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いつかまた、どこかで

現在、プライベートでニュージーランドに来ている。

宿に到着してからはまだ半日も経っていないが、雄大な景色にスーッと胸の内が晴れていくような心地を楽しんでいる。

そんな私がコロナ後初めて海外の旅へ。そして、ひとまず1日目の終止符として、家を出てからこれまでの記録を残しておこうと思い、筆をとった。

旅は家を出たらもう始まっている

会社を後にした私は日本食を食べておこうと思い、お寿司屋さんへ急いだ。

もう今日は朝会社に行く時から気分上々で、最寄駅から会社までスキップしたくなる心地だった。

味噌汁を飲んで、出汁の味を楽しんだり。
お得なランチセットではなくて、自分の好きなネタを頼んだり。
インバウンドの回復か、お寿司屋さんには海外の方もたくさんいて、日本の文化を垣間見ようとしていた。

旅はもう始まっている。

そんな実感を胸に、プチ贅沢をしてお寿司屋さんを後にする。
えんがわが甘みがあって本当に美味しかった…(追いえんがわまでした)

旅人はどこかで繋がっている

旅が帰ってきた

空港に着いてから、荷物の預け入れなども3年ぶりの海外旅行とは思えぬほど、スムーズに終了。

手荷物検査や出国手続きも終わらせた私は、コーヒーでも飲もうとスタバへ。

GWよりも少しだけ早めに日本を出ることにした人は私以外にもやはりいたようで、空港にはそこそこ人が。

スターバックスももちろん並んでいた。

あちこちから、旅を楽しみにしている人たちの浮き足だった声が聞こえて来る。

旅先の話題もたくさん聞こえて来た。

スタバで商品を待っている間も、私の前のグループとスタバのお姉さんが会話をしていて。

「今日はどちらまでですか?」
「ハワイに行くんです」

答えた女性の声も、これまで聞こえてきた声と同様に、浮かれた心を隠しきれていない。

スタバのお姉さんもきっとそれを感じ取ったようで。

「いいですねー!どうかお気をつけて、行ってらっしゃいませ。」

その言葉に思わずジーンとしてしまった。
これまで旅に出た時、宿の人からも言われたことがある言葉のはずなのに。
私も前のグループに対して、これまで旅先で出会った人たちに向けたメッセージと同じ気持ちが芽生えていた。

いつかまた、どこかで。

私は旅先で誰かと知り合いレベルになれた時、必ずそう伝えている。

ああ。旅が帰ってきたんだとまたじーんとして、私は自分が頼んだ飲み物を受け取り、スタバを後にした。

連鎖的親切

飛行機に乗り込む。
隣はニュージーランドのパスポートを持っていたが、おそらくインド系の民族だった。
エメラルドブルーのサリーが似合う素敵な老婦人。

窓際にも関わらず1番遅く入ってきた私に、嫌な顔ひとつせず、はつらつと「You're welcome!」と返してきたご婦人のイメージとサリーの色が合っている。

バックパックをしまう時にも、ご婦人の連れの方が「ここ空いてるから、使って!」とわざわざ声をかけてくれた。

誰が誰の連れとか、そんなことは関係なく声をかけてくれる、ディズニーランドのような親切の連鎖に頬が緩む。

『こんなことだけで』、と思う人もいるかもしれないが、私には『こんなことをしてくれた』、だった。

その後も飛行機の中の映画の見方がわからないご婦人を私が助けたり、ご婦人が私に機内食のフルーツを分けてくれたりと親切は連鎖した。

目的地がお互い異なることは機内で話してわかっていたので、最後は互いの目的地に向かって旅人同士散っていく。

そして私はいつかまた、どこかでと思う。

私と旅とこれから

まだ始まったばかりの私の旅には、これからもきっと宿やレストランなど、たくさんの出会いがある。
今からもう楽しみで仕方ない。

まだ会ったことのない誰かにも、やっと会えたねの気持ちで会う。
旅よ、おかえり。これからもよろしく頼みます。

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