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一週間日記 11/19〜11/25『首』とか『リバタリアンとトンデモ医療が反ワクチンで手を結ぶ話』とか

ゲーム、映画、読書などの記録。

ブラック・フライデーに限らず、Amazonの大型セールってだいたい安くなるもの一緒ですよね。Amazonデバイス各種、ゲーミング機器各種、ワイヤレスイヤホン、SDカード、プロテイン、早川書房のKindle本……いやまあ、セールってそういうものと言われたらそれはそうなんですけど、なんかこう、もっと意外なものを安くしてくれたりしませんかね。

たとえば、レアな書籍とか、マーケットプレイスでプレミア付いている商品とかをですよ、どぐされ大企業Amazonの力業でもって無理やり安くしてしまって出品者が悲鳴あげるみたいな、そういう益荒男なセールがぼかぁみたいなぁ!

具体的に言えば、『スケートボーディング、空間、都市―身体と建築』って本を格安か定価で誰か売ってくんねぇかなぁ。売ってくんねぇとぼかぁ、なんだかつまんねえや。

なぜか途中から口調が若大将になってしまいましたが、そんな感じで今週も起伏のない生活を送っております。

■遊んだゲーム

『ストリートファイター6』

使用キャラ"リュウ"。ダイヤ5で停滞中。

週のはじめはめちゃくちゃ調子がよくて、あれよあれよとマスター一歩手前まで行ったのですが、そこからビックリするほど勝てなくなってしまって、一度ダイヤ4まで落ちて、再び5に上がって現在に至る、という感じです。

なんかこう、負けがこむとモチベーション落ちてしまって、なんだかしばらく距離を置きたい気分になってきました。シーズン2の追加キャラでバルログこないかなぁ〜、ってことばかり考えています。

『Thirsty Suitors』

リンクはSteamだけど、Xbox Game Passでプレイ。

クリアーした。バカゲーの皮を被った真面目……いや、誠実なゲームだった。おすすめです。

■観た映画とか

『首』

公開日翌日、早イチの回で近所の劇場で観てきた。ガラガラだが、平日かつ早朝なうえに都内の劇場でもないので、まあガラガラで当然である。

北野武監督の映画が劇場で観られるってだけで、そりゃもううれしいのであるが、でも、なんつうか、楽しめたかと言ったら、それほどでも……というのが正直なところ。

戦国時代を舞台に『アウトレイジ』をやろうって方向性はいいんですけど、“本能寺の変“って、もう『猿の惑星』以上に結末がネタバレしまくりじゃないですか(歴史的事実とも言う)。いやまあ、それ言ったら大河ドラマもすべて初めからネタバレしているわけなんだけど、大河はもう先々の展開どうこう以上に、毎週日曜の8時に大河ドラマを楽しむ、という習慣込みでのものであって、一期一会の映画と比較して語るべきもではないと思うんですよ。大河ドラマ観たことないからテキトウなこと言っていますけど。

で、『首』(=戦国アウトレイジ)のような集団抗争劇の面白味って、各組織の力関係があっちに行ったりー、こっちに行ったりー、というパワーバランスのシーソーゲームを楽しむところに醍醐味があると個人的に思うわけで、それで言ったら『首』はもう先々の展開はネタバレしているから醍醐味もクソもない。となると、観るべきところはその作品ならではの歴史、人物解釈なわけで、おそらく『首』では笑いに重点を置いているのだが、正直加瀬亮のハチャメチャな信長以外は全体的におもしろくないし、男色の描写も前時代的なニュアンスを感じてしまった。

あと、これを言ったらおしまいな気もするのだが、役者・北野武がもう正直きびしくないですかね。テレビに出ているときよりはだいぶマシだけど、とは言え何を言っているかは聞きづらかったし、フィクションとはいえ他の武将たちとの年齢差はもはやギャグなのでは、という違和感だった(もしかして、本当にギャグなのかもだけど)。

なんて文句ばっか言っていますが、とは言え北野武監督の新作が映画館で観られる機会なんて、今後あと何回あるかわからないので、観にいったほうがいいと思います。

『現代やくざ 血桜三兄弟』

U-NEXTで鑑賞。

『首』を観てなんか物足りない気持ちだったので、帰宅してからすぐに鑑賞して、「やっぱ小池朝雄だよなぁ〜!」となった。小池朝雄とか室田日出男とか、ああいう“顔“が『首』のような映画には必要だと思います(『首』には川谷拓三の息子は出ていたけど)。

『日本暗殺秘録』

U-NEXTで鑑賞。

『首』を観てなんか物足りない気持ちだったので、帰宅してからすぐに鑑賞した『現代やくざ 血桜三兄弟』に続いて鑑賞して、「やっぱ小池朝雄だよなぁ〜!」となった。

ホント小池朝雄ってなんなんでしょうね、なんでここまで観た人の心を鷲掴みにして離さないのでしょうか。恐ろしいヤクザもんも演じられるし、情けない店主も演じられるし、頼りになる兄貴も演じられる。

もし私がザオリクを唱えられるなら、小池朝雄、室田日出男、成田三樹夫の墓にダッシュでいきますわ!

