたい!』

( ゚Д゚)ラクダ…?

🐪🐪🐪🐪

…きっと悪意は無かったのだと思う。

でもそれ以来ずっと、コンプレックスとして鼻の穴がデカイということを、私は選んでしまった。そしてその劣等感を隠すように【鼻の穴にメン○スを入れて鼻息でフンッと出す】という、笑えない一発芸まで覚えてしまった。(今は、もう二度とやらないと心に誓っている…。メ○トスが勿体ない…😭)

鼻の穴がデカイという劣等感はいつの間にか、自分自身の顔全体の醜さへの認識に繋がっていった。だから高校時代、当時流行っていたプリクラがはっきり言って嫌いだった。写真も、撮るのは好きだが撮られるのは好きではなかった。

こんなブスな自分がたった数百円で、別人のようにぱっちりとした目、スッと整った鼻、妙に血色の良い唇となって、印刷される。それは魔法のようにも感じたし、わざわざ自分自身のブス度を認識する呪いのようにも思っていた。

「やだ!魂とられるし!」

当時、そんな訳のわからないことを言って、こんな私をわざわざプリクラに誘ってくれる友人を何度困らせたことだろう。

でも、今もし「撮ろうよ」と言ってくれる友人がいるとしたら、特に何も気にせずに、むしろちょっとワクワクしながら「うんうん!」と参加するだろう。アラサーという年齢的に、プリクラを撮るのに並ぶという行為はちょっとばかりイタイかもしれないが(笑)

今は、友人のスマホ(snow等)アプリで、一緒に入れて撮ってもらうのは結構好きだ。私が使っているスマホにもそういったアプリに似たような機能が備わっていることを最近知って、それはもう遊びまくっている。

一体、いつから私の中から、表向きには「魂とられるからやだ!」が、消えたのだろう?


ー鼻の穴の大きさが、嗅覚の良さに比例するのかはわからない。

冒頭に戻るが、私は鼻が利く。実家で、自室のドアを閉めて過ごしていても、母が台所で何を作っているのかわかる。食事に行った時にも、においで隠し味?の調味料を当てたりする。他人の使っている香水や、柔軟剤、時にはシャンプーの匂いもわかる。

他の人だって、多少はそういうところあるのでは?香りは記憶に残りやすいというし…と自分では思っている。でも時々、他人のシャンプーに関しては、なんでわかるの?気持ち悪い…程度に多少ひかれることはある。

わかる理由はたぶん、コスメがいつの間にか好きになっていて、ヘアケアも例に漏れずたくさんのシャンプーを試したから。良い香りのシャンプーはなんとなく覚えているもののようだ。

その分、においに敏感すぎて困ることもあった。

今ではもう平気だが、一時期はタバコのにおいがダメだった。(むしろ今は、多少なら吸おうと思えば吸える。好んでは吸わないが…。)ちょっと煙を浴びるだけで、高校時代は、くしゃみが止まらなくなってしまっていた。電車の中のキツい香水や加齢臭なんかは、申し訳ないが、もっての他。嗅いでいるだけで具合が悪くなってしまっていた。

アンテナ全開?おそらく、HSPの特性も強く出ていたのだろう。

やっぱり、鼻の穴がデカイからかな…。もっと、例えば当時めちゃめちゃハマって観ていた海外ドラマ『HEROES』(ちなみに私はクレア推しだ。ピーターやサイラーも捨てがたいが。)のように、特殊能力くらいの才能になれば、こんな鼻でも諦めがつくのに…。

そう思い続けていたある日、母が私に言った。

「ママに似て鼻ぺちゃだけど、鼻の穴が大きい分パーツも大きく見えていいね。眉の形はお祖母ちゃんに似てキレイだから、ノーズシャドウをもう少し入れたら顔がはっきりするんじゃない?」

化粧を覚えたての頃の一言だった。母は、多少嫌みに聞こえかねないことをわりとさらっと言ってきて、受け入れさせてくるから、すごい。

そっか、私、眉毛"は"良いのね。

とりあえずそう思って、眉毛に凝り始めた。手が滑ってなのか、止まらなくなってなのか、眉頭以外、全てサヨナラしてしまったこともある。誰もが通る道だろう。でも、ノーズシャドウがどうもわからない。当時、美容部員の経歴を持っていた叔母のアドバイスやレクチャーを受けながら、少しずつ自分の眉毛から鼻にかけてのラインを造っていった。

就活が始まる頃、大学で就活用のメイクと証明写真の撮影が無料で受けられる機会があった。

そこでも、私にとっては福音となる言葉をメイクさんに言って頂けた。

「眉と目の間が狭いから、工夫すればハーフメイクもできそう!いじりたくなっちゃう!」

ハーフメイク?私が??平たい顔族がさらに潰れましたの代表のような、この私が???( ゚Д゚)( ゚Д゚)( ゚Д゚)

