あなたの中にもある「とっておきの必殺技」

「とっておきの必殺技でないと、本当に強い相手からは一本が取れない」

私の大好きな漫画「YAWARA!」の猪熊治五郎先生の言葉です。

　（「YAWARA!」とは浦沢直樹氏の大ヒット柔道漫画。猪熊治五郎は伝説の柔道家で、主人公の祖父です）

小手先の技では、本当に強い相手をしとめることはできない。

最後の最後は、とっておきの必殺技なのだと。

治五郎おじいちゃんの言うことは、とても真実を射ている。

オリンピックの柔道を見ていると、世界レベルの選手達はみな得意技を持っています。長い時間と労力をかけて、この必殺技を磨いてきたのだなと、テレビ越しにも感じます。

あなたの必殺技は

とっておきの必殺技、あなたは持っていますか。

私はありません。ないと思って、これまで生きてきました。

私はもともと完璧主義なところがあり、ジェネラリスト。でも、秀でたものがないんです。

昔は「私の特技はこれしかないんです」という方が本当に羨ましかった。だって、その「これ」は、その人のとっておきの必殺技なんですよね。

なんでも平均点でできる人より、必殺技のある人の方が道を迷わず真っすぐ進むことができる。その長所をまっすぐに伸ばして、誰かの役に立てる。それが本当に羨ましかった。

柔道だけでなく、どこの世界でも同じだと思うんです。

必殺技は誰の中にもある

でも、ライターの世界に入って、ライターの先生や先輩方に出会って、そんな考えは少しずつ変わりつつあります。

人の長所は、誰もがわかる目に見えるものだけでなく、その人の生まれもった性質や、これまで長い時間をかけたもの、人から褒められたことがあるもの、それらを掛け合わせたものなんだと。それは他の誰にもない強みになると。

小さい強みでも、３つ掛け合わされば必殺技になれると教わりました。

自分の中から探してみてください。

今までの自分を振り返って、たくさん時間をかけたもの、たくさんお金をかけたもの、人から褒められたことがあるもの。自分の過去から発掘するように掘り出してみてください。

それらを掛け合わせれば、他の誰にもない強い個性になります。

今からでも、必殺技を身に着けることができるのです。今からでも、必殺技を自分の中から探すことができるのです。

「秀でたものはない」というあなたの中にも、必ず必殺技は潜んでいます。

小さい必殺技を掛け合わせて、一本を取りにいきませんか。みんなで一本を目指しませんか。