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コミュニティマネージャー始めました#5~ダニエル・キムの「成功循環モデル」に着目したコミュニティの質向上のためにできる取り組み~

こんにちは、白波です。
今回は、私が参加しているコミュマネゼミの課題から、ダニエル・キムの「成功循環モデル」について話をしつつ、私の考えるコミュニティの質を高めるための土台作りの話をしていく。


コミュニティの定義の再確認

以前の記事でも定義について触れたが、今回もまずはコミュニティについて前提条件を確認しておこうと思う。

ここでのコミュニティとは、特定の目的意識を持った人々が能動的に参画し、対等にコミュニケーションをとっている集合体。

コミュマネ講座第一回講義資料

ここで強調しておきたいのが、特定の目的意識を持ったという部分である。メンバーの誰もがそのコミュニティに対して、自分の意図や目当が必ずあり、それを叶えるために、コミュニティに入っていることを前提として考えていく。

ダニエル・キムの「成功循環モデル」とは

次に、ダニエル・キムの「成功循環モデル」とは、何かを紹介する。

「成功の循環(Theory of Success)」は、MIT組織学習センター共同創始者のダニエル・キム氏によって、提唱されたモデルです。組織の状況を動的に捉え、より良い組織を生み出すフレームとして、多くの組織開発の実践の中で活用されています。
成功の循環モデルでは、組織を4つの質で捉えます。周囲との関わり方やコミュニケーションといった「関係の質」が高くなると、自然と考え方も前向きになり、目的意識が高まって「思考の質」が上がります。それが人々の積極性や主体性といった「行動の質」を高め、成果が生まれて「結果の質」につながります。すると、ますます関係の質が高くなる、といった循環を指しています。

HUMAN VALUE 「成功の循環」
出典:HUMAN VALUE 「成功の循環」

逆に言えば悪循環もあり、関係の質が悪い場合、思考の質も下がり、行動の質、結果の質も下がるとのこと。

ダニエル・キムの「成功循環モデル」を具体例に挙げてみる

これには、私の実体験を踏まえて話をする。私はこれまで悪循環も好循環も経験してきた。

悪循環のはびこるコミュニティ

まず、悪循環は仕事で入ったコミュニティ。自分の直属の先輩が、非常に気分屋で、取引先から先輩宛てのメールの1通で機嫌が悪くなっていたとき。私にはそのメールが来ていないので、不機嫌になっていることもその理由も計り知れないにもかかわらず、八つ当たりに遭うこともあった。

自分の仕事に対してフィードバックが欲しいと言っても無視をされることもあった。その環境が初めての職場だった私は、その人の機嫌を察せない自分が悪い、みんなこんな気持ちで働いているのに私だけつらいなんて言えない、こんなにすぐに音を上げる人間だと思われたくない、そう思った。そのまま私は心の悲鳴を無視し続け、最終的に少し心を病んでしまった。

その人に話しかけるのがつらくなり、仕事の報告もできなくなった。循環すらできないモデルとなってしまったのだ。

今の私はもう回復したが、逆に好循環も体験している。そのため、もしまたあの環境に入ったとしても、良い成果を出そうなんて一切思えないだろう。

好循環のコミュニティ

好循環のコミュニティの具体例として挙げるのは、私自身が自分のこれからと真剣に向き合うことができたPOOLO JOBとする。

POOLO JOBが会社や古い友人、家族以外のコミュニティで、心理的安全性が担保された初めてのコミュニティだった。

POOLO JOBは、課題のことはもちろん、自分の不安や将来について、素直に話をすることが許される場であった。
誰かが自分の悩みをしっかり自己開示してくれ、それに対してみんなでその人にとって本当にいいこと、幸せってどんなことなのか議論ができる。そんな安心できる場だった。

まさか、大人になってこんな友人ができるなんて思いもしていなかった。そう思えるほど、私たちの関係の質は良いものであると実感している。

安心感のあるコミュニティでは、自分の社会的立ち位置について悩む時間が不要となった。つまり、本来のコミュニティに入る前に自分でマインドセットした目的に、まっすぐコミットすることができる。

課題の量は本当に多いし、こんなにやってお金もらえないの!?と思う人もいるだろう。それでも自分と一緒に頑張っている誰かがいるということは、自分も頑張る理由になったし、やりたいことの実現に向かいながら誰かのために動くこともできた。

自分一人で目的地に向かうのではなく、みんなでそこを目指すことができたのである。

集団として目的地に向かうことの成功体験はもちろんのこと、個人でも成功体験を積むことができた。自分がどんな意図を持って仕事に当たるか、その意図はクライアントのニーズと合っているか、合っていなければどこがだめだったのか、次はどうするのが望ましいか。いわば、PDCAサイクルをしっかり回すことができた。

そしてこれはPOOLO JOBというより、私生活で私が感じていることを挙げる。私の友人には、私よりもデキる人はたくさんいる。そんな友人たちと悩むレベルが違ってしまわないように、置いていかれないように自分も頑張らなくては、と思えるのが誰かと頑張るメリットでもあると考えている。

つまり、「成功循環モデル」は水平展開されるものではなく、立体構造だと感じている。そのモデルが1周するたび螺旋階段を上がるように、コミュニティ全体の質が向上できるものではないだろうか。

コミュニティで活かせる「成功循環モデル」

これまで紹介してきた「成功循環モデル」と私の経験および考えだが、最終的に伝えたいことは下記のとおりにまとめられる。

  • コミュニティ内の関係の質は、コミュニティの中で育つ思考、行動、結果すべての質に影響をおよぼす。

  • コミュニティ内の関係の質に必要なものは、まず心理的安全性である。新たなコミュニティができたら全体の心理的安全性を、新メンバーがいる場合には該当者の心理的安全性を上げることで、コミュニティ全体の質を向上させることができる。

  • コミュニティは、必ず目的があり存在している。目的に向かうコミュニティの質の向上には、「成功循環モデル」を繰り返すことが必要である。

最後の3つ目に関しては、特に成果の求められるコミュニティで活きるが、先の2点に関しては、より多くのコミュニティに活かすことのできる内容と考える。

自分が今後どのようなコミュニティに携わっていくかで活かせる部分は変化していくが、実感を伴い納得ができているこのモデルを、しっかりコミュマネの立場でも実現させていきたい。


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