(結局、履歴書にはその時撮った証明写真ではなく、お金を払って改めて証明写真を撮ったものを使用したのだが…。←)

それから、少しずつ"就活"のためにと、メイクを研究…とまではいかないにしても、色々と試すようになっていった。

そして気がつけば、ひとつ前のnoteで書いた1社目の会社…コスメ関係の会社に就職が決まっていた。コスメ関係の会社に入ってしまえば、いやでも多少のテクニックや情報が入ってくる。そもそも、利益を上げるためには知らなければならない。

その為の勉強は、本当に楽しかった。

自分が少しずつ変わっていけたから。自分が変われば、お客様の笑顔も増やせるから。

私の鼻の穴はでかいままだけど。

眉毛にこだわりを持つようになった。肌も清潔さを保てるようになり、それだけでもメイクが仕上がったあとの印象が違う。パーソナルカラーや肌タイプも意識するようになった。私はもう、あの頃のラクダではない!コスメにのめりこめばのめりこむほど、自信がついたと、錯覚した。そしてその意気で、会社にとって利益が出る商品をあの手この手で売っていた。それが、私の心を蝕んでいるとも気がつかずに。


私の大好きな漫画に『コスメの魔法』という作品がある。

カリスマ美容部員の高樹さんが、恋に友情に仕事に人生に、悩める女性たち(時には男性をも)を、コスメの魔法にかけてその人らしさをよりパワーアップさせて取り戻させる、という内容の漫画だ。(コスメが気になる人は、読んでみて損はないと思う。)

私は、少なくとも中学時代にはなんとその漫画に出会っていた。そして、コスメの魔法に憧れながらも、こんなブスな私が魔法にかかるわけない、漫画なんて所詮作り話よ…と、それこそ高樹さんに「犯罪ですわ!!」と指摘されてもおかしくない程に、逃げていた。

社会人一年目の年末年始、業界では繁忙期だ。普通なら休みなど取れないような時期に、奇跡的に休暇を頂けて帰省した。

何とはなしに、実家に置いたままだった『コスメの魔法』を読んだ。

そして、心のどこかがその時たぶん、確かにチクッと傷んだのだ。

私は、何のためにコスメを売っているんだろう?

本当に、目の前のお客様をキレイにするために売れているんだろうか?

会社の利益のためだけの押し売りに、なってしまってはいないだろうか?

急に、蓄えてきたはずの自信が、しぼんでいった。

それからは、姿勢を改めた。

その時に利益があるものを売れなくても、お客様の"いま"に寄り添おう。信頼関係を築くことができれば、きっと利益のあるものなんてそのうち売れる。

…それでもやっぱりどこかで、利益利益の自分が居た。会社の為には、利益を出さなきゃどうにもならない…。

二律背反。苦しくなっていった。そんなものだと、周りの先輩方は言う。割りきれない自分がダメなのかな。

モヤモヤした気持ちを抱えながら、実家のある土地(=本社の近く)に転勤になった。そこでもう、なんだかもう、何もかもが爆発した。

やってらんねえよ!!!!!!!

そして、逃げるように辞めた。

それが正しかったのかはわからないけれど、自分を守るためにはもう、それが精一杯だった。

きっと、私はコスメが嫌いになってしまうんだろう。

そう、思っていた。

でも、違った。

むしろ、コスメに対する探求心が、利益や色々なしがらみから解放されて、恋に変わっていったのをいまでも感じている。

【うつ病】になりながらも、コスメに恋をしていったのだ。ネットスラングで言えば、草以外の何物でもない。

性欲<食欲<コスメ欲<睡眠欲。私の場合だ。

本当に【うつ病】とは、千差万別のようである。

コスメと一緒に治療の日々を過ごす中、気がつけば鼻の穴がデカイという劣等感も、ちゃんと、それも"私"の一部として、溶けていっていた。

それよりも、どうすればもう少しだけチャーミングになれるかな?なんて、コスメや洋服を通して考えている間は幸せを感じている自分にも気がついた。きっと、その"私"は、私がその存在に気が付くずっと前から居てくれたんだろう。

気が付けなくてごめんね。ずっと、離れないで居てくれてありがとう。

私は、"私"をようやくコスメの魔法にかけ続けていたことに気がついた。

前述した『コスメの魔法』では、高樹さんは大抵2週間、遅くとも4週間でトラブルを解決する。

『期限は2週間!2週間で私が必ず解決してみせますわ!』

高樹さんの決め台詞である。(私が愛してやまないコンテンツ、セーラームーンで言うところの『月に代わっておしおきよ!』あたりだ。)おそらく、お肌のターンオーバーや、生活習慣の見直しなどの根拠から、そういった期間が必要なんだろう。