『スケート・キッチン』

サンダンス映画祭で絶賛されたというガールズスケーター映画。「ああ、なんかサンダンスっぽい!!」なんてスレたことを得意げに言いたくなるが、ふつうにいいスケート映画だった。出演者たちが本当にスケートが上手なのが見どころのひとつで、ちょいと調べてみたところ主人公カミラ役のレイチェル・ヴィンベルクはスケーターとしても活躍している……ぽい?

あとどうでもいい話なんですが、なんか若者がいい感じで疾走しているシーン(スケート、自転車、クルマとか)のバックにシューゲイザーっぽい音を流す演出、あれがエモいってやつですよね。

■読んだ本

『リバタリアンとトンデモ医療が反ワクチンで手を結ぶ話』

今年読んだ本のなかで、ダントツでおもしろかった。

著者のマシュー・ホンゴルツ・ヘトリングは、前作『リバタリアンが社会実験してみた町の話』でもリバタリアンたちの笑っちゃうようで笑えない実態についてユーモアに満ちた文体で書いていたが、本書はユーモアも深刻さも倍増という感じで、アメリカの底が抜けた現状を医療の視点から伝えている。

コロナ禍において、世界最悪の死者数を記録したアメリカ。最新の医療技術を持ち、いち早くワクチンを開発し、迅速に接種体制を整えたにも関わらず、なぜアメリカはあれほどの悲劇に見舞われてしまったのだろうか。

ニュースなどではマスクを忌避する国民性や肥満を初めとした健康問題に言及するケースが多かったように思うが、本書では悲劇を招いた無視できない要因とし、“医療の自由化“を求める運動があったことを指摘する。

同運動は当初、政府のあらゆる制約からの解放を求めるリバタリアンらの主張から始まったが、そこに“唯一真実の治療法“を謳う代替医療の業者、さらにはサプリメント業界が合流。

ロビー活動によって政治家(その多くは共和党員だったりする)も巻き込み、そして最終的には第45代アメリカ合衆国大統領の元司会者(本書はかたくなにこの表記を使うので、僕もそれに従う)に、国民に対して「消毒剤の注射が有効かもしれない」という発表をさせるという圧倒的な成功に至る。

本の前半では、ガンも精神病もすべて治るレーザー照射、独自研究のみで配合されたあるゆる病に有効なサプリメント、自称研究者が推奨するあらゆる病に有効なアルカリ性の食習慣(ちなみにこの研究者は後年、コロナワクチンによって人間が5Gに接続するという説の言い出しっぺになった)、自称宇宙人がつくった万能飲料MMS(ミラクル・ミネラル・ソルーション)という名の薄めた漂白剤、あらゆる(以下、略)祈り、ヒル(沼とかにいるあのヒルだ)……などさまざまな唯一真実の治療法が誕生し、発展していった事例を丁寧に解説しているのだが、これがほんとにどれも荒唐無稽で、到底信じられるような話ではないのだが、でも実際問題としてかなり多くの人がそれを信じてしまう。

なぜか? 著者は代替医療がここまでのさばる下地をつくったのは利益優先の医療業界にあると指摘する。前述のとおりアメリカは最先端の医療技術を有するが、それらを住民が享受できるかどうかについては大きな地域差がある。

つまり、金にならない地域=田舎にはまともな医療環境がないということだ。もちろんそれがすべての原因というわけではないが、医療施設が少ない地域ほど、代替医療を利用してい人が多いというのは揺るぎない事実だ。

反ワクチン主義者たちのあまりにバカげた主張を、多くの人は笑うが、それらの主張が生まれてしまった元を辿っていくと、正規の医療分野が抱える問題点、そしてけっきょくは政治の問題に至ることが本書を読むとわかる。

そしてコロナ禍を経て医療の底が抜けたアメリカの現在。反ワクチン主義者らが懸念しているのは、全米で増え続けているゾンビの存在だ。比喩とかではなく、あのゾンビだ。

一体どういうことなのかについては、ぜひ本書を読んで確かめてほしい。

マジでおすすめの一冊です。

■買ったもの

なんかいろいろセール中ですが、禁欲主義なのでなにも買っておりません。

■おもしろかった記事とか

本を読むことがサブカルらしい。どおりで我ながらサブカルだと思った。

■考えたこと

セールで1TBのマイクロSDを買おうかどうか悩んでいます。ぐひひひ。

おしマイケル。

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