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関係人口共創型地域ビジネス創生プロジェクト 100DIVE vs 異業種混合型社会課題解決プロジェクトALIVE

100DIVE1期のセッション2 が完了。チームによる濃淡はあるものの、セッション後半で大部分がググッと夢中となるALIVEより早く、参加者がセッション2 としては夢中になってきた。ALIVEから派生したプロジェクトとして、もちろん類似点も多いが、地域に特化したことでの違いもいくつか見えてきた。


■違い1 地域からの期待の大きさ
 ALIVEと100DIVEともに、「課題解決提案」と「人の育成」の2つの目的を同時に追求するが、企業からの人材育成費を運営費とするALIVEに対して、助成金などを原資に課題解決提案を第一の目的とする100DIVEでは、地域からの解決提案への期待の大きさも違う。もちろん税金である助成金などを運営費としている分、アウトプットへの期待も大きくなる。
 研修会社がリアルプロジェクトを研修テーマにする怖さは、アウトプットが一定にならないこと。企業人事が集まって作ったALIVEはその怖さを乗り越えたからこそ、参加者が作り事でないリアルな課題に本気で向き合い、夢中になっていく。100DIVEでは地域へのアウトプットが一定にならない中で、どのように信頼を勝ち取っていくか。簡単ではない問いではあるが、セッション2 でのすでに夢中になりつつある参加者を見た時に、ちゃんとしたアウトプットにつなげていく自信が確信に近づいてきた。

■違い2 参加者の本気度
 ALIVEは企業の研修プログラムの一環であるため、一定層の研修参加意識=効率よく研修効果を得たい という意識にぶつかる。それでも競争と共創のプロセスで、ほとんどの参加者が夢中になっていくのがALIVEではあるが、100DIVEでは自ら手を挙げて自分の時間とお金を地域のために使いたい、当初より本気度の高い参加者の集団である。

 その分、セッション2 の提案でもかなり多面的な視野からの提案がなされ、スイッチの入り方が早い。一方、その本気度は他者のフィードバックに対する許容度の低さにもなりかねない。地域やアドバイザーからのビターなフィードバックも、あらかじめ決まった答えでなく、視野を広げるための材料の一つでしかない。受け止めた上で捨てても良いことなど、違う立場・役割からのフィードバックの意味合いの共有が、ALIVE以上に必要なことがわかった。

■違い3 終了後の関わり方
 ALIVEは3ヶ月の終了後は、ボランティアなどで継続して参画している話も多いものの、公式にはプロジェクトは終了し、提案は答申先が実施していく。これに対し、100DIVEでは参加者の提案時に、採用された場合の推進する体制もあわせて提案し、多くは提案した参加者チームから継続して実行していくことが期待されている。
 この点から、提案の採用の基準も変わるだろうし、採用した後のフォローの体制も変わってくる。どのような人が参画して欲しいか・誰が本気で参画したいのか・そのチームビルディングはどうしていくのか、などなど今後考えないといけないことは山ほどある。

■違い4 ALIVEアルムナイの貢献
 ALIVEの過去参加者のアルムナイが強力にバックアップしてくれている。各チームに事務局窓口としてALIVEの過去参加者が1名いて、各チームの不安を解消したり、ALIVEでのプロセスを伝えて全体の熱量を一気に着火していく役割を担ってくれている。上でいった、スイッチが入るのが早いのも公募の参加者の熱量に加え、このALIVEアルムナイの着火活動が効果をあげている。
 楽しんでやってくれている様子は伝わってくるものの、負荷もそれなりになるので、一緒に新たな枠組みを作る楽しさも味わいながらも、しっかりとフォローする体制を作っていく必要がある。

■違い5 強力なパートナー
 地域伴走型コンサルのさとゆめ がパートナーとなり100DIVEを進める。さとゆめ は、小菅村での「700人の村がひとつのホテルに」というコンセプトで有名な古民家再生案件など、単にコンサルティングするだけでなく最後まで伴走することで注目を集める地域プレーヤーだ。小菅村を答申先にした際にALIVEとのつながりができ、'下手なビジネスコンテスト'に終わらないALIVEのチームが夢中になっていく様を見て、提案後に実行までする人とチームを残しさとゆめ がその後も伴走するプロジェクトとなった。
 さとゆめ の地域に入り込んだキメの細かい地域のための伴走は、プロジェクト運営への新たな視点をALIVEにもたらしてくれる。一方、ALIVE型で参加者や地域も当事者としてプロジェクト進行することで全員が当事者となり夢中になっていくスタイルは、さとゆめ のプロフェッショナル意識と折り合いが必要な部分もある。細部まで伴走し、地域にプロとしての提案をしていく価値観と一緒に考えるプロセスにも巻き込んで当事者になってもらう価値観との、綱引きでもあるからだ。
 参加者と同じように、事務局となるALIVEとさとゆめ でも違う価値観ややり方のぶつかり合いの中で、ベターな解を探していく。そこには、完全に正しい答えはなく、本気でのぶつけあいの中で納得できる解を作っていくしかない。


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まだセッション2 が終了したばかり。これからセッション3・4・5と続く中でさらなる違いも見えてくるはずだ。それを乗り越えた後は、10年に渡り100地域での実施を目指す。地域と参加者とパートナーとともに100の事業を本気で作りに行く。

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