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アロマは苦手なのに、毎回楽しみにしてくれる

毎月の訪問を楽しみにしてくれていた男性がいました。

でも、彼はアロマトリートメント(オイルマッサージ)が苦手です。

では、なぜ毎月楽しみにしてくれているのでしょう。
それは、おしゃべりができるから。

私が訪問するホームのスタッフの皆さんは本当に多忙で、気持ちはあっても入居者ひとり一人とゆっくりお話ししている時間が取れないようでした。
アロマの訪問はひとり20分~30分。その間は気兼ねなくおしゃべりを楽しむことができます。

トリートメントが苦手だからと何もしない訳にはいかないので、アロマをほんのり漂わせ、男性の背中をさすりながら会話を楽しみます。

難しい本や新聞がテーブルの上にいつもあって、博識でちょっと気難しい方。
だけど、前向きでユーモアがあって、おしゃべりは尽きません。

部屋のテレビに映るスポーツやニュースについて、家族の話、仕事の話。
仕事観や人生観についてご指南をいただくことが一番多かったかな…
人生の大先輩は示唆に富んだ話をしてくださって、沢山の知恵を授けてくれました。

男性はアロマの効果をほとんど感じなかったかもしれないけれど、
おしゃべりでリラックスして素の自分でいることができるなら、訪問の意味があるかな

次の月も、そう思って彼の部屋のドアをノックしていました。

まだまだマイナーな職業です。ご支援いただけましたら嬉しく思います。なお、いただきました御厚意は今後の活動資金に充てさせていただきます。