記憶に間違いがなければ、遅くとも中学時代には『コスメの魔法』という漫画に出会っていて、十年以上ずっと、実のところコスメが私の人生において暗躍してくれていた。

そして、ようやく今になって『コスメの魔法』にかけられていたことに気がついた。

そしていま、なんとなくのこれからの方向性として、一度は逃げた化粧品検定の勉強を再開させている。

コスメ、あなたのことがもっと知りたい。

どうだろう?私の嗅覚は。←

気がつくのが少し遅くなってしまったけれど、実際に感じるにおい以外の嗅覚も捨てたもんじゃないかもしれない。

コスメ以外でもそうだ。

大好きな、敬愛してやまない声優・歌手の緒方恵美さん。その緒方さんに対しては、人生で一番鋭い嗅覚を発揮したと思っている。とあるきっかけで緒方さんにひとみみ惚れ(直し?)をして、高校2年の12/20、地方から飛行機で東京・六本木のライブに参戦した。

バイトが禁止の高校だ。東京の往復飛行機代のお金なんて無い。親に「クリスマスも誕生日も要りませんから、緒方さんに会いにいかせてください」と土下座をした。

そして無事に日帰りで参戦。

…緒方さんって生きてるんだ。

そう思った。

ナマのパワーに圧巻され、もっともっと、この方のパワーを浴びられる環境に自分を置きたい。そう思って、『大学を機に上京』という行動には移した。両親への説得も、これでも結構頑張った(笑)

もちろん、その東京の大学でしか勉強できなかったこともあり、それを当時の高校の勉強の結果で示す形で両親を説得した。

それから、あれよあれよと結局ふにゃふにゃと就活したり、ライブに参戦したり、入社したり、ライブに参戦したり、退職したり、転職したり、病名がついて、また退職したりして、今に至る。

ひとつ前のnoteでは、確かに『もう「こっちへおいで」の手にすがるのはやめる』宣言をした。その心には、迷いも、偽りのかけらもない。

ただ、ふにゃふにゃと「こっちへおいで」に従ってきたのもある意味、私の嗅覚だったんじゃないかと思ってもいる。

だって、これまでがなかったら、こんなにコスメに恋をしてる自覚を持つことなんて多分無かったと思う。

これはこれで、良かったのだ。苦しかったけれど。

これからなんだ。後悔しないなんてことは無理だろう。でもせめて、「いつか」ではなく「いま」に期待できる自分でいたい。いつも「いま」にワクワクできる自分になりたい。いや、なりたいではなく、そうありたい。

私の中の神(ツイッターでは勝手に"マイゴッド"とこっそりと呼ばせて頂いている)の緒方恵美さんは常々、仰っている。(言葉のニュアンスの違いはあるかもしれないが、そこはご容赦頂きたい…)

『"いつか"は永遠に来ない』

『私(緒方さんご自身)も、"推し"も、あなたたち(ファンに向けて)だって、いつ何があるかわからない』

『推しは推せる時に推せ』

今夜も、その件についてツイッターで言及されていた。

本当に仰る通りだと感じる。


東京には、緒方さんがいる。

試されるような気になれる場所もあるし、実際チャレンジしようと思えば少なくとも地方よりかは断然チャンスはある。

だから。

だから、再上京したのに、こんなこと(=うつ病になって、地方の実家に出戻り😩)になってしまった。推しも、自分自身も、本当にいつどうなるかわからない。

それとともに、推しに対するお布施は、自分自身への投資にも繋がる気が、私はしている。緒方さんが、これもよく仰っているが、ライブなどでの

『エネルギー・パワーの等価交換』

が、それにあたるのだと私は思う。

私の嗅覚は、やっぱり多分捨てたものではない。と、思う。きっとこの鼻の穴のデカさは、嗅覚の鋭さ。そういうことにしておこうじゃないか。

これからは、もう少しだけ嗅覚を研ぎ澄ましていこう。自信を造る為に。

臭いモノからは逃げちゃえば良い。逃げられないなら鼻を詰まもう。

良い匂いにはホイホイとついていこう。でもそのあとを切り拓くのは、自分だよね。そこはもう、わかっている。

だから今日も、自分の嗅覚を信じて勉強をした。

そして、自分の嗅覚を信じて、もう寝よう。(笑)

起きたらまた…漸進、しようじゃないか。良い匂いのする方へ。

…そして、年末の緒方さんの『禊』ライブの参戦を目指して!



【今日の勉強内容】

・スタサプTOEIC…20分

・日本化粧品検定2、3級(テキスト読み)…15分


美容院やらで街に出ていた為、少し無理をしないでおきました😌💦

その分、起きたら頑張るぞ!!!

おやすみなさい👋

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