ゴキブリ教授

続・ゴキブリ教授のエプロン 1(いたずら好き同士)


 この稿は、折原裕『ゴキブリ教授のエプロン』(2019年11月、鳥影社、1000円)の続編の刊行を目指している。前著『ゴキブリ教授のエプロン』は、献本した友人・知人たちにはとても面白いと評価され、続編を望む声も多いので、なんとか刊行にこぎ着けたいものだと思う。
 著者は、三十年近く幸福に勤めた大学を、わけあって、定年を待たずに2019年3月で辞めた。辞めたわけについては、前著で述べたので繰り返さない。大学を辞めたからには、もはやゴキブリ「教授」とは言えないのであるが、名誉教授ではある。そこで、この稿には『続・ゴキブリ教授のエプロン』という仮りのタイトルを付している。
 内容は、前著と同様、ユーモア小話と、ちょっとした考察、等々。これも前著と同様であるが、年寄りの書くものとて、過去の出来事や、過去の感想などが混じることをお断わりしておく。二番煎じと言われないよう、前著を上回る面白い著作になるよう努めたい。


いたずら好き同士

 買い物から帰ってきて、洗面所で顔を洗っていると、娘が部屋から出てきて、廊下をこっちへ歩いてくる足音が聞こえる。ところが、なぜか近くに来た頃合いに、足音がふっと消えた。「何か(いたずらを)たくらんでいるな」と思って、洗面所の端から廊下の方をうかがったら、娘が廊下の方からこっちをうかがっている顔とにらめっこ状態になった。はは、この親にしてこの子あり。


メダカ

 テレビの自然紹介番組を一人で見ていると、メダカの映像が出てきて、絶滅が危惧されるとの解説。そばを通りかかった妻に問いかける。
私「メダカって子供の頃にも見たことないなあ。あんたはどう。」
妻「見たよ。田んぼにいっぱいいた。」
私「(うらやましそうに)ふーん。僕は都会育ちで周りに田んぼとかなかったからなあ。」
妻「足がはえてくると気持ち悪いんだよね。」
私「??? それって、メダカじゃなくて、オタマジャクシじゃないの。」
妻「ああそうか。田んぼには、オタマジャクシもいたし、メダカもいたんだよ。」







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